メールマーケティングとは?メリットや基礎知識・実践手法を紹介
メールマーケティングとは、メールによって顧客に情報提供や提案を行い、目的とするコンバージョンなどへ導く手法です。本記事では、メールマーケティングのメリットや実施手順、手法をまとめて解説します。
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メールマーケティングとは?
メールマーケティングとは、メールを用いて顧客にアプローチするマーケティング手法のことです。
コンバージョンの獲得やエンゲージメントの向上などの目的を達成するために実施します。
メールマーケティングの必要性
メールは依然としてインターネット上のコミュニケーションの主要ツールです。特に社外とのコミュニケーション方法として、BtoBのビジネスでは主流の連絡方法です。
顧客と接触した早い段階でメールアドレスを取得しておくことで、顧客と継続的なコミュニケーションがとれます。
認知から購買、購買から継続利用など、メールで情報提供を行うことで、顧客から忘れられず、関係性を深めてゆくのに役立ちます。
メルマガ(メールマガジン)との違い
メルマガはメールマーケティングの一種です。購読者のリストに対して定期的に同じ内容のメールを送る手法です。
一方、メールマーケティングは、メルマガを含む、メールを使ったマーケティング手法全体を指します。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングにはどのようなメリットがあるのか、代表的な3つを紹介します。
簡単に始められる
マーケティング施策はさまざまですが、広告費用などコストが発生したり、準備に時間がかかるものが一般的です。
しかし、メールマーケティングの場合は最低限、いつも使っているメールツールに加え、相手のメールアドレスとインターネットに接続できる環境さえあれば、すぐに開始できます。
成果がわかりやすい
メールマーケティングは成果を図るための指標がある程度定まっており、ツールを用いれば測定も簡単にできます。
そのため効果測定が取りやすいのが特徴です。
費用対効果が高い
メールマーケティングはROI(投資対効果)の高い施策だと言われています。
その理由のひとつは、まずはツールの費用や、実施に必要な工数が少なくて済むことです。
さらに、すでにメールアドレスを取得している見込み顧客以上の顧客に対する施策であり、反応が取りやすいから、という点も理由に挙げられます。
メールマーケティングで得られる具体的な効果
メールマーケティングの実施によって期待できる主な効果には、次のようなものがあります。
顧客エンゲージメントの向上
顧客に対する継続的な情報提供によって、顧客エンゲージメントや顧客満足度を高められます。
新着情報やキャンペーン情報、顧客の関心のありそうな話題やちょっとしたノウハウなど、顧客にとって有益な情報を継続的に提供すると良いでしょう。
リピートやクロスセルの促進
過去に購入履歴がある顧客や、すでに契約中の顧客の情報を分析すると、ニーズのありそうな商品やサービスが予測できます。
メールでおすすめをすることで、リピートやクロスセルが促進できます。
参考:クロスセルとは何か?メリットや具体的な施策、成功事例を紹介
解約の抑制
ユーザーフォローには手間や工数がかかるものです。
しかし、メールで顧客の満足度や不満を集めて個別に解消したり、何かあれば連絡できる接点と認識してもらうことで、不満が解消され、解約が起きにくくなります。
メールマーケティングでおすすめの手法
メールマーケティングでよく使われる方法を5つ紹介します。
メルマガ
Webサイトなどで事前に購読希望者を募り、定期的に情報を配信する方法です。
自社のターゲット顧客の興味関心がある内容をテーマにしたメルマガを企画し、購読者を集めると良いでしょう。
ステップメール
ステップメールとは、あらかじめ決まった条件を満たした顧客に対して、段階的にメールを送る施策です。
条件を満たした日からの日数で送信するタイミングを設計し、段階的なメールで徐々に興味や関心を引き上げ、狙っている商品やサービスの契約へと導いてゆきます。
参考:ステップメールとは? 作り方や配信例・成功事例まで解説
セグメントメール
顧客を属性情報や行動などの条件で分けてセグメントを行い、その条件に適した内容のメールを送る施策です。
いくつかの条件を掛け合わせ、たとえば企業の規模×資料請求などで絞り込むこともあります。
うまく条件を設定してターゲットを設定すると、高い反応率が得られます。
休眠顧客掘り起こしメール
過去に利用があったが最近は利用がない顧客や、契約直前までいったが何らかの理由で頓挫した顧客などにメールを送る手法です。
休眠顧客が利用をしなくなった理由を推測して訴求するのがポイントです。
メールマーケティングを実施する手順
メールマーケティングを実際に始める場合にどのような手順を組めばよいのか、具体的なステップを解説します。
目的を設定する
まずは施策の目的を設定します。
資料請求の数を増やしたい、セミナーのエントリーを増やしたい、キャンペーンページへの来訪を促したい、など、目的と成果地点を明確にすることが重要です。
これにより、準備すべきことに一貫性が生まれ、効果の高い施策ができます。
リストを準備する
メールを配信するリストを準備します。目的を達成するために適していると考えられるリストや、送信対象とする顧客の条件を決定します。
メールマーケティングの成果に大きな影響を与える要素です。
普段からSFAやCRMなどで顧客情報を管理しておくと、より精度の高いリストを簡単に作ることができます。
コンテンツを用意する
コンテンツとは、メールに記載する内容やトピックのことです。目的とリストに対して、どのような内容であれば興味を持ってもらえるかを考えてコンテンツを用意します。
記載する内容は、すでにあるWebサイトや資料、顧客事例などから引用したり作成しても大丈夫です。
