企業がアフターコロナですべきこととは?ウィズコロナの今と今後を解説
「アフターコロナと言われても結局何をすれば良いのか…」「現状と今後の展望をまとめて知りたい…」などと悩んでいませんか?
アフターコロナでこれをすれば大丈夫という特効薬はありません。しかし、ウィズコロナの現状や消費行動の変化などは分析が進んでおり、「こうすべきだろう。実際今成功している企業はそうしている」といった情報は確認できます。
そこで本記事では、アフターコロナとは何かという解説から始まり、消費行動の変化やマーケティング、働き方・営業、経営方針まで解説していきます。自社でやるべきことの方向性を具体的にできるので、ぜひじっくりとお読みください。
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アフターコロナにむけて企業がすべきことまとめ
はじめにアフターコロナにむけて企業がやるべきことの項目をまとめて紹介していきます。
コロナ禍を受けて消費者の行動が変わったので、マーケティングや経営戦略を変える必要があるのはご存知のとおりでしょう。しかし、あてずっぽうに行動するのは危険ですし、何もしないのも危険といえます。コロナ禍で変わった現状と今後のトレンドも知らずに動くのは、病巣をつきとめずに手術をするようなものだからです。
したがって、アフターコロナにむけて企業がすべきことの項目を知り、順番に理解していくのが重要です。具体的には以下のとおりになります。
上記を順番に理解していくと現状と今後、自社がやるべきことの方向性がわかるので、詳しく解説していきます。
アフターコロナの意味とは?
これから繰り返しアフターコロナやウィズコロナという言葉が出てくるので、簡単に意味を解説していきます。
それぞれの意味をあいまいに理解したままでは、消費者の心理や行動をまちがってとらえ、企業戦略やマーケティングの失敗リスクが高まるからです。自社内でもアフターコロナという言葉への解釈が個々人でちがっている恐れがあり、議論にならない恐れがあります。
というわけで、関連する言葉を含めてアフターコロナとは何かを解説すると、以下のとおりです。
ビフォーコロナ | ウィズコロナ | アフターコロナ |
コロナ禍以前。 プリコロナともいわれる。 | ワクチンなどは不十分。 緊急事態宣言などで感染拡大を防ぐ状況。 | ワクチンなどである程度のコントロールがきく状況。 ポストコロナともいわれる。 ニューノーマルと関連性があり、常識が変わる。 |
重要なのは、季節性インフルエンザのようにコロナ禍をある程度コントロールできるようになっても、すべてが元にもどらないことです。アフターコロナが到来したときには、ニューノーマル(≒新たな当たり前)といわれる状態の再来が確実視されています。端的にいえば市場も企業も変化は避けられない状態です。よって新しいマーケティング戦略が求められます。
なお、ニューノーマルという概念はコロナ禍で初めて出たものではありません、IT革命やリーマンショック後にも出た概念で、ガラッと常識が変わった歴史がすでにあるわけです。詳しくは後述しますが、すでに消費者の意識や行動は変わっています。ニューノーマルについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
すでにマーケティングや経営方針、働き方を大きく変えた企業も多いです。たとえば自社オフィスを売却したり働き方を大きく変えたりです。詳しくは後述する「働き方・営業戦略の更新」をご覧ください。
変わった消費者の行動と価値観
コロナ禍を受けて消費者の行動と価値観は確実に変化しています。ウィズコロナとアフターコロナで売上維持や拡大をするための重要ポイントとして、以下3点を解説していきましょう。
- アフターコロナに増える消費行動2つ
- ウィズコロナの消費傾向
- 価値観は時間に対するの変化が大きい
アフターコロナに増える消費行動2つ
アフターコロナに増える消費行動は以下の2つです。
- トキ消費
- イミ消費
