CTR(クリック率)とは?計算方法や平均値、広告・SEOのCTR改善策を解説
CTR(クリック率)は、広告やコンテンツの表示回数に対するクリック数の割合をあらわす指標です。Webマーケティングの効果を計測するうえでは、CTRの適切なモニタリングが欠かせません。
本記事では、CTRの計算方法や業界別の平均値、Web広告・自然検索におけるCTRの改善方法を解説しています。
CTR(クリック率)とは?
CTRはClick Through Rateの略語で、日本語では「クリック率」または「クリックスルー率」と呼ばれます。広告が表示された回数(インプレッション数)に対して、広告がクリックされた回数の割合をあらわす指標です。
CTRはWeb広告のパフォーマンスを測る際に活用されることが一般的ですが、検索エンジンにおける自然検索のクリック率としても使用されます。
インプレッションについての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
参考:IMP(インプレッション)はなぜ重要?増やし方や類似する用語との違いを解説
CTRを重要視すべき理由
CTRを確認することで、広告やコンテンツのパフォーマンスを瞬時に把握できるため、広告運用やコンテンツ制作の効果検証がしやすくなります。
加えて、Google広告の掲載順位に影響する「品質スコア」の算出にはCTRが活用されています。CTRを改善することは、広告運用の成果向上に直結するのです。
CTRの計算方法
CTRの計算式は以下のとおりです。
CTR(%)=クリック数 ÷ 広告の表示回数(インプレッション数)× 100
たとえば、2,000回表示された広告が100回クリックされた場合は「100回 ÷ 2,000回 × 100=5%」のように計算します。
CTRの平均値とは?
Google広告の業界別平均値は以下のとおりです。
業界 | リスティング広告 | ディスプレイ広告 |
旅行・ホスピタリティ | 4.68% | 0.47% |
自動車 | 4.00% | 0.60% |
教育 | 3.78% | 0.53% |
不動産 | 3.71% | 1.08% |
健康・医療 | 3.27% | 0.59% |
法務 | 2.93% | 0.59% |
金融・保険 | 2.91% | 0.52% |
Eコマース | 2.69% | 0.51% |
産業サービス | 2.61% | 0.50% |
家庭用品 | 2.44% | 0.49% |
人材 | 2.42% | 0.59% |
消費者サービス | 2.41% | 0.51% |
BtoB | 2.41% | 0.46% |
テクノロジー | 2.09% | 0.39% |
参考:WordStream「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry」
なお、Googleの自然検索における平均CTRは、掲載順位によって以下のように大きく変動します。
掲載順位 | 平均CTR |
1位 | 27.6% |
2位 | 15.8% |
3位 | 11.0% |
4位 | 8.4% |
5位 | 6.3% |
6位 | 4.9% |
7位 | 3.9% |
8位 | 3.3% |
9位 | 2.7% |
10位 | 2.4% |
参考:Backlinko「Here’s What We Learned About Organic Click Through Rate」
1位と10位では10倍以上の差があり、SEO対策の重要性がわかる結果となっています。
参考:【2024年最新】SEO対策とは?進め方や具体的な対策方法の基本をわかりやすく解説
Web広告のCTRを改善する方法
以下では、Web広告のCTRを改善するうえで効果的な方法を4つ紹介します。
ターゲットを絞り込む
地域や性別、デバイスなどの細かな設定を見直し、よりニーズを見込めるユーザーに絞って広告を表示させることでCTRの向上が見込めます。
購買の見込めない層を除外することは無駄を削減するうえで有効ですが、主観や思い込みで対象を限定しすぎないことも重要です。
実際の配信結果を分析し、事実にもとづいたターゲティングを心がけましょう。
検索ワードを広告文に含める
広告文には検索クエリ(ユーザーが実際に検索窓に入力するキーワード)と合致するキーワードをかならず含めましょう。
検索クエリと一致するキーワードは太字で表示されるため、ユーザーの目にとまりやすくなります。
具体的な情報を盛り込む
広告文には実績や割引率、価格などの具体的な数値を盛り込みましょう。たとえば、「豊富な導入実績」という文章よりも「導入実績1,000社以上」のほうが強いインパクトを残しやすくなります。
盛り込む情報を検討する際は、2種類の広告を作成してA/Bテストを行うことをおすすめします。どちらがよりユーザーの求めている情報に沿っているかを判別できるようになるため、訴求力の高い広告を配信可能です。
広告アセットを活用する
広告アセットは、広告文に加えて以下のような追加情報を表示できるサービスです。
- 会社ロゴ
- 広告のリンク先以外のURL
- 商品やサービスの特徴
- 価格
- 画像
- 電話番号など
ユーザーの求めている情報を網羅的に表示できることに加え、視認性も向上することからクリック率の改善につながります。広告アセットは無料で設定できるため、積極的に活用することをおすすめします。
自然検索のCTRを改善する方法
自然検索のCTRは、Googleの提供している「Google Search Console」を用いて計測できます。詳細は以下の記事を参考にしてください。
参考:Googleサーチコンソールとは?基本的な使い方や設定方法を解説【初心者向け】
ここでは、自然検索のCTRを改善する方法を3つ紹介します。
タイトルを調整する
タイトルには、ユーザーの検索意図にマッチしたキーワードをかならず含めましょう。ユーザーは、コンテンツを閲覧するか否かをタイトルで判断するからです。
タイトルの具体的な改善ポイントには、以下のようなものがあります。
- 表示されるタイトルが途中で切れないよう、30文字程度で設定する
- コンテンツの内容がひと目でわかるシンプルさをめざす
- 重要なキーワードはなるべくタイトルの前部に配置する
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メタディスクリプションを設定する
メタディスクリプションとは、ページの内容を端的に表す要約文のことです。
対策キーワードを適度に盛り込みつつ、ページの大まかな内容を120文字程度でまとめることがCTRの改善に有効です。
なお、スマホユーザーには最初の50文字程度しか表示されないため、重要なメッセージは前半部に取り入れましょう。
強調スニペットを利用する
強調スニペットは、ユーザーの検索ワードに対する端的な回答が、検索結果の最上部に表示される機能です。検索順位1位のページよりも上位に表示されるため、CTRの向上が期待できます。
強調スニペットに選ばれるコンテンツには、ユーザーの抱えている疑問に対し、解決策が網羅されているという特徴があります。これはSEO対策においても重要な観点となるため、ユーザーに役立つコンテンツを制作することに注力しましょう。
CTRアップはあくまで中間目標
CTRの向上は最終ゴールではありません。重要なのは、ユーザーにアクションを促し、製品・サービスの購買へとつなげることです。
まずは、ユーザーの興味関心や抱えている課題をリサーチし、ターゲットのニーズを満たす広告やコンテンツを提供することから取り組みましょう。直感ではなく、収集したデータにもとづいて戦略を策定することが、長期的な目線での業績向上につながります。