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フレームワークとは?図解でわかるビジネスの目的別22選とおすすめ本5選
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【図解】フレームワークとは?目的別22選とおすすめビジネス本5選

フレームワーク(Framework)とは、物事を考える上での枠組みを指します。ビジネスでは、課題の洗い出しや分析、アイディアの共有など、必要な視点を漏れなく網羅的に整理することがしばしば求められますが、その時に役に立つのがビジネスフレームワークです。

この記事では、ビジネスフレームワークの基礎や本当に役立つフレームワークを22種類を解説していきます。さらに後半では、より深くフレームワークを学びたい方向けのおすすめ本も紹介していきます。

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フレームワークはなぜ必要か

WHY

フレームワークは、はじめから思考の筋道が決められており、個人の感情に左右されず結論に至ることができる構成になっています。そのため、課題や現状を俯瞰して見つめることができます。ビジネスにおいてロジカルシンキング(論理的思考)は重要なスキルですが、フレームワークを使えば誰でもロジカルに考えることができるようになります。

また、フレームワークには課題をチームで正しく共有できるメリットがあります。個人の感覚に偏りがちな事柄でも、フレームワークに当てはめるて考えることで課題やゴールの方向性がブレることなく共有できます。そのため、思考や意思決定のスピードが加速され、生産性の向上にも役立ちます。

フレームワークの使い方と注意点

ビジネスアイデアの紹介

フレームワークの使い方と目的

ビジネスでフレームワークが使われるのは、思考が堂々巡りになるのを防ぎ、論理的に整理をして課題を解決へ導くためです。利用するのは主に、以下のような「思考整理・問題解決」「戦略」「組織やチームのマネジメント」といったシーンであり、用途や目的は以下のようにそれぞれで異なるため、状況によってうまく使い分けましょう。

  • 思考整理・問題解決:
    散らばった情報や選択肢を整理して、体系化したり現状を正確に把握することが目的
  • 戦略設計:
    問題点を洗い出し、適切な戦略に落とし込むことが目的
  • 組織やチームのマネジメント:
    ベクトルを合わせて必要な技術を身に付けたり、人材育成に活かすことが目的

営業の戦略設計にも、フレームワークの活用は有効です。詳しい活用方法は以下の記事をご覧ください。

あわせて読みたい:フレームワークを使った営業戦略の立て方とは?今さら聞けない基礎知識と実践

フレームワークの注意点

フレームワークは情報や課題を整理するのに最適な手法ですが、ただ思考の整理のみで完結させてはいけません。フレームワークは、あくまで情報や課題を整理して可視化するためのものです。フレームワーク活用で目指す結果につながる最良の計画を立て、実践へと行動していきましょう。

また、フレームワークは万能ではありません。すべての課題がフレームワークで解決できるわけではなく、あくまでも方向性の整理や仮説立てに有効なツールです。行き詰まった時は、複数のフレームワークを組み合わせて課題を多方面から整理してみましょう。

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ビジネスで使えるフレームワーク22選

ビジネスフレームワークのアイデア

ビジネスフレームワークは、それぞれ利用シーンや目的が異なります。

ここでは「経営戦略立案」「マーケティング」「企画全般」「体制の構築」「組織開発」「問題解決」と6つの目的別に、おすすめのフレームワークを22種類ご紹介していきます。

経営戦略立案

まずは、経営戦略立案時に活用できるフレームワークを5つ紹介します。

 SWOT

SWOT分析の例

SWOT分析は最も有名なフレームワークの1つで、事業戦略を立てる際の現状分析に使用されるフレームワークです。

具体的には、

  • Strength(自社の強み)
  • Weakness(自社の弱み)
  • Opportunity(市場における機会)
  • Threat(市場における脅威)

の4つの項目を検討することで、自社の置かれた現状を理解することができます。

あわせて読みたい:顧客分析とは?10のフレームワークや分析に役立つツールを解説

5F分析(Five Forces)

5F分析

新規事業企画の際に活用できるものが5F分析(Five Forces)です。

このフレームワークは、競争戦略論の大家である米ハーバード大学教授であるマイケル・ポーター氏が1980年に発表した「競争戦略論」の中で提唱されました。市場を構成する5つの力(=Five Forces)を検討することで、その市場の魅力度がわかるというものです。