メールを配信する
リストとメールの内容が用意できたら、メールを配信します。
注意したいのは、一気に大量のメールを配信すると、メールサーバーから迷惑メールだと認識されてしまうリスクがあります。
そのため、リストの数が多い場合は、メール配信ツールを使うのが良いでしょう。ツールを導入すると、作業効率や効果測定の面でもメリットがあります。
効果測定をする
配信後は、メールを受け取ったユーザーのアクションを分析し、効果測定をします。
効果測定によって施策の改善ポイントがわかったら、次回のメールに反映します。繰り返すことでよりメールマーケティングの効果も上がってゆくでしょう。
メールマーケティングの成果を確認するための5つの指標(KPI)
効果測定のイメージ
各ポイントでの離脱を減らす改善を行い、成果を最大化します。
メールマーケティングの効果測定に使う主な指標(KPI)は、以下の5つです。
メール到達率
送ったメールのうち、どのくらいが相手に届いたかを示す指標です。
メールアドレスが有効でなかったり、相手がこちらのメールドメインを拒否していたり、送信したメールが相手のサーバーから迷惑メールとみなされた場合にはメールは届きません。
届かない原因の対策によって、到達率が上げられます。
メール開封率
相手の受信トレイに届いたメールが、どれくらい開封されたかを示す指標です。
メールの件名や差出人の表記、配信する日時などが開封率に影響します。
クリック率
メール本文内にWebサイトのURLや、資料ダウンロード用のURLなどを設定している場合に、URLがクリックされた割合です。
コンバージョンにつながる重要な指標で、メールのコンテンツ内容や、クリックを誘導する直前の文章などが影響します。
コンバージョン率(CVR)
最終的な目的を達成した割合です。
URLなどをクリックして資料をダウンロードされた件数や、誘導したWebサイトから問い合わせが発生した件数などから算出します。
メールの内容と誘導先のWebサイトのコンテンツ内容が合致しているかや、最後のCVのためのオファーの内容、導線のわかりやすさなどが影響します。
購読解除率
顧客がメールの配信を解除した割合です。
購読を解除されると次回からメールが送れないため、注意が必要な指標です。
メールの内容や訴求が選定したリストと合っていない、送信頻度が高すぎて迷惑がられている、といった理由によって数値が高くなります。
メールマーケティングを成功させるポイント
メールマーケティングで高い成果を上げるには、誰に対してどのような内容のメールを設計するかが重要です。
具体的なポイントを解説します。
ペルソナを設計する
ペルソナとは、ターゲットとする顧客像を具体的に想定したものです。
氏名、性別、年齢、役職、興味のあることなどの詳細なプロフィールを設定します。
対象を明確にすると、メールマーケティングのリストやコンテンツ、メールの件名などをより具体的にでき、相手に刺さりやすい施策にできます。
配信リストを適切に絞り込む
メールの送信件数は多ければ多いほど良い、というわけではありません。
ターゲットに沿ってリストを適切に設定しないと、せっかく考えたメールの件名や、内容に興味を持ってもらえず、最悪、配信解除などの逆効果になることもあります。
メールの件名を工夫する
メールの件名は、主に開封率に影響します。
開封してもらうためには、相手が興味を持てる内容のメールであること、そのメールで自分が得られるベネフィットが件名から理解できるような工夫が重要です。
配信日時に注意する
配信日や配信時間にも注意します。
顧客は日々たくさんのメールを受け取っているので、自分に必要なメールでも、届いてすぐには見にくいタイミングだと開封率が落ちる場合があります。
ターゲット顧客の日常の行動から開封して中身を読んでもらいやすいタイミングの仮説を立て、効果測定によって改善を繰り返すと良いでしょう。
メッセージの要点を明確にする
顧客にとって何が有益なのかを明確にしましょう。
あれもこれも訴求してしまって、結局何も伝わらない、ということはよくあります。
顧客はかならずしもメールを熟読するわけではないため、流し読みをされても話の要点がわかるよう、訴求するポイントは絞りましょう。
メールマーケティングが効果的に行えるツール
ツールの導入により、リスト作成などの作業が効率的になったり、効果測定がしやすくなるなどのメリットが得られます。
メールマーケティングに使えるツールは、主に2種類です。
メール配信ツール
メール配信に特化したツールで、低コストで操作が簡単なのが特徴です。開封率やクリック率の測定などの効果測定も簡単にできます。
機能には制限がある場合が多いので、導入時は必要な機能があるかどうかよく検討しましょう。
MAツール
MA(Marketing Automation)ツールはマーケティング業務全般を自動化したり効率化したりするためのツールです。
メール配信機能に加え、Webサイトと連動して効果を測定したり、リスト管理をする機能もあります。
SFAやCRMと連携できるものがほとんどなので、マーケティング業務全般の改善を図りたい場合や、すでにCRMツールを導入している場合などにおすすめです。
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メールマーケティングで成果を上げるには設計や準備が重要
メールマーケティングは費用対効果の高いマーケティング施策で、特にBtoBでは頻繁に活用されています。
いくつかの手法があり、組み合わせたり併用する場合もあります。効果測定もしやすいため、成果の上がるポイントを押さえてPDCAを繰り返すことで、さらに効果を高めることが期待できます。
効率的に運用を行うにはツールを導入するのがおすすめですが、元となるメールアドレスを管理するために、SFAやCRMツールが導入されているとより活用しやすくなります。