誰でも成果を出せる!新規開拓で成約率を高める為に行なうべき10の秘訣
「新規開拓がなかなかうまくいかない・・・」とお悩みではないでしょうか?
各企業経営者、営業幹部へのアンケート調査で、営業上の課題として現在ダントツTOPの回答が「新規開拓がうまくいかない」という結果も出てきています。
そもそも、なぜ、新規開拓が大きなテーマなのか?
それは、日本の市場が成長期ではなく、成熟期に入り、ほとんどの業界では競合との顧客の奪い合いが始まり、既存顧客だけで成長することができなくなったからにほかなりません。
そこで、経営者や営業マネージャーは方針として「新規開拓」をテーマに掲げて部下に「やれ」と指示を出すのですが、既存顧客への営業と新規開拓を比べると、圧倒的に新規開拓の方が難しいこともあり、「やり方」が分からない部下は「既存顧客への営業で忙しい」と言い訳して「新規開拓」をやりたがらないのです。
第1章 なぜ、新規開拓がうまくいかないのか?やりたがらないのか?
それは、上司も部下に「新規開拓を組織的に行うためのプロセスを具体的に設計し、指導できていない」、つまりやり方まで落とし込めていないことが大きな原因です。
今までのスタイルで号令だけかけても、売れる人だけ売れるといった、いわば「属人的な個人商店営業」となってしまい、8割の営業マンは一生懸命がんばっても、結果につながらず、既存顧客への営業活動ばかりに逃げるか、売れないので辞めてしまう、といった結果を招いてしまうわけです。
売れる営業マンやプレイングマネージャーになぜ、売れるのか?と聞いても「無意識的」にやっていることも多いため、うまく具体的な指導ができない。
上司は教えているつもりなのですが、「ちゃんと新規開拓しろ」「アポをとったか?」「なんでちゃんとヒアリングしてこないんだ!」という指摘ばかりで、「どうやって?」という具体的なやり方まで指導できていないケースが圧倒的に多いのです。
第2章 新規開拓力を強化する【型】とは?
営業部門でチームをまとめるマネージャーは営業マン時代に成果を上げた方々が多いのに、なぜうまく指導できないのか?
それは、売れる営業マンは売るためのプロセスややり方を「無意識的」にやっていた人が多いからです。
そのため、「なんでちゃんとヒアリングできないんだ?」「どうせ何度言ってもできないんだから、自分が売るしかないな・・・」と嘆いたり、考えたりし、結局マネージャーなのに勤務時間の9割をプレイヤーとして活動してしまう、などという例ばかりを目にします。
このような「無意識有能型」のマネージャーは「ちゃんと」を「具体的なやり方」まで落とし込むことができてないことがとても多いのです。
言いかえると、誰でも再現できるレベルまで落とし込むための「新規開拓の【型】がない」ことに尽きる、ということです。
組織的に営業を強化するためには【型】に落とし込む、誰でも「再現性」のある「やり方」まで落とし込む必要がある、ということです。
第3章 新規開拓の【型】を身につけるための10のポイント例
たとえば、「新規開拓リストを配布しているのに、なかなかアポすら取らない」というケースは、
- (1)そもそもリストのターゲットの絞り方や集め方に問題はないか?
- (2)集めたリストの数そのものは不足してないか?
- (3)なぜ、営業がTELアポをしたがらないか、を理解しているか?
- (4)リストの対象キーマンにTELで繋がってもいないのに「やりました」と終了し、無駄になっていないか?
- (5)どんなトークをすればアポ率が上がる、というノウハウをもっているか?
という問題を抱えたまま、そこに何も手を打っていない営業組織である場合が多いのです。
たとえば、「せっかくアポが取れたのに初回面談で15分-20分で終了してしまい、全く次につながらない」というケースは、
- (6)事前準備をし、対象企業のことを徹底的に調べているか?その企業の抱えている課題の仮説をもって望んでいるか?
- (7)会社案内→商品(サービス)案内→事例リーフレット提示→価格について→何かございませんか?といったいわゆる「パンフレット営業」になっていないか?(こんな営業をされても「もうすでに取引先あるから・・・」とあしらわれますよね?)
- (8)顧客の現状や課題を自然と引き出せるような質問を設計できているか?
- (9)自社の強みと他社との違いを1分以内に営業全員が言えるようになっているか?
- (10)顧客から商談時に想定される抵抗(例:すでに取引している業者があるので結構です、など)に対しての準備はできているか?(その抵抗を覆すための事例や証拠、顧客メリットを感じでもらうためのトークや質問の設計など)
といったように、一口に新規開拓といっても、やり方が分からない営業マンに号令だけで足で稼いで売れる時代はとっくに終わっていることに気づかなければなりません。
その解決策としては、
(1)の解決策
自社の商品やサービスを売りやすいターゲットとはどこか?の整理が必要。
例)「どんな業種で?」「どれくらいの売上規模?従業員規模?」「エリアはどこまで?」「営業対象部門は?」「決裁者/キーマンは社長?部長?工場長?」「どんな悩みを持っている企業にニーズが出やすい?」などを整理すること。
→これが分かれば、今や東京商工リサーチ社のような民間のデータベース会社からリストはカンタンに入手できる。
(2)の解決策
目標から逆算してプロセスを設計しているか?(※下図参照)
例)目標数字:月間5000万(平均単価200万)→必要受注件数25件→見積提示から受注までの前進率が30%だとすると、25件から30%で割り返すと必要見積件数は84件・・・といった具合に逆算し、アポ率が10%だとすると必要リスト件数は5000件必要、といった形で設計できているか?