両方ともコロナ禍以前から増加しており、アフターコロナでも増えると考えられています。特に、健康維持がキーワードの1つであるイミ消費は増加すると考えられるので、それぞれ具体的に解説していきます。
トキ消費
トキ消費とは2017年ごろから増えている消費行動です。特定の瞬間・場所・人でしか経験できない価値である「トキ」を共有するのが特徴です。
消費者がトキ消費を求める理由は、SNSの発達から多くの体験(コト消費)に既視感が生まれる中、希少な体験を共に楽しんだり自慢したりしたい傾向が生まれたからだとされています。そのため、トキ消費には以下3つの特徴があります。
- 非再現性:限定された時間と場所でしか体験できない
- 参加性:参加することに価値があり、主体的に参加できる
- 貢献精:参加者盛り上がりに貢献したと実感できる
トキ消費をうまく刺激した事例としてはフレッシュネスバーガーの「スパムバーガー生き残りキャンペーン」があげられます。
キャンペーンの内容は「2週間の売り上げが8位以内なら販売継続する」というもので、売上アップを実現しています。参加性と貢献性がうまく刺激されたキャンペーンといえるでしょう。
他にもレクサスが開催した自然の中でのドライブやバーベキュー体験を提案したイベントやクラウドファンディングで制作された映画「この世界の片隅に」などもトキ消費にあたります。
ちなみに所有欲が源泉のモノ消費は90年代後半に主流でなくなり、コト消費が主流になりましたが、まったくなくなったわけではありません。ハイブランドの商品などは今も生き残っているからです。
また、トキ消費と組み合わせたイベント限定グッズなどの新しいモノ消費の生み出し方もあるので、固執しすぎずに組み合わせるのが重要です。
イミ消費
イミ消費とは東日本大震災以降に強まったとされる消費行動で、商材の社会・文化的な価値(イミ)を理解・共感して購入にいたる特徴があります。価値とは具体的にあげると以下のとおりです。
- 環境保全
- 地域貢献
- フェアネス(正義)
- 歴史・文化伝承
- 健康維持
昨今露出の多いSDGsが出発点の商品などがイミ消費につながりやすいでしょう。
イミ消費の具体事例をあげると、「生しらすプロジェクト」があげられます。売上の1%を海関連の環境保護団体に寄付したり稚魚の放流事業などに使用したりというもので継続的に資金が集まっています。「どうせ食べるなら何かのためになるのが良い」というイミ消費だといえるでしょう。
伝統や地域貢献などさまざまな切り口がありますが、健康維持もイミ消費のイミ(価値)に入っているのでアフターコロナとの相性が良いと考えられます。ヘルスケアやセルフメディケーション、医療などと接点が持てそうなら積極的に検討してみてください。
ウィズコロナの消費傾向
ウィズコロナ、つまり2021年3月現在での消費行動として意識したいのは以下の2点です。
- ウィズコロナの消費者は5タイプにわかれる
- ECの利用増加
理解と対応ができていないなら早急に対策すべきといえるので、それぞれ詳しく解説していきます。
ウィズコロナの消費者は5タイプにわかれる
ウィズコロナの消費者は下図の5タイプに分かれているとの大規模調査結果が出ています。
2020年7月の時点では巣ごもり型が21.5%と最多で存在しており、以下変化適応型(13.3%)、倹約型(11.5%)、自己中心型(10.5%)従来維持型(6.5%)でした。しかし、タイプ別の消費金額を見てみると下図のとおりの変化をしています。
飲食や旅行などは以前として厳しい状況にありますが、外での消費も復調傾向にあり、巣ごもり型や倹約型がECなどでする消費は頭打ち状態です。巣ごもり型などをピンポイントで狙うよりも、次に解説するECの利用増加を加味して長期的なECの活用などを考えたほうが良いでしょう。ECを用いたマーケティング戦略は特におすすめです。
ちなみにストレスをためている巣ごもり型や倹約型が、アフターコロナにすると思われる消費は下記が参考になるでしょう。コロナ禍が落ち着いたらやりたいと思われているランキング(2021年1月時点)です。
アフターコロナでやりたいこと 3位「友人との外出」、2位「外食」、1位は?
