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営業の属人化が起きる原因と対策、事例を紹介

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営業部門では、顧客情報や商談履歴、提案の経緯などが各担当者に属人化してしまい、組織内で十分に共有されていないケースが少なくありません。こうした現場は、うまく回っているよう見えてもチャンスロスや業務停滞といったさまざまなリスクをはらんでいます。そのため、属人化の解消に向けた早急な取り組みが必要です。

本記事では、属人化が起こる原因やおもなデメリット、属人化を防止するための実践的な方法について解説します。

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営業の属人化とは何か

営業の属人化とは、営業活動に必要なノウハウやプロセスが担当者個人に依存しすぎており、ほかのメンバーに共有されない状態を指します。業績が個人任せになってしまうことで、組織としての再現性や継続性が損なわれる懸念があります。

本人がいない際に問い合わせなどがあっても代わりに対応できず、チームとしての安定した成果にもつながらないため、望ましい状態とは言えません。

営業の属人化の例

営業が属人化した際によく見られるのは、以下のような状況です。

  • 担当者のみが顧客情報を把握している
  • 提案書や営業資料を担当者が個別に作成・管理している
  • 重要度の高い商談は特定の営業担当者のみが対応している
  • 業務プロセスが担当者によって異なる
  • 営業ノウハウが共有されず、それぞれが自分のやり方でセールスしている

このような状態では、たとえば担当者の不在時に顧客から問い合わせがあっても、ほかのメンバーが状況を把握できず、適切に対応できません。その結果、顧客に不安や不信感を抱かれる可能性があります。

また、業務ノウハウやプロセスが共有されていないと、チームとしての営業力の底上げも難しくなります。新人に効率的な指導をすることも難しく、育成スピードにも影響を及ぼすでしょう。

営業の属人化が起る原因3選

営業の属人化が起こる原因はさまざまですが、放置するとチーム全体の成長を妨げ、大きな損失につながる恐れがあります。属人化を防ぐためには、原因を正しく把握し、適切な対策を講じることが必要です。

ここでは、営業の属人化を招きやすい代表的な原因を3つ紹介します。

情報共有や管理の仕組みが整っていない

営業担当者が日々得ている顧客情報や商談でのやり取りなどは、チームで共有し活用すべき重要な資産です。しかし、情報を共有・管理する仕組みが整っていない組織では、担当者がそれぞれ個別に管理せざるを得ず、結果として属人化が進みます。

このような状況下では、ほかのメンバーが案件の進捗状況や顧客のニーズを把握できず、チームとしてフォローしたり連携したりすることが困難になります。担当者が不在の際には対応が滞るため、顧客満足度の低下にもつながりかねません。

以下のような状態が見られるときは、情報共有や管理の仕組みが整っておらず、属人化が進む可能性があります。

  • CRMなどのITツールが導入されていない
  • 導入されていても現場での活用が進んでいない
  • 表計算ソフトなどで管理しているものの、機能的な限界を感じている

情報を一元的に管理できる仕組み作りを進めましょう。

営業プロセスが標準化されていない

営業の進め方がマニュアル化・明文化されておらず、営業担当者任せになっている組織も、属人化が起こりやすくなります。担当者が独自の方法で営業を行うため、組織としてのノウハウが蓄積されません。

新人教育においても、標準化された手順がないために指導内容でばらつきが出やすくなり、教育担当者の経験やスキルによって育成の質に差が生じます。これでは、組織として安定した営業力を築くことは難しいでしょう。

個人で成果が変動しやすく、「どのようなアプローチをすると効率が良いか」といったデータ化や分析が難しくなる点も問題です。

営業プロセスやノウハウを標準化して組織内で共有し、誰が対応しても一定レベルの成果が出せる体制を作ることが重要です。

成果主義や個人評価が強い組織体質になっている

営業成績が個人の評価にダイレクトに結びついている組織では、営業担当者は自分が築いたノウハウをほかの社員に教えたがらない傾向にあります。自身が苦労して得たノウハウをほかの営業社員に教えても、メリットがないためです。情報を共有したことでライバルに負け、インセンティブが減るようなことがあれば、デメリットと捉えられてしまいます。

その結果、情報の共有やチームとしての連携が難しくなり、営業が属人化します。営業担当者それぞれが競い合う環境は、短期的には成果が出るかもしれません。しかし、属人化が進むと組織としての営業力が向上しないため、長期的には成果が落ちる可能性が高まります。

個人の成績を評価することも大切ですが、チーム貢献や情報共有の姿勢を評価する仕組みも構築する必要があるでしょう。

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営業が属人化してしまうデメリット

営業が属人化しても、担当者個人がそれぞれ成果を上げているうちは問題が表面化しない場合もあります。しかし、長期的にみると、組織に大きなデメリットをもたらす要因です。

