鳥瞰図のない経営
以前に比べて天気予報は、驚くほど当たるようになりました。その理由をご存知でしょうか。
一番の要因は、人工衛星です。
衛星を使えば、日本のみならず全世界の気象状況を把握することができます。
気流や海流の移動速度を計測することで、数ヶ月前から日本周辺の状況を予測できるようになったのです。
二番目の要因はコンピューターにあります。
気流であればアナログの画像や文章表現ではなく速度、方角、分布地域、高度などがすべて明確な数値としてコンピューターに蓄積されます。
コンピューターは専門の理論と過去の経験則に基づいてこれらの数値を分析し、正確な予想をはじきだします。
「たった今、東京では雹が降りました!」、「たった今、札幌は零下2度になりました!」といくら早く報告しても、それは「報告」にすぎず、天気「予報」の価値と比べものになりません。
あなたの会社では「天気予報」が行われているでしょうか。
「夕焼けが凄いから、明日は雨かもしれない」程度の観測論はしているかもしれませんが、そのくらいなら分かる人も多く、実際の経営判断に使えるものではありません。
全社の営業プロセスをアナログの観測論ではなく、数値によって表現できれば、経営者は天気予報と同じ、数値化された鳥瞰図を手にすることになります。
どのプロセスがどの結果につながっているかを明確に知ることができれば、決算の数字を見て、一喜一憂するだけではなく、確実によい方向に会社を導くことが可能になります。
営業会議を開催することは、企業の定例行事になっています。
各課の、各部の、さらに各支店の会議があります。
その上に支店長が集まる全社会議や取締役会議まであります。
このような会議を通じて、情報が末端からトップに集まり全体像が見えるようになると錯覚している企業は、実に多いのです。
本当はこれでかえって全体像が見えなくなるのです。
文章と言葉の洪水は、会議に出席する人たちの思考を沈没させてしまいます。
人々を落胆させるような決算のデータがきれいに打ち出されます。
しかし、言葉の洪水と決算のデータ以外に今この会社はどの方向に向かっているか、市場はどうなっているかを示す定量的なデータは全くありません。
数千人単位の営業マンを全国に分散し、毎日顧客と接触しているのに次期決算の基となる営業プロセスや、市場の動向、顧客反応に関する状況などの全体像をつかむことができていません。
天気予報でいえば、数千人の営業マンたちは数千個のセンサーになり、リアルタイムでマーケットや営業プロセスという「気流」のデータを収集できるはずです。
このデータを数値化し、各種の会議で意図的に曲げられないうちに経営陣に見せることができれば、企業の鳥瞰図がおのずと見えます。
これまでは会社の状況をつかむといえば、誰でも決算を思いつきました。
しかし、決算が何を示唆してくれるでしょうか。
決算は過去のプロセスの結果を合計した数字です。
結果の合計が10であればそのプロセスには次に示すような、無数の組み合わせがあります。
1+3+5+1=10
2+2+2+3+1=10
4+4+2=10
6+2+1+1=10
毎日でも決算できると自慢する経営者はいますが、それはただ結果を早く知る方法を手にしただけです。
確かに結果から間接的にプロセスを分析することができますが、直接的な分析ではありません。
しかも、その結果はあくまでも終わった話です。
営業マンを通じて、営業全体のプロセスとマーケット状況を数字化する仕組みは簡単です。
誰でもスマートデバイスを使って簡単にできる仕組みがあります。
これがeセールスマネージャーです。