引用:アフターコロナでやりたいこと 3位「友人との外出」、2位「外食」、1位は?|ITmedia
ECの利用増加
下図のとおり、外出への抵抗が薄れつつECの利用が増えています。
ECの利便性の高さやECで良いと感じている人が増えているのが伺えます。詳しくは次で解説しますが、同時に複数のことをしたいという価値観が全世代で高まっているので、店舗に行く手間が削減できるEC消費の高さは続くと考えられます。
したがって、当座の売上を狙って巣ごもり消費を狙うのではなく、中長期的な観点からECの活用や商材のDX化などを検討するのが良いでしょう。
時間に対する価値観の変化が大きい
衛生管理の高まりなどはあるものの緊急事態宣言の解除以降は緩やかに外出率が回復する昨今(コロナ慣れ≒ウィズコロナ)。「時間の使い方」に関する価値観の変化が大きく残っているようです。テレワークで出勤時間などが削減され、スキマ時間に家事や育児ができるようになった結果、以下のような気づきを消費者が得た状況です。
「価値観が変わった。無駄なことにお金と時間を費やしていたことに気づいた。」
引用:第1回 新型コロナウイルスに関する生活者調査|博報堂
「勤務時間が減り早く帰ることができるようになって、平日の夜の有意義な使い方について考えるようになった。」
「家での時間の使い方を今までは意識していなかったので、見直す良い機会だと今は捉えている。」
同時に「生活を高速化したい」、つまり複数のことを同時にこなして時間を生み出したいという価値観も強まっています。
時間に関する意識調査
引用:生活者の「時間」はどう変わるか|博報堂
全世代で複数のことを同時にこなしたいという欲求が高まっているのがわかります。したがって企業としては、消費者が時間を生み出せる商材を提供したり、効率よく働けるサービスを提供したりするマーケティング戦略が効果的です。
実際、「新型コロナウイルス収束後も必要だと思う社会制度」という調査では、テレワーク(84.5%が肯定)やオンライン診療(75.8%)などがあがっています。移動時間をなくしたり複数のことを同時にしたりと、他のことに割く時間を生み出すものへの関心が高まっている状況です。
アフターコロナを意識したマーケティング戦略
アフターコロナを意識したマーケティング戦略としては、以下4点を理解し取り入れたいところです。
- 不便益性を活用する
- 業種の垣根にこだわらない
- 情報発信
- コミュニティの提供
それぞれ詳しく解説していきましょう。
不便益性を活用する
不便(デメリット・不快)は、益(メリット・快楽)を生むという京都大学と博報堂の共同研究結果があり、アフターコロナマーケティングに活かせます。研究結果は下図がわかりやすいです。
アフターコロナは100%ビフォーコロナの状態には戻らないというニューノーマルとも関連しますが、テレワークが1度普及した以上通勤などは明確な不便益と感じられています。通勤時間を楽しくしたい(益)といった需要に対応できる商材はビジネスチャンスがあるでしょう。たとえば聞く読書であるオーディアブックなどがあげられます。
先に解説したトキ消費やイミ消費といった消費行動と結びつけるのも効果的だと思われます。たとえばビフォーコロナにおこなわれたイベント「YuGa×ネスカフェ」などです。イベント内容は、豪華バスで世界の朝食とコーヒーを楽しめるというものでした。
業種の垣根にこだわらない
食品や家電といった特定の業界という垣根にこだわりすぎないのもアフターコロナのマーケティング戦略に重要です。
いわゆるVUCAの時代ということもあってビフォーコロナの段階から、従来の業種から逸脱した事業を始める企業が成功する傾向にありました。たとえば、電機業界でいえば、あくまで電機を主力にしたパナソニックは不調が続く一方、エンターテイメント事業の比率を高めたソニーは好調です。
店舗にも業界の垣根をこえて成功した事例は増えており、たとえばDVDレンタル大手ツタヤが運営するカフェ併設の書店「蔦屋書店」があげられます。大手書店が利便性を追求する中、わざわざ出かけたくなる魅力を訴求して成功しています。喜びの提供や不快の解決といったマーケティングの基本から出発し、ライバルが少ないところで勝負して成功した事例といえるでしょう。
情報発信
専門性を発信してサブスクリプションなどでマネタイズする観点もアフターコロナのマーケティングでますます重視したい戦略です。
具体例をあげると、ワインセラーがワインと合う旬の食材や料理を紹介したり販売したりするといったビジネス。他にもクリーニング店が持ち込まれた衣類の内、自宅で洗えるものは洗い方をレクチャーしたり洗濯教室を開いたりするビジネスなどがあげられます。このようなマーケティング戦略は非常に効果的です。
いずれも消費者の喜びを提供するまっとうなビジネスですが、企業側が新たに専門性を獲得したり多くの準備期間を必要としたりしていないのがポイントです。昨今推進されている個人の副業も専門性を他の形でマネタイズしており、企業がそれをしてはいけないということはありません。