ここでは、営業の属人化による代表的なデメリットを2つ紹介します。

組織的な成長が難しくなる

営業の属人化が進む大きなデメリットとして、組織としての成長が困難になる点が挙げられます。成果がすべて営業担当者個人のスキルや人脈に依存するためです。

属人化が進んだ組織では、営業担当者がそれぞれの考えで得意な手法を取り入れて営業活動を進めます。個人が持つ優れたノウハウも、成功事例や失敗事例も共有されません。

「どのようにアプローチすれば成約率が向上するか」「どのような施策がつまずきやすいか」といったデータが集まらず、チームとして再現性のある営業プロセスを構築することが難しくなります。

その結果できあがるのが、一部の営業担当者のみが売上の大半を担うような、いびつな組織です。このような組織では、営業体制の拡大や新人育成の面で大きな問題が生じます。人員を増やしても組織として統一した指導ができず、組織としての成長が望めません。

営業活動を適切に管理できない

組織が営業担当者の活動状況や案件を適切に管理することが難しくなる点も、属人化により生じるデメリットです。各営業担当者が独自のやり方で案件を進めるようになると、活動内容が周囲からは見えづらくなり、組織による管理が難しくなります。

たとえば、顧客情報や温度感、商談にいたる経緯、やり取りなどを一人の営業担当者のみしか把握していないと、マネージャーや上司が数字を追っても正確な実態をつかむことはできません。案件の進捗状況や課題を把握できず、必要なフォローをしたり改善策を講じたりできなくなるでしょう。その結果、取れたはずの案件を落とす事態が発生しかねません。

こうした状況が続けば、チーム全体での売上計画やリソース配分にも支障が出る恐れがあります。チームで戦略的な営業活動を行うことが難しくなるでしょう。

営業の属人化を防ぐ5つの方法

営業の属人化は組織の成長を妨げ、営業力を低下する原因となるものです。成長や利益の拡大を望む場合は、属人化を防止・改善する対策を講じることが欠かせません。

ここでは、属人化を防止・解消する5つの方法について解説します。

1. 情報を共有する体制を構築し整備する

営業活動の属人化が進む大きな要因の一つが、情報共有の仕組みが整っていないことです。属人化を防止・解消するためには、まずは誰もが情報にアクセスでき、共有しやすい体制を構築・整備する必要があります。

具体的には、以下のような施策が有効です。

  • 情報共有が可能なシステムを導入し、活用を促す
  • 顧客情報や対応履歴、案件の進捗状況、提案内容といった重要な情報の入力をルール化する
  • 定期的にチームミーティングを開き、情報を共有する
  • 複数担当制・チーム営業制を導入し、一人に情報が集まらない体制を作る

急に重要な情報をすべて共有しようとすると混乱が生じる場合があります。ますは、優先度の高い情報から段階的に共有範囲を広げていくのも一つの方法です。

2. 営業プロセスを標準化し共有する

営業活動が属人化するのは、営業担当者がそれぞれ独自の手法でセールスしているためです。そのため、組織として成功パターンに基づいた営業プロセスを標準化し、メンバー全員で共有することが求められます。

標準化にあたっては、トップセールスや安定して成果を出している営業担当者からヒアリングを行い、実績のある手法をもとにプロセスを構築することが大切です。高度なスキルが必要なノウハウではなく、平均的なスキルがあれば誰でも実行可能な内容を優先的に取り入れましょう。

作成した営業プロセスは、マニュアルやフロー図などに落とし込み、誰でも理解でき実行できる形で共有します。全員が共通の手順で行動することで再現性が高まり、属人性が排除されます。

3. 評価制度を見直す

情報共有や営業プロセスの標準化が進んでも、評価制度がそれに見合っていなければ、属人化の防止や解消にはつながりません。とくに、個人の実績のみに焦点を当てた評価制度を運用している場合、営業担当者が重要な情報を囲い込み、社内で共有したがらない傾向が強くなります。

たとえば、インセンティブやボーナスが業績ランキングのみで決定される制度の場合、ほかのメンバーをサポートするよりも自身の成果を優先することは避けられないでしょう。その結果、チームとしての連携が希薄になり、情報共有を進めることが難しくなります。

属人化を防ぐためには、個人の成果だけでなく、チームへの貢献度や協力姿勢、ナレッジの共有なども評価の対象とする制度を設計しましょう。評価制度は従業員の行動に大きく影響するため、属人化を防ぐためにも見直しが必要です。

4. 情報共有しやすい雰囲気を醸成する

仕組みや制度を整えても、組織の雰囲気が情報共有に消極的であれば、属人化の防止や解消は困難です。営業担当者が安心して情報を共有し、目標に向かって協力しあえる文化を醸成することが欠かせません。

形式的にシステムへの情報入力やミーティングでの報告を促すだけでは不十分です。自発的に「共有しよう」「助け合おう」と思える空気感が必要になります。

組織内の雰囲気を変えるためには、マネージャーや上司が率先して行動することが大切です。日常的にメンバーと積極的にコミュニケーションを取り、情報共有の重要性を伝えることで、自然に現場にも共有文化が浸透するでしょう。そうすることで、営業活動の属人化の防止や解消につながります。

