ERP(基幹システム)を徹底比較!選定のポイントやおすすめパッケージ10選
企業の業務効率化において重要な役割を果たすEPR(基幹システム)には、業務特化や機能別にさまざまな種類のパッケージ展開があります。
本記事では、ERPの種類やおすすめのパッケージ10選を自社導入時の選定ポイントとあわせて紹介します。
ERP(基幹システム)の種類
ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業全体の業務を統合的に管理するソフトウェアです。購買、生産、販売、会計など、さまざまな業務データを一元管理することで、業務効率化、コスト削減、意思決定の迅速化などに貢献します。
ERP(基幹システム)には、大きく分けて2種類があります。
参考:ERPとは?基幹システムとの違いやメリット、導入方法を解説
オンプレミス型
オンプレミス型ERPは、企業が自社内にサーバーを設置して運用するタイプのERPです。
導入コストや運用コストが比較的高くなりますが、データのセキュリティやシステムのカスタマイズ性に優れています。基本的には、情報システム部門でも扱いきれないほどのデータ処理を必要とするような企業がオンプレミス型のシステムを導入します。
クラウド型
クラウド型ERPは、インターネット上で提供されるタイプのERPです。
導入コスト・運用コストともにオンプレミス型より低く、データのセキュリティやシステムのカスタマイズ性に制限があります。とはいえ、ほとんどの企業がDXを行う上で十分な機能を持ち合わせているため、クラウド型でのERPを導入する企業が多い様子が見られます。
ERP(基幹システム)の選定ポイント
ERP(基幹システム)を導入する際には、以下のポイントを考慮する必要があります。
自社にとって必要な機能か
ERPシステムは多機能なものが多い一方で、すべての機能が必要とは限りません。まずは、自社の業務フローを分析し、本当に必要な機能を明確にすることが重要です。
- 会計・経理: 売上管理、購買管理、会計処理、予算管理
- 販売管理: 顧客管理、受注管理、売上管理、在庫管理
- 生産管理: 生産計画、資材管理、工程管理、品質管理
- 人事管理: 人材採用、給与管理、勤怠管理、評価制度
このように自社がERP導入を行う業務から、詳細な機能要件を洗い出してみましょう。
導入・運用にかかるコスト
ERPシステム導入には、初期費用や運用費用などのコストがかかります。
初期費用にはライセンス費用、導入コンサルティング費用、システム開発費用、データ移行費用などが含まれます。また、運用費用には保守費用、サーバー費用、通信費用、人件費などが含まれます。
これらの費用をすべて考慮し、自社の予算内で導入・運用できるかどうかを慎重に判断する必要があります。
ERPシステムの拡張性
ERPシステムは、長期間にわたって利用する基幹システムです。そのため、将来的に業務規模が拡大した場合に対応できる拡張性を確保することが重要です。
拡張性を確保することで、将来的なシステム追加や機能拡張にも柔軟に対応することができます。情報システム部門と連携して、今後どのような機能拡張が考えられるかをすり合わせしておきましょう。
十分なセキュリティ
ERPシステムには、顧客情報や財務情報など、企業にとって重要な情報が集中します。そのため、十分なセキュリティ対策を講じることが必須です。
具体的には、以下の対策が必要です。
- データ暗号化
- アクセス制御
- 監査ログ管理
- 定期的なセキュリティパッチ適用
これらの対策を徹底することで、情報漏洩などのリスクを低減することができます。
ベンダーのサポート有無
ERPシステム導入は、専門知識や経験が必要となる複雑な作業です。そのため、導入後も安心して運用できるよう、充実したサポート体制を提供しているベンダーを選ぶことが重要です。
おすすめERP(基幹システム)パッケージ10選
本章では、実際に企業に導入されている主要なERPシステム10選を、まとめて紹介します。自社にとって最適なERPを探す際の参考にしてください。
SAP
SAPは、世界No.1のシェアを誇るERPシステムです。製造業、流通業、サービス業など、幅広い業種で導入されています。高い機能性と拡張性を備え、大規模企業を中心に多く導入されています。
特徴 | 料金 |
世界シェアNo.1のERPシステム 高い拡張性と柔軟性 大企業向けの機能が充実 | 個別見積もり |
参考:SAPとは?ERPシステムの特徴や導入メリットをわかりやすく解説
Oracle Netsuite