ここで言う5つの力とは、以下のとおりです。

  1. 新規参入障壁の力
  2. 買い手の力
  3. 売り手の力
  4. 代替品の力
  5. 業界内の競合の力

これらを網羅的に評価することで、「最終的にはその市場/業界がどれだけ収益を上げられる環境なのか」を評価できます。

PPM

PPM分析

経営戦略立案に関するフレームワークのPPMを紹介します。

PPM(Product Portfolio Management)は世界有数の経営コンサルティング会社であるボストンコンサルティンググループが開発したフレームワークで、複数事業を抱える企業などが「どの事業にどれだけの投資をするか」を見極める際に活用します。

具体的には、以下の4つの象限に分けて分析します。

Star(花形):成長率・高/相対的マーケットシェア・高
Cash Cow(金のなる木):成長率・低/相対的マーケットシェア・高
Dog(負け犬):成長率・低/相対的マーケットシェア・低
Question Mark(問題児):成長率・高/相対的マーケットシェア・低

Dog(負け犬)に分類された事業については撤退を図り、Cash Cow(金のなる木)で得た利益をStar(花形)やQuestion Mark(問題児)の事業に投資して、次のCash Cow(金のなる木)を育てるというものです。

PEST分析

PEST分析

事業を取り巻く外部環境を分析する際に最適なのが、PEST分析です。

PESTでは政治、経済、社会、技術の4つの側面から外部環境を分析していきます。政治(Politics)は、政治の方針や法改正、規制強化・緩和などを表します。経済(Economy)は、景気動向や成長率などの指数を表します。社会(Society)は、人口や文化や社会情勢などが入り、技術(Technology)には、技術開発やそのための投資情報や動向が入ります。

現状の確認だけでなく、この先の変化やトレンドも合わせて検討する必要があります。

7S

3つのハードな経営資源と4つのソフトな経営資源

経営資源から組織の運営を考えるときに最適なのが、マッキンゼーが開発した7Sです。

企業には3つのハードな経営資源と、4つのソフトな経営資源があります。それらがうまく連携し、相乗効果を発揮することで成果につながります。どれかひとつが欠けてもうまくいきません。

具体的な流れとして、自社の戦略(Strategy)を見直し、組織構造(Structure)を変え、システム(System)を整え、企業の価値(Shared Value)を浸透させ、能力(SKill)を磨き、人材(Staff)を育成します。そして、企業文化(Style)を変えることが大切です。

7Sでは、企業の特質が明らかになり、どこをどう伸ばすべきか検討できます。

マーケティング

次に、マーケティングで活用できるフレームワークを6つ紹介します。

 4P

4P分析の例

「マーケティングの4P」として非常に有名なフレームワークです。

主な活用としては、以下の4つの「P」の観点から自社の現状を分析します。

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Promotion(販促)
  • Place(流通)

その商品の特徴は何か、商品の価格設定をどうするか、商品の販促をどう行なうか、商品をどこで販売するか、の問いに答えることで、その商品のマーケティング戦略を作成することが可能となります。

3C

3C

次に紹介するのは、Company(自社)・Customer(顧客)・Competitor(競合)の3つの頭文字を取った3Cです。

それぞれの観点に沿ってリサーチを行い、

①自社にしかできないこと・自社の強みは何か
②どういう顧客をターゲットにするか
③自社と競合企業との違いは何か

を考えることで、マーケティング戦略を立案することができます。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップ

顧客が商品を購入するまでのプロセスを旅(ジャーニー)にたとえたのが、カスタマージャーニーマップです。

主に顧客の行動や感情の流れを理解するのに役立ちます。カスタマージャーニマップは、顧客が商品を知ってから購入に至るまでの心理的プロセスを描くAIDMA(アイドマ)を基礎にしています。

ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

市場で独自の位置を見つけ出すのに最適なのがポジショニングマップです。

市場や業界での各社、もしくは各商品の位置付けを明らかにして全体の構造を把握するとともに、他社と差別化できる位置付け(ポジション)を見つけます。

まずは縦軸と横軸を決め、他社と差別化できるポジションを探っていきます。軸は、顧客が商品を購入したりサービスに申し込むときに重要視する要因にします。競合が少なく、他社が手を出していない領域に成功のチャンスがあります。

