新規開拓の営業メールには効果的な「件名」をつけよう!基本型や文例を紹介
新規開拓のアプローチの方法として、営業メールは欠かせないものです。しかし、どんなに熱意を込めて書いたメールであっても、開封して読んでもらわなければ意味がありません。開封してもらうためには、メールの件名に工夫が必要になります。
本記事では、効果的な営業メールの件名の付け方に加え、新規開拓における営業メールの重要性、その効果やメリット・デメリット、メールの基本的な書き方とその例文を紹介します。
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営業メールの件名・タイトルを重要視すべき3つの理由
営業メールにかぎらず、メールは開封してもらえなければ意味がありません。開封されるかどうかを左右するのがメールの件名・タイトルであり、営業メールを送信する側はその重要性をしっかりと認識しておくことが重要です。
営業メールは「読まれること」を前提としない
メールは時と場所の制約を受けない便利なコミュニケーション手段です。
しかし、営業メールを受け取る側にとっては、テキスト情報のみしか提示されないメールは、「無視する」「対応しない」という判断が他の営業アプローチを受ける場合よりも簡単です。
日々、対応すべき大量のメールに追われる多くのビジネスマンにとって、営業メールはわずらわしいものであることがほとんどです。
開封して読んでもらえることが前提とならない営業メールは、開封してもらう確率をどうやって高めるかが最も重要な要素となります。
件名・タイトルによって開封率が大きく変わる
営業メールの受信者がはじめに目にするのが件名・タイトルであり、開封するかどうかの唯一の判断材料になります。一般的にメールの開封率は20〜30%程度であるといわれています。開封率を高められる唯一の要素が件名・タイトルであることを認識しておく必要があります。
また、件名・タイトルのほか、送信者も開封するかどうかの判断材料となります。営業メールとわかっている場合、送信者が知らない相手であることは対応する優先順位を下げる要素として働きます。
開封してもらうためには理由が必要である
興味や関心を惹くための手段という意味では、営業メールも広告と同様な目的をもったマーケティングコミュニケーションといえます。広告に対して人は、「見ない」「信じない」「行動しない」という態度を取る性質を持っています。
営業メールを開封してもらうという高いハードルを越えるには、タイトル付けの基本原則である4Uを参考にしましょう。4Uは以下の4つの要素の頭文字を示しています。
- Useful:有益性
- Urgent:緊急性
- Ultra-Specific:超具体性
- Unique:独自性
最も重要なのは、メールの受信者にとって開封するメリットを具体的に伝えることです。多くのメールのなかから気づいてもらえる独自性と、いま読む必要があるメールである(=緊急性)を盛り込んだ件名を意識しましょう。
開封率が上がる「件名」の4つのポイント
開封率を高めるためには、次の4つのポイントを押さえることが重要です。
送信時点での関係性を見きわめる
新規開拓のための営業メールといっても、想定されるカスタマージャーニーのどのタイミングで送信するかによって受信者との関係性が異なります。
たとえば、なんの接点もない顧客と問い合わせのあった顧客とでは、自社製品に対する関心の程度や営業メールを受信した時の印象は違うはずです。
営業メールを送信する時点での相手との関係性の度合いを認識し、それに沿った件名をつけましょう。
限られた文字数で伝わるかどうか
受信者がメールを確認するデバイスとメールクライアントによって、タイトルに表示される文字数が異なることにも留意しましょう。
