働き方改革でリモートワーク(テレワーク)はなぜ必要? その役割と実現方法を考える
働き方改革とはどんなもので、必要性や生産性アップできる理由を知りたいと思っていませんか?あるいはリモートワークなど、他の企業が効率化している手段を見逃したくないと思っていないでしょうか?
実はすでに働き方改革の流れにのって成果を出している企業は多くあります。今回、働き方改革の概要や必要性、生産性アップできるリモートワークのポイントなどを解説しますので、ぜひ生産性を上げる起爆剤にしてください。
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【はじめに】働き方改革とは? その背景と目的
働き方改革とは、生産性の向上や働き手の維持を目的とする国策で、実施される背景には働き手不足による企業存続の危機などがあります。働き方改革で自社の生産性をスムーズに上げていくためには、まず働き方改革自体への理解を深めておくのがおすすめです。ポイントをピックアップして紹介していくので、さっそく働き方改革について知っていきましょう。
いま働き方改革が進められる背景
働き方改革が進められる最大の背景は、働き手の減少です。日本は2008年をピークに人口が減っており、1歳あたりの人口が多い団塊の世代のリタイアも進んでいます。今後、労働力が圧倒的に不足していくので、労働時間を増やしても補填しきれません。つまり生産性の向上をしないと企業活動自体が困難になっていくのです。
働き方改革の目的
先に紹介した国内情勢のなかでも企業が活動できるようにするのが、働き方改革の目的といえます。全19の施策が進められていますが、大本となる方針は以下の3つです。
- 賃金などの処遇改善
- 働く場所や時間の制約の克服
- 多様なキャリア構築の実現
上記3点を実現し、生産性の向上や、少しでも働き手を維持し、出生率の向上に寄与するのが、働き方改革の具体的な目的です。
そして、働き方改革はメインの事業のかたわらで、プラスアルファの取り組みのように進めていくべきではありません。今、本格的に取り組まない企業はどうなってしまうのか、次から詳しく解説していきましょう。
働き方改革に取り組まないとどうなる?
働き方改革に取り組まない企業は、倒産するリスクが高くなると考えられます。国全体で働き手が減っているので、当然企業の働き手も減るはずです。高齢化もさらに進むので、これまでどおりの事業継続が立ちいかなくなるリスクがあるのです。
また、働き方改革に積極的に取り組む企業に、優秀な人材も取られることでしょう。目先の利益ばかり追っていると企業の存続が危ぶまれるので、働き方改革関連法の施行や世の流れにのるのが望ましいのです。
そしてその中での効率化手段の一つ、リモートワークを今回本題として語ります。
働き方改革の中でも有効性の実績が出てきている取り組みの1つですので、ここから詳しく見ていきましょう。
リモートワークが必要な理由とは? 会社外で働く選択の提示
リモートワークとは、会社外で働く選択肢を作ることであり、企業と従業員の両方にメリットがあります。具体的な取り組み方や注目されている理由を紹介していきましょう。
リモートワークとは
リモートワークとは、自宅や外出先といったオフィス外で働くことです。もちろん業界や職種によって柔軟に取り入れるべきであり、実際以下4種類の形態で取り入れられています。
- フルタイム・リモートワーク
- ハイブリッド・リモートワーク
- リモート・アウトソース
- テンポラリー・リモートワーク
上記4つの詳細を紹介しますので、最適な取り入れ方を模索する参考材料にしてください。
フルタイム・リモートワーク
出社した方が効率的な場合をのぞいて、自宅などで業務に取り組むリモートワークの形態です。クリエイター職などを中心に広がっており、なかには従業員に出社義務がない企業もあります。詳しくは後述しますが、コミュケーションツールなどの環境整備の重要性が高いです。
ハイブリッド・リモートワーク
出社してオフィスで勤務する時間と、自宅や外出先などでのリモートワークをする時間を柔軟に使いわける形態です。たとえば会議がある日は朝から出社し、会議後は介護や子育てをしながら自宅作業をするといった働き方ができます。
リモート・アウトソース
先に紹介した2つのリモートワークは正社員がメインですが、外部委託のリモートワーク化も盛んに行われています。実際、働き方改革の全19の施策でも雇用型と非雇用型のリモートワークは分けて実行されているのです。クラウドソーシングサービス市場も数百億円単位で増えています。従業員のリモートワークを進めつつ、整えたインフラを活かして外部委託のリモートワークも検討するといいでしょう。
テンポラリー・リモートワーク
一時的な作業のリモートワークを前提とした形態です。取り入れ方としては、オンラインミーティングや外回り後に帰社せずにPC作業をすることなどが該当します。
注目される理由は働き手と労働時間の維持
リモートワークが注目されているのは、出社が難しい人材の就労と仕事と家庭の両立支援を実現し、働き手と労働時間を維持できるためです。
出社が難しい従業員でも業務ができるようになるので生産性が増し、仕事と家庭の両立もしやすくなるので離職も防げます。
もちろん導入時のハードルもありますが、具体的なメリットが多数あるので紹介していきましょう。ぜひ会社全体でリモートワークをしていくきっかけにしてください。
リモートワークの4つのメリット
リモートワークの具体的なメリットは以下の4点です。
- 時間の節約と生産性アップ
- 柔軟な働き方を用意できる
- 場所に縛られずに優秀な人材を確保できる
- コスト削減
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
時間の節約と生産性アップ
従業員は必ずしもオフィスで働かなくていいので、時間の節約につながり、生産性のアップが可能です。イメージしやすいのは、移動時間や待ち時間を仕事に回せられることでしょう。
他にも集中して作業し続けないといけない場合などに、オフィスでの面倒な電話対応や不要な会議などを回避できれば仕事の質が高まり、仕上がりも早くなります。結果として、関連部署の仕事の生産性も上がることでしょう。
