導入事例詳細

SBSロジコム株式会社 様

SBSロジコム株式会社

紹介動画

SBSロジコム様(本社・東京都墨田区)は、トラックによる貨物物流から、倉庫、物流センターなどの業務を担う物流のオールラウンダーです。 近年は顧客の物流機能を一括支援する3PLの提供に力を入れています。 同社は2012年からeセールスマネージャーを導入していますが、その経緯と効果を、 導入と運営の責任者である、営業本部課長の三身直人様に聞きました。

SBSロジコム様概要

SBSロジコム様は1940年に鉄道系運送会社として創業して以来、貨物輸送、倉庫、国際輸送など物流全般の業務を担い、様々な業種業態の顧客のニーズに応えてきました。 近年は単に物を運ぶ仕事から、顧客の物流機能を個々の状況に即したオーダーメイド型で一括して請け負う3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)の提供にシフトし、注力しています。 物流センターを含む物流システムの設計・構築・運営など大規模かつ長期にわたるプロジェクトも数多く手掛け、原料の調達物流から商品の生産物流、商品の販売物流まで、顧客のサプライチェーンマネジメントをトータルな物流サービスで支えています。

営業の進捗管理に関する課題

eセールスマネージャーを導入したきっかけを教えてください。

課題

SBSロジコムの営業本部には約1000名が在籍し、そのうち約60名が営業開発部、残りの約940名が事業部に所属しています。 営業開発部は新規案件を獲得するための営業活動を推進する部署であり、今回はこの営業開発部に対して、eセールスマネージャーを導入しました。 導入のきっかけは営業案件の進捗管理に課題があったことです。 営業部員は担当する顧客の営業進捗状況を上司に報告するために、独自に作成したExcelの進捗表に毎週記入することがルール化されていました。 しかし、Excelによる営業進捗管理は下記のような多くの問題を抱えていました。
営業進捗表に関する問題
  • 共有フォルダ内で管理しているため複数部員が同時に入力できない
  • 「入力待ち」のため部員に残業が発生
  • 不便さから毎週の入力が徹底されていない
  • 月次報告の必要性から、月末にまとめて入力する部員も多く、多数の案件が月末に急に表面化する
  • 取組み案件や営業途中で失注した案件に関して、未入力のものがある そのため、成約率が高すぎる、失注率が低すぎるなど正しい実力値が測れない
  • 週報など報告書作成に時間がかかる
  • 非常に見づらく、営業活動に活かすことができていない
  • 上長は新規、既存の取引先、商談結果が正確に把握できず、案件管理ができない
  • 部員同士の正確な情報共有ができない
結果的に、案件の一元管理が実現していないため、営業開発部員の活動が把握できず、組織的かつ効率的な営業活動が難しい状況でした。 案件が物流センターの構築など大規模化、長期化し、受注額も数億規模のものが増える中、全ての進捗状況を上長が正確に把握したり、管理したりすることは不可欠でしたが、そうした組織としてあるべき姿が現実化していないことが大きな課題となっていたのです。

営業開発部の想い

一方、経営陣は、営業開発部の不完全な進捗管理に対し、疑問の目を向けていました。 成果や実績を報告しても、杜撰な進捗管理の実態を知る役員は数字を実数として捉えないなど不信感を持っていたのです。 営業開発部では役員に不信感を持たれている現状に対し、非常に悔しい想いを抱いていました。

内製化の断念

営業開発部ではExcelに替わる進捗管理システムを内製するため、Accessを活用した独自のシステムの構築も試みています。 しかし、テスト段階で運用したところ動作が遅く、結局「入力待ち」という問題がクリアされないなどの問題もあり、内製を断念。 SFA(営業支援ソフト)の導入を視野に、最適なシステムの調査を2年かけて実施しました。

eセールスマネージャーの選定

eセールスマネージャーを選定した理由は?

カスタマイズとサポート体制を評価

営業開発部では、自部署の問題は自ら改善することが必要という認識のもと、情報システム部の支援を受けず、自分たちの手でSFAの調査に乗り出しました。 ベンダーが主催するセミナーに積極的に参加しました。 特にeセールスマネージャー関連のセミナーには何度も足を運びました。 役員を説得するためには製品のことを深く理解する必要があると考えたからです。 最終的にeセールスマネージャーの導入を決めた理由は、操作や設定が容易で、データのグラフ化などが簡単にできること、自分たちでカスタマイズができること、セミナーで他社事例を聞き、導入・定着のイメージが想定できたこと、サポート体制がしっかりしていることなどが挙げられます。 特にカスタマイズに関しては、当社では顧客のことを「荷主」と呼ぶなど、業界ならではの慣例があり、こうした言葉の変更、項目の増減が自社で自在にできることは評価ポイントでした。 サポート体制についても、問い合わせに対するレスポンスが早く、機能の改善を要望するとバージョンアップ時に反映させるなど、ユーザーの声に真摯に向き合う姿勢も好感が持てました。