特になんらかの情報発信をビジネスにするのは費用対効果に優れるので、ぜひ検討してみてください。
コミュニティの提供
ウィズコロナでECサイトの利用率が高まっているので、消費者と直接つながれるチャンスも増えています。そこでコミュニティの提供が重要になります。
ビフォーコロナの段階から、顧客と直接つながりを持とうという動きは強まっていました。たとえばオンラインサロンの流行などです。他にもメルセデス・ベンツが、「車を売らないショールーム」開設して、これまでアプローチできていなかった層に親しみを持ってもらうマーケティングに成功しています。
消費者の価値観や消費行動が変わっている以上、ブランド力や販売網の力も陳腐化する恐れがあります。新規顧客の発掘と既存顧客になった後のつながり強化は、アフターコロナで最重要項目の1つと言えるでしょう。もちろん、アイデア先行で動くと失敗するリスクが高いので、SFAやCRMといったツールで分析や自動化をするのが重要です。
働き方・営業戦略の更新
働き方や営業戦略を更新するのもアフターコロナで企業がやるべきことだといえます。社員と顧客の価値観がコロナ禍で少なからず変化した以上、従来どおりのやり方が最適でなくなっている可能性が高いからです。そこで、働き方と営業戦略について具体的に見ていきましょう。
働き方はテレワークなどの働き方改革推進が重要
コロナ禍で通勤時間がなくなることのメリットを実感した社員は少なくないはずです。そして、ビフォーコロナからテレワークをしたいた企業は業績を伸ばしています。付け焼き刃的なテレワークにならず、的確な仕事ができたためです。そして、ウィズコロナをきっかけにオフィスの縮小やテレワークの恒常化に踏みきる企業も多く、一例をあげると以下のとおりです。
企業名 | 施策内容 |
富士通グループ | 緊急事態宣言解除後もテレワークを基本の勤務形態に。 オフィスへの出社率を最大25%ほどにし、オフィス自体も半減へ。 |
日立製作所 | 2021年4月から在宅勤務活用を標準とした働き方へ。 |
ドワンゴ | 全社員を原則在宅勤務へ。 |
そもそもテレワークを含めた働き方改革は、今後減る一方の労働力を維持するために推進されてきました。経営や利益拡大だけにフォーカスするのではなく、従業員一人ひとりの満足度やエンゲージメントの向上が図れる施策に着手するのは合理的な経営判断といえるでしょう。
特に、テレワークやSFA/CRMの導入、DXの実現は中長期的に自社の収益を上げていくでしょう。実際、コロナ禍でも最高益を記録した企業は、DXを達成していました。DXについての詳細は以下の記事でご確認ください。
営業戦略はオンライン化やツールの取り入れを
営業戦略はオンライン化やツールの取り入れが重要と考えられています。ウィズコロナで直接訪問が忌避されたり控えられたりした以上、訪問されて時間が取られるのを嫌がられる可能性があるからです。そもそもビフォーコロナから若い企業を中心に非訪問型の営業が増えていました。
かつては訪問が当たり前だった医薬品営業(MR)も年々オンラインに代替されており、業界全体から人数を減らし続けています。今後、コロナ禍のような状況におちいったときのためにも、Web接客といった営業のオンライン化とインサイドセールスチームの発足などをすべきでしょう。
インサイドセールス部を創設するなら、成功企業がこぞって導入しているSFAやCRM導入も検討すると良いでしょう。マーケティング部とフィールドセールス(訪問営業)の情報を手間なくつないて、売上を最大化したり潜在的な利益を出したりできます。
また、SFAを用いた業務改善の施策の一つとして、「業務の外注化=アウトソーシング」があります。アフターコロナにおいては特にテレワークとの相性も良く、近年になって多くの企業が導入しています。以下の資料にアウトソーシングの概要から、CRM/SFAを用いたアフターフォローまで詳細を記載いたしました。業務の生産性向上の一案としてぜひご検討ください。
アフターコロナで意識したい経営方針
アフターコロナの経営で意識したい経営方針は以下の5つです。
- 市場の変化に対応した収益構造改革
- 変化・イノベーションを恐れない
- 企業価値の最大化
- 経営資源とコア・コンピタンスを再定義
- 中長期的ビジョンを見据えて経営をおこなう
- アフターコロナ(Withコロナ)を楽観視しない
市場の変化に対応した収益構造改革
経済が停滞したことで、売り上げの減少や需要の低迷が発生しています。
認識する危機的状況は産業によって異なるものの、コロナウイルスとの共存が長期化することに比例して、業界を問わず経済全体に甚大なダメージや影響を及ぼすことは容易に想像できます。
このような環境下では、既存の市場や事業内容、収益モデルに固執するのではなく、新たな市場や収益源になるポートフォリオを構築することが重要です。たとえば、ストックビジネスからサブスクリプションモデルへの移行や、チャネルの多角化、場合によってはオンプレミスからSaaSへ切り替えることなどがあげられます。