たとえば、PCにメールクライアントをフルスクリーンで表示させてメールを確認する場合、Gメールでは90文字前後がタイトルに表示されますし、マイクロソフトのOutlookでも100文字近くが表示されます。
一方で、画面スペースの小さいスマートフォンでは件名・タイトルの表示文字数が20文字に満たない場合がほとんどであり、長いタイトルは文字が欠けて表示されることになります。
営業メールの受信者がどんな環境でメールを確認しているかを知ることはできないため、件名・タイトルの文字数にも配慮が必要です。
選択する単語・表現に気を配る
営業メールの件名・タイトルの言葉づかいや表現には、節度を踏まえた配慮が必要です。
メールマガジンに付けるタイトルと特定の相手に送る営業メールのタイトルでは、適切な言い回しや選択すべき単語は異なります。インパクトを重視するあまり、不適切な表現にならないように気をつけましょう。
記号や強調表現を適切に使用する
他のメールとの違いを強調し、目に留めてもらうための方法として記号や強調表現を用いる際には注意が必要です。
たとえば、インターネット上のコミュニケーションでよく使われる「!」(エクスクラメーションマーク)は文章の信ぴょう性を低下させるという海外の研究結果も報告されており、記号を過剰に使うことは避けたほうが無難です。
また、「必ず」や「最も」などの強調表現も実態がともなわなければ、誇大広告になってしまいます。
件名・タイトルを目立たせることと独自性を打ち出すことにとらわれて、ビジネス上のコミュニケーションであることを忘れないようにしましょう。
新規開拓に有効な「件名」の書き方と例
ここでは、件名の書き方について、5つの観点からみていきましょう。
問題提起をする
件名で問題提起をすることで、「自分の会社のことかな?」と思わせる書き方です。
企業に起こりがちな問題を指摘して、興味を惹きます。少しでもメールの受け手が自社に重なる問題と感じれば、営業メールの効果が期待できるでしょう。
たとえば、下記のような件名が考えられます。
- 〇〇な企業が抱える△△な問題
- 〇〇を使った管理方法は間違い?△△の問題点
- 〇〇は△△だけが解決方法じゃない!?
このように、問題や間違いを指摘して、「では、どうすればいいの?」と答えを求めてメールを開いてもらうのです。
提案する
件名で提案することで、「そんなサービスがあるのか」と知ってもらう方法です。
たとえば、どこにいても取引先の情報を確認できるようにしたい顧客には「顧客管理にはクラウドサービスが便利」という件名のメールには目を通したくなります。
提案をする件名には、下記のような書き方が考えられます。
- 〇〇ならば△△がおすすめ!
- 50社以上の〇〇管理なら弊社の「〇〇システム」にお任せください!
- 〇〇しているときでも△△できる「□□システム」
顧客の状況に対する提案をすることで、「これが欲しかったのかもしれない」と思ってもらえます。
課題の解決策を提示する
課題の解決策を件名に書くことで、顧客の期待を高める方法です。
今まさに困っている状況ならば、解決策が書いてある件名のメールを読みたいと思うでしょう。
課題の解決策を提示する件名の書き方には、下記のようなものが考えられます。
- 〇〇な課題を解決!ついに〇〇サービスを開始します!!
- 〇〇サービスを使えば、もう二度と△△な課題に困りません!
- 〇〇にぴったり!△△な課題を解決する□□サービス
「課題がついに解決する」という印象をもたせる件名で、顧客を惹きつけることができます。
行動させる
最後は、顧客を具体的に行動させる件名の書き方です。
読み手にどんな行動をとってもらいたいのかを具体的に示すことで、実際に営業メールを読んでもらい、最終的にはメールから問い合わせをしてもらえます。
行動させる件名には、下記のようなものが考えられます。
- 〇〇の解決には、まず△△してください!