ファネル分析

ファネル分析

顧客の行動を読み解くのに最適なのがファネル分析です。

見込み客をどこで取りこぼしているのかが分かれば、適切に施策を打つことができます。ファネル分析では顧客が購入に至るプロセスに沿って、見込み客数の変化を見ていきます。顧客の購買プロセスを適切に設定することが重要です。

AIDMA(アイドマ)

AIDMA

顧客が商品やサービスに出会ってから購入に至るまでの心理的なプロセスを描いたのがAIDMAです。このプロセスを頭に入れ、段階別に施策を打つことで、顧客の関心を次の段階へ引き上げることができます。

カスタマージャーニーでは顧客の購入前後の「行動」に基づいて分析するのに対し、AIDMAは顧客の「心理」に基づいて顧客分析が行われます。

他にも顧客分析で使えるさまざまなフレームワークがありますので、気になる方は以下の記事もご覧ください。

あわせて読みたい:顧客分析とは?10のフレームワークや分析に役立つツールを解説

企画全般

次に、企画全般で活用が期待できるものを2つ紹介します。

5W1H

5W1H

まずは、有名な5W1H(Who/When/Whom/What/Where/How)です。

これをビジネスフレームワークと捉えるかは賛否両論あるかもしれませんが、実務における色々な場面で活用できる、非常に有益なものです。実際に、プロジェクトマネジメントなどを担うコンサルティング会社では、このフレーワークが常に意識されています。

もちろん、企画の種類によっては不要な要素もありますが、まずは5W1Hの観点に沿って計画を立てることで抜け漏れ・ダブりのないMECEな企画を立てることが可能となります。(「MECE」については以下で紹介。)

6W2H

6W2H

5W1Hに要素を2つ足したのが、6W2Hです。

「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「Whom(だれに)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」の頭文字をとっています。

5W1Hは自社と顧客の双方を対象にしますが、6W2Hは、さらに多方面から検討したいときや、自社と顧客を切り離して考えたいときに有効です。

体制の構築

次に、体制構築に活用できるフレームワークを2つ紹介します。

PDCA

PDCA

こちらも非常に有名なフレームワークです。PDCAPlan/Do/Check/Actionの頭文字を取っています。

さまざまな企画において、まずは計画し(Plan)、それを実行し(Do)、成果を確認し(Check)、改善策を実行する(Action)というサイクルを回すことを重要したフレームワークです。

このPDCAサイクルを着実に実行することで、多くの改善が起こり、最終的には大きな成果となって出てくることが期待されます。

OODA(ウーダ)

OODA(ウーダ)

PDCAに次ぐ新しい概念として紹介されることもあるのが、OODAです。

OODAは、Observe(観察)/Orient(状況判断、方向づけ)/Decide(意思決定)/Act(行動)の頭文字を取っています。PDCAは計画に基づいて実行していきますが、OODAは意思決定のスピードを早めたいときに有効です。

PDCAとOODAの違いについては、こちらの資料でも詳しく解説しております。ぜひお気軽にダウンロードください。

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組織開発

次に、体制構築に活用できるフレームワークを3つ紹介します。

OKR

OKRの基本図

企業全体の達成目標と部署や個人の目標を結びつけたいときに最適なのが、OKRです。

OKRは「Objectives and Key Results」の略称で、日本語では「目標と主要な結果」と訳されます。目標の設定・進捗管理・評価をリンクさせる目標管理の手法で、GoogleやFacebookなど、多くのグローバル企業で導入されています。

タックマンモデル

タックマンモデル

チーム力を発揮させるのに最適なのが、タックマンモデルです。

チームの段階は、形成期(Forming)・混乱期(Storming)・統一期(Norming)・機能期(Performing)・散会期(Adjourming)に分かれています。チームの成長にはどれも必要なステップで、繰り返すほど固い絆で繋がったチームになります。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

MVV

組織が同じ方向を向き、ベクトルを合わせるために最適なのがMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透です。

従業員のベクトルを合わせるために欠かせない経営理念ですが、多くの会社ではMVVがセットで構成されています。ミッションは「果たさなければいけない役割」、ビジョンは「ミッションが実現した時の状態」、バリューは「ビジョン実現のためにとる行動」を指します。

