文章はアナログ情報
我々は多くの営業現場を取材してわかったのですが、ほとんどの日本企業はいまだに日報という文章形式を通じて営業現場の情報を取ろうとしております。
1、2人の日報はともかく、数十人、数百人の文章となれば全てを読むことは不可能です。
全体像も客観的に評価できません。
また文章の日報は実に評判が悪いものです。
売れない人に限って文章が長いのは定説になっております。
文章の内容は親分子分のやり取りが多く、精神論で始まり精神論で終わるケースが実に多いのです。
文章はワープロやグループウェアで書けばデジタル化していると思い込む人が居ますが、実は文章である限り、紙に書こうかパソコンに書こうか、アナログ情報であることに変わりはありません。
必ず主観性と曖昧さが入り、数値データとして扱いません。
例えば、上のこの絵を観察してください。
「仙人掌にみえる・・・、犬の横顔みたいな・・・、いや大きなリボンが着いている女の子の頭のように・・・」と10人居れば10通りの表現があります。
事実としての絵は一枚しかないにもかかわらずアナログな文章にすると無数の解釈になってしまいます。
一方、その言葉を聞いた人は自分のイメージに嵌めて解釈しようとします。
仙人掌といったら、メキシコの砂漠に生えている植物である仙人掌を想像する人もいます。
犬の横顔といえば自分が飼っている秋田犬のことを想像するかもしれません・・・。
聞く人もまた無数の解釈が可能になります。
いずれにせよ、伝える方も聞く方も自分の固定観念に強く影響されてしまい、正確な情報伝達が困難になります。
主観性を排除するために、この絵を一定の厚みを持つ長方形に分解し、その長方形の中心座標と長さを数値としてスマートデバイスなどのモバイルを使って登録します。
情報がほしい人は勝手な解釈をせずその登録された情報にアクセスし、その中心座標と長さを使って順番に長方形を描いて積み上げれば絵になります。
精度が足りないと思ったら長方形の厚みを半分にすればより原図に近い絵を得ることができます。
eセールスマネージャーでの復元レベル
原文
一件目、ヤマダ重機に行きました。ここはABC商事さんに紹介してもらった新規顧客です。
購買部長の鈴木さんと会い、当社の「カラーコピー君」を紹介した。
この会社はカラーコピー機について以前から導入する議論があり、今回はおそらく1ヶ月以内に稟議が降りる。しかし、ライバルのパノンさんが既に競合商品を提案しており、次回の訪問では当社商品の総合性能とコストパフォーマンスをアピールする必要がある。
来週の木曜日に見積りも持参することになっております。
情報を数値化
復元後の文
6月25日10:30にヤマダ重機株式会社の鈴木様に「カラーコピー君」を訪問販売しました。
この顧客は紹介ルートで接触できました。
営業環境としては既にカラーコピーの導入決定がなされており、競合のパノンさんと同様な立場で競合することになります。今回営業の結果は見積り提出が求められました。
次回の訪問は当社製品の総合商品力を前面に出して発注に繋げたいと思います。
これは本日の一件目の営業で新規顧客です(データ検索で自動的に分かるため)。
・ABC商事さんの紹介。
・稟議は1ヶ月以内。
これと全く同じ考え方と手法を使って、事実(情報)を伝える文章のデジタル化と転送方法を示します。
収集してほしい情報を複数のセクションに分解し、それぞれセクションをメニューとして設定します。
そのメニューの後ろに経験やノウハウを表す複数の選択肢(ナレッジ)を設けます。
報告する人はメニューを開いて中から選択肢を選ぶだけでほしい情報を20秒以内で伝えることができます。