- 〇〇サービスの中でも顧客満足度No1!△△ならばすぐにお問い合わせください
- 今なら〇〇の特典付き!△△についてはまずメール内容をご確認ください
具体的な行動内容とともに、お得感を出すと効果的な場合もあります。
ただし、誇大広告にならないよう気をつけましょう。
シチュエーション別「件名」の付け方の注意点
営業メールを送るシチュエーションも、件名・タイトル付けの際に配慮する必要があります。顧客との関係性が営業プロセスの段階によって異なるからです。典型的なシチュエーション別に以下の点を意識することが重要です。
アクションへの対応
資料請求やホワイトペーパーのダウンロードなど、顧客側からの何らかのアクションをきっかけとして営業メールを送るケースです。顧客側は自社の製品やサービスに関連して何らかの興味・関心を抱いていることが想定されます。
このケースでは、前の項目で紹介した「提案」や「課題の解決策」をより具体的に示し、次のアクションにつながるタイトル付けが有効です。
アポイント獲得
営業プロセスが進行し、デモや提案、見積もりなど、相手先から訪問を要請された場合、また、より詳しい情報提供・収集のために訪問することを提案する場合に営業メールを送るケースです。
相手先の関心の度合いや、相手が決裁権者かどうか、求めるものがどの程度、具体的になっているかにもよりますが、何を目的に訪問するのかを5W1Hに沿って明確にしたタイトルを付ける必要があります。
問い合わせへの対応やお詫び
問い合わせへの対応や、何らかの不都合に対するお詫びも、顧客とのコミュニケーションのきっかけとなる貴重な機会となります。
問い合わせの場合は対応すべき内容がはっきりしているため、求められていること以上のプラスアルファの要素があることが好印象を与えます。
お詫びの場合は誠意を表現することが最優先です。状況の説明も必要ですが、それはあくまでの自社の都合にしか過ぎません。
問い合わせの場合は「〇〇の件のお問い合わせについて」、お詫びの場合は「〇〇の件についてのお詫び」など、これらの趣旨のメールであることがひと目でわかるようにしましょう。
営業メールのメリット
それでは、営業メールを送る具体的なメリットには何があるのでしょうか。
ここでは、営業メールの4つのメリットをみていきましょう。
営業の効率化
営業メールのメリットとしては、営業の効率化が挙げられます。
メールなので、複数の顧客に対して一斉送信できますし、メールを活用している企業であれば日本国内だけでなく、世界の顧客も見込み客としてターゲティングできるのです。
飛び込み営業のように移動する必要がないため、同時に複数の顧客へアプローチできます。また、テレアポのように1件ずつ営業する必要もありません。
もちろん、メールの内容は顧客に合わせて書く必要がありますが、メールの雛形を作っておけば効率的に営業メールも作成できます。
時間の制約がない
メールの送受信には時間の制約がありません。メールを送る側も受け取る側も、いつでも送受信が可能です。
たとえば、訪問営業ならば、顧客の営業時間に合わせてアポをとらなければなりません。1日に回れる顧客数も限られてしまいます。
しかし、メールならば営業時間は関係ありません。営業メールを作成したら、その場で顧客に送信できますので、1日にアプローチできる顧客数も倍増します。
資料も送れる
営業メールには資料も添付できるため、サービスの概要をPDFなどの資料として送信できます。
たとえば、テレアポの場合はまずは電話をして、資料を送付する了承を得てから、あらためて郵送やメールで資料を送るという手間がかかります。
しかし、メールならば資料を同時に配布できるため効率的です。
また、PDFならば、パソコン上でファイルのコピーをするだけなので、紙を使った資料の印刷と比べても大幅にコスト削減できます。
内容を残せる
営業メールは、送信した内容を残せることもメリットです。
たとえば、訪問営業のときのトーク内容を一字一句漏らさずに記録することは難しいでしょう。トーク中に不用意な発言があって顧客獲得を逃したとしても、あとから振り返ることはできません。
しかし、メールならば、どのような内容を送信したのかを記録できます。営業内容の記録としても便利ですし、顧客ごとに「どのようなアプローチをしたか」の分析にも使えます。
また、営業担当者が変わるときの引き継ぎにも使えるでしょう。