(3)の解決策
基本的には新規開拓の営業は既存顧客へのルート営業よりも難しく、なかなか売れないので、やりたがらない。
また、TELアポは地味な仕事の割に断られるのが怖いので益々やりたがらない。
やったとしても、訪問のすきま時間にターゲットキーマンが社内にいない場合も多く、なかなか本人に繋がらない。
結果としてTELアポは面倒である、という心理になっている。
→そのため、アルバイトでTELアポ専門でやってもらう「分業」をお勧めする。
(4)の解決策
リストを紙やエクセルで配布するだけなので、アポの進捗プロセスが見えないので無駄になってしまう。
→システムなどを使い、効率よく「見える化」がカンタンにできるのでリストが無駄にならない。
(5)の解決策
そもそも本人に繋がらないことが一番のボトルネックである→「何時ごろお戻りになりますか?」と聞いているが答えてくれないことも多いし、その時間に再度、コールしていないケースばかり。
TELアポのゴールデンタイムはBtoBの場合は8:30‐9:00であることを知らない。
この時間にコールするだけで本人つながり率は5倍になる。
(6)(7)の解決策
例えば、対象訪問先のHPを1,2分さらっと眺めておしまいにしているダメな営業マンは卒業すること。
売れる営業マンは、お客様の業界動向、直近3年の業績、役員構成、主要取引先、過去の取引実績、自社で会えている人脈(名刺)、お客様が抱えているであろう現状の課題、お客様の予算取りの時期、自社と他社とのシェア率などを事前準備している。
そうすればおのずと、「この営業マンはうちのこと、良く調べているな・・・」と短時間での関係構築を実現し、お客様から現状について自然に話をしていただけるようになる。
(8)の解決策
典型的なダメパターンは「何かお困りごとはないですか?」「●●に関することなら何でもできます。」という例。
すでにお客様はどこかの業者と取引をしている。
いきなり、「どこの馬の骨か分からない業者に本音を言うわけはない」し、「お客様自身が特に困っていない」、と思っている場合も多い。
そこで、「いまのお取引業者とは1年くらいのお付き合いですか?」と「YES/NO」で回答できるような質問から入り、「いまの業者さんの非常に気に入っているところと、ここだけはなあ・・・という点などはございますか?」と具体的な課題ポイントを自然と引き出すこと。
そうすれば、自然と提案の余地やフォーカスすべきポイントが明確になる。
(9)の解決策
典型的な例は「早い、安い、うまい」で代表される吉野家さんのような分かりやすい強みを端的に伝えるキーワードメッセージを持つこと。
「千葉エリアトップシェアの●●企業。」など、何も日本一でなくてもよい。
電話営業や初回面談で端的に「会ってみても良いかな・・・」というフレーズを持っていなければ、聞く姿勢にすらならないで「あー、もう間に合っています。」という結末を迎えることになる。
(10)の解決策
「問題」→「価値」→「ニーズ」というフレームワークを使い、よくある想定される抵抗をパターン化しておく。
たとえば、太陽光パネルを販売している会社の営業マンが一般家庭の奥様に仮説となる「問題」として「お金が貯まらない」→「価値」:「お金を貯めて旅行に行きたい」→「ニーズ」:「太陽光パネルによる節電・売電により年間8万円の効果を出すことにより旅行費用が捻出できる」といった具合によくある抵抗や価値を伝えるための設計をする。
など、「新規開拓をうまくやる方法」は「具体的な【型】」が存在するが、多くの企業は営業組織的にこの【型】がない場合が圧倒的に多いのです。
このような【型なし】の組織は当然、属人的個人商店型営業となってしまうことはいうまでもありません。
ちなみに弊社ソフトブレーンでは非正社員のコールスタッフが新規開拓のアポを平均で70件/月は獲得しているため、新人以外の営業マンは自分でTELアポをしなくてよい、いわゆる【分業】を実践しており、営業マンはそのコア業務である提案活動にフォーカスをあてて取組みに成功しています。
まとめ
今後、人口減少、高齢化に伴い、就労人口がどんどん減少してしまうことは自明です。
あと1,2年で貴方のビジネスマン人生が終了するならば、あまり気にならない話題かもしれませんが、これから5年、10年、15年と組織をリードしていくマネージャーや幹部のみなさんにとってはこの話題は避けて通れないでしょう。
営業を科学的に推進し、組織営業力強化を目指し、自身や部下の家族を守り、組織を大きくし、やりがいのある活気のある営業組織を目指してゆきたいものです。