柔軟な働き方を用意できる
従業員に柔軟な働き方を用意できるのも大きなメリットといえます。国内全体で人口が減少している昨今、子供の世話や親の介護と仕事の折り合いがつけられるのは、従業員にとって重要です。優秀な人材の確保や流出回避にも期待できます。
場所に縛られずに優秀な人材を確保できる
オフィスという場所に縛られないので、広く優秀な人材の募集と確保も目指せます。副業や兼業も働き方改革で推進されており、副業市場も成長しているのでリモートワークでの労働力確保も現実的です。
コスト削減
ツールの導入などでコストがかさむイメージがあるかもしれませんが、実はコスト削減できるのもリモートワークのメリットです。従業員の出社回数が減れば光熱費などの雑費が減り、スペースもあくのでオフィスや設備への投資も少なくなります。
リモートワークに必要なものとハードル
リモートワークの導入には、ツールと仕組みが必要であり、環境整備とコミュケーションが難しいというハードルもあります。それぞれ具体的に説明していくので、ぜひ自社の取り組みをスムーズにするヒントにしてください。
必要なのはツールとルール
オフィスで気軽に話したりデータを共有したりできないため、ツールで補う必要があり、ルール作りも必要になります。必要になる代表的なツールは、以下のとおりです。
- チャットやオンライン会議ツール
- タスク管理ツール
- ファイル共有ツール
上記ツールは小規模であれば無料で使えるものも多く、必要な機能やツールに合わせて料金プランも選択可能です。
一方で、円滑なリモートワークのためのルールは、業界や企業ごとに最適なものが違います。たとえば、リモートワークをする時間を統一したり、情報格差が生じないようにしたりといった配慮が必要です。リモートワークのハードルをよく理解してルールを作らないと失敗するリスクが高まるので、続いてハードルについても見ていきましょう。
ハードルは環境整備とコミュケーション難
リモートワークのハードルは、環境整備とコミュケーションの難しさです。環境整備としては、最適な勤怠管理やペーパーレスへの実現が必要で、先に紹介したツールや使用できる設備も必要になります。
そして、単純にチャットツールなどを導入しても円滑なコミュケーションが取れるわけではありません。たとえばチャットは情報の蓄積には向かず、特有の情報管理の難しさもあります。生産性アップのために、出社やWeb会議も選択肢にいれるのが重要です。
リモートワークで成果を出した企業3選
リモートワークのメリットやポイントを理解できたところで、ここからは成果を上げた企業と成功要因を紹介していきます。
トヨタの例
トヨタは、フレックスタイム勤務をベースに、独自のリモートワークであるFTL制度を取り入れています。出社は週に1度が義務です。妊娠や育児に関わる従業員が対象になっていた在宅勤務制度を拡大したのがポイントで、総合職から一般職に拡大されました。優秀な人材の流出と生産性アップをねらった取り組みです。
参考:https://toyokeizai.net/articles/-/122413
東急リバブルの例
大手不動産会社の東急リバブルも働き方改革に積極的で、不動産業界には珍しかったリモートワークを取り入れた企業として知られています。在宅勤務の整備とともに、サテライトオフィスも整備し、営業職のリモートワークも実現した形です。試験運用の時点で各部門の対象者の7割が効率アップしたと回答しています。
参考:https://www.livable.co.jp/corp/release/2016/20160707.html
カルビーの例
食品大手のカルビーは間接部門で週2日を上限とする在宅でのリモートワークを取り入れています。営業職も外出先などでのリモートワークで、直行直帰を実現。ポイントはルールの明示で、具体的には以下4つです。
- 前日までに上司に申請し、翌日に業務報告
- リモートワークの時間は所定の労働時間中が前提
- オフィス同様に集中して業務をすること
- 呼び出し時には出社できること
参考:https://dime.jp/genre/656627/
リモートワーク成功の共通要因
リモートワークで成果を上げる企業には共通点があると考えています。代表的な成功要因として以下、3点ではないでしょうか。
- コミュニケーション手段のPDCA
- 人材の選定と採用
- 評価制度の更新
コミュニケーション手段のPDCA
ただコミュニケーションツールを導入するだけでなくPDCAを回して、最適なコミュニケーション手段を模索するのが重要です。先にも紹介したとおり、業界や企業ごと最適なツールは異なり、出社やオンライン会議を使い分ける必要があります。
そして、最初から最適なツールやルールを導入するのは難しいので、従業員へのヒアリングや効果検証が重要なのです。ただツールを導入して終わりではなく、働き方改革のそもそもの目的である生産性向上を考え、改善し続けましょう。
人材の選定と採用制度
リモートワークと親和性が高そうな人材導入をはじめ、軌道にのってからは採用にも反映するのが重要です。リモートワークを通して、企業と従業員がWin-Winの関係になれるように、仕組みと人材の両方を整えましょう。実際、成功事例として紹介したトヨタは、採用制度も柔軟に変えることで知られています。
評価制度の更新
リモートワークという新しい働き方を取り入れる以上、評価制度の更新も必要です。リモートワークでの働きが正当に評価されないと従業員の満足度が下がり、生産性が向上しない恐れも出てきます。時間と費用をかけてリモートワークを導入したのに、成果が上がらなかったという事態をさけるために、評価制度の更新も覚えておいてください。
リモートワークで生産性向上と企業の存続を
今回は働き方改革やリモートワークを解説しました。
国内企業は働き方改革の実施が必須です。リモートワークは成功企業も多い施策です。ハードルも多いがメリットも多いのでぜひ取り組んでみてください。そして、生産性向上と企業の存続につなげてください。
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貴社の労働生産性を上げる為の一助となれば幸甚です。