Oracle NetSuiteは、クラウド型のERPシステムです。導入にかかる時間が短く、比較的安価で利用できることから、中小企業を中心に導入されています。
特徴 | 料金 |
迅速な導入 比較的安価な利用料金 クラウド型 | 個別見積もり |
Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365は、Microsoftが提供するERPシステムです。Microsoft Office 365との連携がスムーズで、使い慣れた画面で操作できることから、多くの企業で導入されています。
特徴 | 料金 |
Microsoft Office 365との連携 使い慣れた画面 AI機能搭載 | 最低料金 ¥10,494(参考) 毎月1ユーザーあたり ※機能によって異なる |
参考:Dynamics 365とは|機能・メリット・料金表を解説
OBIC7
OBIC7は、日本の企業向けに開発されたERPシステムです。日本の商習慣や税法に対応しており、安心して利用することができます。
特徴 | 料金 |
日本の商習慣・税法に対応 豊富なテンプレート 手厚いサポート体制 | 個別見積もり |
マネーフォワード クラウドERP
マネーフォワード クラウドERPは、クラウド型のERPシステムです。会計ソフト「マネーフォワード クラウド」と連携しており、会計業務含むバックオフィス業務を効率化できます。
特徴 | 料金 |
マネーフォワード クラウドとの連携 わかりやすい画面 比較的安価な利用料金 | 個別見積もり ・IPO準備向けパック ・アカウンティングパック |
kintone
kintoneは、ITの知識がなくても自社の業務に合わせたアプリを作成できるノーコード型のERPクラウドサービスです。従来のクラウド型のような機能制限がなく、自社の業務形式に合わせたERPを構築することができます。
特徴 | 料金 |
幅広い業務に対応 ノーコードで自由度の高いシステム構築 国産ながら多言語にも対応 | ・スタンダードコース 月額1,500円/1ユーザー ・ライトコース 月額780円/1ユーザー |
GRANDIT
GRANDITは完全統合型のWeb-ERPで、経理、債権、債務、販売、調達・在庫、製造、人事、給与、資産管理、経費の計10の領域に対応しています。迅速に導入でき、柔軟性が高いことから、多くの業界で導入されています。
特徴 | 料金 |
オールインワンの機能 多彩な業務ノウハウを集約 優れた柔軟性 | 個別見積もり |
HUE
HUEは、大手企業向けのERPシステムです。主に小売や製造業などの取引実績が多く、生産管理との相性のよいソリューションといえるでしょう。
特徴 | 料金 |
高い拡張性 豊富な導入実績 小売や製造、鉄道などの領域に最適 | 個別見積もり |
ROSS ERP
Ross ERP(ロス イーアールピー)は、化学業界や食品業界などのプロセス製造業に特化したERPサービスです。日立システムズの提供するサービスで、日本だけでなくグローバルに豊富な導入実績を持つERPとなっています。
特徴 | 料金 |
プロセス系製造業に特化 生産管理に最適な機能 グローバル市場で豊富な導入実績 | 個別見積もり |
freee
freeeはもともとクラウド型の会計ソフトですが、現在では人事労務や案件管理、販売管理とさまざまな業務に対応したERP機能も搭載しています。大手や中小企業だけでなく、ベンチャーなど幅広い企業規模の顧客に導入されています。
特徴 | 料金 |
会計、販売、人事労務と単一機能から利用可 比較的安価な利用料金 手厚いサポート体制 | 個別見積もり |
ERP(基幹システム)で自社のDXを実現
本記事ではERPの選定ポイントや、主要なERPパッケージ10選を紹介しました。
RPシステムは、企業の経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を統合的に管理することで、業務の効率化や意思決定の迅速化、経営の透明化などを実現する基幹システムです。
上記で紹介したように、さまざまな規模や業界に合わせたERPが存在しているため、導入にあたっては十分な検討を行い、自社にとって最適なシステムを選ぶことが重要です。
また、営業のDXであればERPではなく「CRM/SFA」のツール導入が必要となります。具体的にどのような手順で営業DXを実現するかについては、以下の無料ダウンロード資料に詳しくまとめていますので、ご興味のある方はお気軽にダウンロードください。