営業メールのデメリット
次に、営業メールのデメリットも確認しておきましょう。
ここでは、4つのデメリットを紹介します。
メールの内容によっては効果が低い
メールでの営業は効率的ですが、メールの内容を吟味しなければ効果が低くなってしまいます。
たとえば、訪問営業ならば、その場のトークでサービスのメリットや必要性はもちろん、熱意も伝えられます。
しかし、メールで熱意を伝えるのは難しく、顧客はメールの文章だけを淡々と読むことしかできません。
メールを送ったすべての顧客が、今、自社のサービスを必要としていれば熱量は高くなりますが、こちらからメールで熱意を伝えるのには限界があるでしょう。
迷惑メールと間違えられる
営業メールは、迷惑メールと間違えられることが多くあります。
何度もしつこくメールを送り続ければ、スパムメールとして扱われる可能性もあるのです。
訪問営業は、何度も顧客に顔を出すことで顧客獲得につながるケースもありますが、メールは「迷惑」だととらえられるデメリットがあります。
相手の反応がわからない
営業メールは、基本的に一方的な手紙ですので、それを読んだときの顧客の反応がわからないというデメリットがあります。
訪問営業やテレアポならば、話をしているときに相手の反応を伺うことができますが、メールは返信がなければ相手の反応がわかりません。
メールを読んでどのくらい興味をもったのか、あるいはまったく読まずに削除されたのか、それすらもわからないので、次のアクションが難しいのです。
メールの利用が少ない業種には不向き
メールで営業できるのは、普段からメールを使っている顧客だけです。
現代では、ほとんどの企業にパソコンやインターネットが普及していますが、中にはメールを使っていない企業もあります。
そのような顧客には、やはり訪問営業やテレアポでのアプローチしか手段がありません。メールの利用が少ない企業には、営業メールは不向きといえるでしょう。
【本文つき】営業メールの文例
営業メールの書き方には、基本的な型があります。顧客獲得の可能性を左右するものなので、無視はできません。
「新規開拓」の営業メールは、普段の社内連絡や、すでに商談が進行している顧客とのメールとは違います。相手の興味を惹く件名をつけたり、顧客の課題や問題を解決するサービスを提案したりと、読ませる工夫が必要です。
たとえば、訪問営業ならば身だしなみや表情、テレアポならば声のトーンを意識することと同じくらい、メールの書き方が重要なのです。
営業メールは、以下のような書き方が一般的です。
件名:顧客管理システムに関するご提案 〇〇株式会社
本文:
株式会社〇〇 ご担当者様
突然のご連絡にて失礼いたします。
〇〇株式会社の△△と申します。この度、貴社の顧客管理を効率化できる管理システムについて、弊社の商品がお役に立てるのではないかと思い、ご連絡いたしました。
弊社の顧客管理システムは□□□という特徴があり~~
・・・
・・・
もし、弊社の顧客管理システムにご興味をお持ちでありましたら、ご説明にお伺いしたく、ご連絡を差し上げた次第です。
下記の日時など、ご都合はいかがでしょうか。
※ご説明のお時間は、1時間程度を予定しております。ーーーー
・〇〇月〇〇日(△):〇〇:〇〇~
・〇〇月〇〇日(△):〇〇:〇〇~
・〇〇月〇〇日(△):〇〇:〇〇~
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上記日程以外をご希望の場合は、ご都合のよい日時を教えていただけますと幸いです。
お忙しい中恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
上記は、あくまでも基本的な形ですので、業種やサービスに適した書き方をしましょう。
営業メールでの新規開拓は「件名」で顧客をつかむ!
営業メールは、効率的にアプローチできる一方、読まれなかったり、迷惑メールとして処理されたりする可能性もあります。
そこで重要なのが、「件名」の書き方です。
特に、新規開拓では、自社の名前もサービスも知らない顧客へのアプローチなので、件名で興味をもってもらうしか手段がないといっても過言ではありません。
件名の書き方によって、メールが読まれるか否かが左右されてしまうのです。
営業メールを送る場合には、サービス内容や業種に適した書き方はもちろん、「件名」についても意識して顧客をつかみましょう。