[eセールスマネージャーの導入と効果(1)] 正確な営業活動報告を実現

導入後の活用促進策や効果を教えてください。

部員に活用を促す工夫

役員に対する導入に向けたプレゼンテーションも乗り切り、導入を開始したのが2012年4月からです。 以前のような「入力待ち」の状態になることがなく、携帯電話やPCから簡単に入力できるようになり、部員からはタイムリーに活動が報告されるようになりました。 また、eセールスマネージャー上の活動報告を出力すればそのまま週報として活用できるため、上長の作業負担は大幅に低減。 週報を週1回の営業会議の正式な資料として使うようにしたことも部員に積極的な入力を促す動機付けとなっています。 入力していないと、その部員は1週間全く活動していないとみなされるからです。

組織的・効率的な営業活動

案件の状況がわかりやすく表示されるため、新規、既存の荷主が即座に判別でき、部員間の営業先の重複防止にも一役買っています。 営業活動を長期にわたり行っていない荷主や案件も早期に発見できるように改善されました。 そうした荷主や案件に対し、営業開発部員は営業履歴を確認してこれまでの提案内容を頭に入れてから訪問するなど、組織的かつ効率的な営業活動も図れるようになっています。

[eセールスマネージャーの導入と効果(2)] 営業の質の向上

具体的な効果についても教えてください。

正確な成約率の判明と営業方法の見直し

また、活動状況を漏れなく入力することにより、重大な事実も判明しました。 ある営業チームの2011年上期の実績は案件数615件のうち成約率が72%と高すぎ、失注率が11%と逆に低すぎるという異常値といってもいい状況でした。 しかし、eセールスマネージャーの導入により入力を徹底した2012年上期は、案件数が912件と大幅に増え、成約率42%、失注率26%と、適性値が明らかになったのです。 以前は未入力の案件が多く、進捗状況が正確に把握できていなかったことが改めて浮き彫りになりました。 実態を明らかにすることによって、必要な対策を練って打つことも可能になります。
一方、2014年上期は案件数が666件と減り、成約率が56%を増えるという結果になっています。 これは、正確な案件数が判明したことを受け、各部員が営業の方法を見直し、より確度の高く規模が大きい案件に絞って重点的に営業したことによる成果だと考えています。 実際に全体の受注額も増加しています。 eセールスマネージャーの導入により、営業の質が向上したといえるでしょう。

営業活動に深く組み込み、大規模案件を受注

SBSロジコムの営業開発部では営業の進捗管理にとどまらず、全ての営業関連情報をeセールスマネージャーに集約し、営業の効率化に役立てる取り組みも進めています。 例えば、ホームページやコールセンターに寄せられた問い合わせについては、即座にeセールスマネージャー上に登録し、情報を共有化しています。 実際にその新規案件情報を確認した部員が即座に営業をかけたところ、大規模な物流センターの構築案件の獲得に成功。 スピーディーに対応したことが成約に寄与したといえます。 こうした組織的な営業活動が奏功し、営業開発部では2014年上期だけで、2014年全体の営業目標を達成するという好業績を上げています。 eセールスマネージャーを単なる営業活動報告だけに用いるのは不十分な使い方だと思います。 営業活動に深く組み込んでいくことによって、その真価が発揮できるのだと考えています。

今後の展望

今後計画している活用策を教えてください。

情報の更なる集約

今後はeセールスマネージャーを営業活動をより強力に支援するツールとして活用していきます。 例えば、与信情報や企業情報、顧客登録申請書など管理に必要な書類をeセールスマネージャー上に添付し、荷主の情報を誰もがいつでも確認できるような仕組みを模索しています。 チェック漏れを防止でき、作業の効率アップにもつながると考えています。

営業戦略・経営戦略に役立てる

営業戦略の策定にも役立てていく計画です。 例えば、失注案件を正確に把握できるようになったので、今度は失注した要因は何か、コストなのか、提案の内容なのか、どうすれば受注に結び付けられたのかなどを分析し、その先の営業活動に活かすことなどです。 営業戦略のみならず、経営戦略にも役立つと経営陣からは期待されています。 以前は不信感を持たれていた進捗管理データが、今や経営戦略の重要な指標として活用されようとしている現状を、営業開発部では非常に嬉しく、喜びを感じています。

査定の資料に活用

営業開発部員の査定にもeセールスマネージャーのデータを活用していきます。 取り掛かり案件数や成約率、受注額などが評価項目となります。 査定の資料になることをルール化すれば、部員はより正確に入力するようになり、数値による査定を明確化することによって、営業のモチベーション向上にもつながることでしょう。 新規案件の獲得を経営目標に掲げている当社にとっても、eセールスマネージャーは原動力の1つとなります。

営業改革への期待と横展開

今回導入、運用に成功している背景には、導入責任者が「案件を一元管理し組織的・効率的な営業活動を実現する」というeセールスマネージャーの導入の目標を明確化し、自らが推進者となって熱意を持って導入・運用プロセスを進めている点があります。 導入がゴールではなくスタートであり、その後の運用に関して、自部署にとって使い勝手が良くなるように日々改善し、営業成績の向上に結実させていく創意工夫と努力こそが重要です。 また、eセールスマネージャーを導入して改めて気付かされたことは、営業活動を数字も含めて正確に把握する大切さです。 個々の営業活動が詳細に可視化できれば、問題点を顕在化でき、具体的な対策を考えることも可能になります。 今後は可視化されたデータをどのように活かし営業を改善していくか、期待感を持っていると同時に、楽しみにもしております。 eセールスマネージャーによるさらなる営業改革を成功させ、将来的にはSBSグループ全体に横展開を図ることができればと考えています。

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