問題解決

最後に、コンサルタントによく活用される問題解決フレームワークを4つ紹介します。

MECE(ミーシー)

MECE(ミーシー)

MECEとは日本語では「Mutually Exclusive=相互に排他的」で「Collectively Exhaustive=全体で余すところがない」を意味します。簡単にいえば「抜け漏れなくダブりがない」ということを指し、論理的な意見、考えかどうかを判断する際に有効です。

実際に、経営コンサルタントの場などでフレームワークが持ち出されることは少なく、アウトプットで示されるものとしては「フレームワークを用いていない(もしくは応用している)が、MECEの原則が確保されている」ことが特徴です。

ASIS/TOBE

ASIS/TOBE

問題の発見に最適なのが、AS IS/TO BEです。

問題とは、現状(AS IS)とあるべき姿(TO BE)とのギャップです。両者の差を明らかにして、問題の大きさや性質を正しく掴むことが、解決の問題点です。「いま、何がどうなっているのか」を事実に基づいて把握し、理想の姿を明らかにしていくことで、目標達成までの時間を早めます。

ロジックツリー

ロジックツリー

選択肢を網羅的に検討するにあたって最適なのがロジックツリーです。

解決策を探る際、選択肢をモレやダブりなく出していき、最も良い案を採用すると、合理的で納得感のある結論が導き出せます。

ロジックツリーはそのために、解決テーマと選択肢を分解してツリー(ピラミッド)型にあわらしたものです。Howツリーと呼ばれることもあります。

連関図法

連関図法

真の原因を見つけ出す際に最適なのが、連関図法です。

複雑な問題は、要因同士が絡み合って入り組んだ構造になりがちです。連関図法では考えられる要因を洗い出したあと、因果関係を調べて図示することで問題の構造を可視化し、解決策を講じていきます。

フレームワークを学べる本5選

フレームワークには、一度では紹介しきれないほど多種多様なバリエーションがあります。そのため、ビジネスフレームワークについて説明する本も多岐に渡ります。何を読むべきかわからないという方のために、必読書としておすすめできる本を紹介します。

『図解でわかるビジネスフレームワーク』

元銀行員で、コンサルタントとして活躍する福島正人氏の著書で、ビジネスですぐに役立つフレームワークが70個紹介されています。どんな場面で使うべきか、実践的な説明がされているのもポイントです。

『ビジネスフレーム図鑑』

企画立案やプロジェクトの実行など、幅広いシーンですぐに使えるフレームワークが70個掲載されています。すべてのフレームワークに記入例が掲載されており、PowerPointのテンプレートもついているのも嬉しいポイントです。7つのカテゴリーに分かれており、活用のヒントも多数挙げられています。

ビジネス・フレームワーク

10万部を突破したビジネスフレームワークの名著。約200種類のフレームワークが、カラーでわかりやすく紹介されているのが好評です。新入社員から管理職まで、幅広いビジネスパーソンを対象にした多様なフレームワークが掲載されています。

『ビジネスフレームワーク 見るだけノート』

問題解決に頭を悩ませているビジネスパーソンのためのフレームワーク解説書。図解やイラストが多数、掲載されていて、直感的に理解することができます。

『武器としての戦略フレームワーク』

コンサルタントのベテランの手塚貞治氏が、戦略フレームワークをベースに論理思考、直感思考、デザイン思考でも使えるフレームワークを多数紹介しています。古典的なフレームはもちろんのこと、近年の新しいフレームワークも紹介されています。

営業パーソンとしてのスキルアップを目指している方は、以下の記事も参考にしてください。

できる営業マンの7つの共通項|今の時代に求められる営業スキルも解説

フレームワークは目的に合った活用を

本記事では、ビジネスシーンで使える具体的なフレームワークの使い方やおすすめ本をまとめてきました。

ここまで述べてきた通り、フレームワークをしっかりと使いこなすことができれば、ビジネスを効率的に進めていくことが可能となります。繰り返し使うことで、ロジカルシンキングが鍛えられ、問題解決能力や本質を見抜く力が大幅に磨かれます。

ただし、目的や役割に合致したフレームワークを選択することが重要です。目的を意識しながら、実務で積極的にフレームワークを活用してみましょう。

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