5. CRMなどのツールを導入する

CRMやSFAなどのツールを導入するのも、属人化を防止・解消するのに有効な方法です。ツールを導入し、営業担当者が案件情報や商談の内容を入力する流れを整えることで、組織内で一元的に共有・管理しやすくなります。

ツールにより上司が進捗状況を即座に確認できるため、適切なフォローやアドバイスが可能になります。結果として、営業の質や成約率の向上につながるでしょう。

スマホやタブレットからも利用できるツールであれば、営業担当者が外出先で情報入力や確認が行えるため、情報共有するための負担が軽減します。

ツールの導入にあたっては、操作がわかりやすいものを選ぶことが大切です。多機能でも複雑で使いこなすのが大変なシステムを導入すると、現場での運用が定着しない可能性があります。

営業の属人化を解消した成功事例

営業属人化を解消した事例として、シダックスコントラクトフードサービス株式会社の例を説明しましょう。シダックスコントラクトフードサービス株式会社は、給食委託事業として幅広い分野でフードサービスを提供している会社です。

同社では、以下のような課題を抱えていました。

  • 事業規模を拡大するうちに営業活動の属人化が進んだ
  • 市場の変化に伴い、従来のやり方では対応が難しくなってきた

課題解決のために取った方法がSFAツールの導入です。導入に際しては以下のような施策を実施しました。

  • 営業プロセスの標準化を進める
  • ツールを活用して必要な営業情報を統一し、可視化を進める
  • ツールにより社内で事例を共有する

ツール導入後は、以下のような成果が見られるようになりました。

  • データ可視化による情報共有で会議時間が短縮化した
  • システムを統一したことにより業務効率が向上した
  • 営業担当者の知識やアイデアを共有し、個人営業からチーム営業への転化を果たした
  • 能動的な攻めの営業が可能になった

同社では、蓄積したデータの分析を進め、成約率の向上につなげていきたいとしています。

よくある悩み

営業活動の属人化は、組織の体質や企業風土、体制、評価制度などさまざまな問題が絡みあって発生します。そのため、解消の取り組みを始めてもすぐに結果が出ないことも少なくありません。

ここでは、属人化解消に関するよくある悩みについて解説します。

型化したのに運用にのらない

営業のノウハウやプロセスを標準化・型化して担当者に提示したにもかかわらず、現場が活用せず運用が形骸化するとの悩みは、多くの企業で見られるものです。

根本には「現場が納得していない」「状況に即していない」といった背景があることが考えられます。

型化の際には、現場の担当者を巻き込むことが必要です。現場の意見や実体験を取り入れることで、状況に即した型ができ、営業担当者も納得できるものになります。

導入後は、運用が定着するまで細やかなフォローも必要です。型化の重要性や属人化することのデメリットを伝えることもしましょう。

対策をしても一時的な取り組みで終わってしまう

ツールの導入や営業プロセスの標準化などを実施しても、一過性の取り組みで終わってしまうケースも少なくありません。原因として、定着させる仕組みや文化がないことが挙げられます。

属人化防止・解消の取り組みを継続させるためには、経営層や管理職が継続的に必要性や重要性を伝えることが大切です。定期的に振り返りや見直しの機会を設け、改善を重ねていく必要もあります。

また、属人化解消の取り組みによって、営業で成果が出ているかどうかを調べ、チェックすることも欠かせません。成果が見えれば、現場も納得して積極的に運用を継続するようになるでしょう。

営業を効率化するなら

営業活動が属人化し、組織の伸び悩みに直面している企業は少なくありません。営業効率を向上させ、成果を上げ続けるためには、属人化を防ぐ営業支援ツールの導入が効果的です。

ソフトブレーン株式会社が提供する「eセールスマネージャー」は、顧客に紐づくすべての情報が一元管理できるシステムです。ダッシュボードを見ればすべての状況が把握でき、案件管理や人脈管理、スケジュールの共有などが可能です。これにより、営業の属人化解消に役立ちます。

優れた操作性と豊富な機能、手厚いサポートで、導入以後の定着率は高い割合を誇ります。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

esm(eセールスマネージャー)

まとめ

営業の属人化とは、顧客情報や商談の内容など営業に関する状況が担当者個人にとどまり、組織に共有されない状況のことです。「組織として案件を適切に管理できない」「全体の成長を妨げる」など、属人化にはさまざまなデメリットがあります。

属人化には、組織の文化や体制、評価制度などさまざまな要因が関係しています。解消するには、情報共有しやすい体制作りや営業プロセスの標準化などの取り組みが必要です。

また、CRMやSFAなどの専用ツールを活用すると、情報が一元管理でき、メンバーが必要な情報を共有できるようになります。

eセールスマネージャーは、多くの企業で導入されているSFAツールです。属人化でお悩みの場合は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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