仮に現状の収益モデルを維持する場合でも、既存事業の見直しや収益バランスの改善、経営する上で不可欠な要素の再定義を図ることで、現在有する経営資源でも変化に対応し、コロナ危機をチャンスに転換することも可能です。
変化・イノベーションを恐れない
今回のコロナ危機のタイミングは、従来型の企業に変化やイノベーションを受け入れる転換期ととらえ、最大限活用する絶好の機会です。
具体的には、SFAやCRM、MAといった業務の効率化や省人化を促すことを目的としたデジタル技術の活用や、従来型の評価システムの再考、コミュニケーションのオンライン化などがあげられます。
また変化やイノベーションといった変革に恐れない組織を構築する上でも、今回のコロナ危機を契機ととらえ、経営手法を転換することが不可欠と言えるでしょう。
企業価値の最大化
コロナウイルスによって、これまで見過ごされてきた企業の本質的な価値が問われる時代に突入します。そのため、これまで企業の存在意義や潜在的課題に対処してこなかった組織は淘汰されることも想定されます。
そこで、これからの経営に不可欠な要素となるのが「企業価値の最大化」です。
企業価値とは主に、会社全体の経済的価値を指しており、企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの現在価値を測る指標のことをいいます。アフターコロナでは、「いかに社会・経済に貢献しているか」といった項目がプラスされるでしょう。
これまでの当たり前や可視化・顕在化していなかった要素に着目して、企業の存在価値を一から再定義し、今後社会や経済に対して、どのような貢献やインパクトを与えられるかが、企業の存続及び経営戦略の良し悪しの焦点になると言えます。
経営資源とコア・コンピタンスを再定義
これまで最適と思われてきた企業の構成要因である経営資源(ヒト・モノ・カネ/情報・時間・知的財産)やコア・コンピタンス(企業の中核を担う強み等)の重要性を理解することや再定義を念頭においた経営も必要不可欠要素と言えます。
多くの企業では、企業体質の変化を迫られるか、または倒産や廃業に瀕しているかなどの重要局面や切迫した環境下におかれないと、自助努力で変化を促すのは難しいと言えます。
しかし、コロナウイルスの感染拡大及びアフターコロナ時代は、これまでの経営の定石や正攻法が通用しない時代に突入します。そのため、これからの時代にそくした経営体制を構築するために、既存の経営資源を最大限活用できる経営戦略を立案することが重要です。
中長期的ビジョンを見据えて経営をおこなう
あくまでもコロナウイルスの蔓延は一時的な要素であり「不確実性」の一環であるといえます。
そのため、経営層は現在の有事かつ緊急性を要する対応策だけでなく、アフターコロナ後に訪れる新たなニューノーマルやスタンダードがどうなるかも視野にいれて経営戦略を考えることが重要になります。
また、それらを踏まえて経営者(経営層)は中長期的ビジョンを策定し、従業員と共有することが求められるでしょう。いずれにせよ、多くの企業では、今後ビジネスモデルの転換や、経営戦略(方針)の再考が不可欠となり、大きなパラダイムシフトに対応する局面を迎えます。
そうなったときに、これらの時代を予期して、どのような経営をしていくかが、アフターコロナ時代の勝者でありニューノーマルと言えるでしょう。
アフターコロナ(Withコロナ)を楽観視しない
現時点では、未だコロナウイルスの収束の目処はたっていません。 そのため、現段階で本業に影響がない、または軽微の企業や産業でも、コロナウイルスが長期化することで、必ず何かしらの影響があるという点を含めて行動することが重要になります。
また現在多くの企業が施策を打つにあたり、現在の感染者数や世界の収束状況をベースに、「何が」、「いつまでに」、「どの程度」回復するかを基準に検討しています。
このような予想、しかも今までに経験したことない事態に対処する際は、現在の状況を楽観的にとらえるのではなく、あらゆるリスクやシナリオを描くことが不可欠です。
あくまでも、アフターコロナに対する影響や損失を楽観的に想定するのではなく、不測の事態も念頭において、経営者及び経営層は経営戦略を立案することが求められます。
まとめ~経営の抜本的改革をすることが大切
サプライチェーンの寸断や既存市場の需要減少、人やモノの移動制限など、アフターコロナ時代の経営を想定するにあたって、多くの現状や課題が日々生じています。
しかし、アフターコロナに備えた経営の在り方や成長戦略の見直しを図ることで、同時にピンチをチャンスに変え、新たなビジネスの契機や市場の創造につなげることもできます。
そのためには、現段階から危機発生時の対策や取り組むべき経営課題の可視化、組織が抱える潜在的な問題点の列挙など、山積した課題と向き合い、必要であれば一から見直すこともしなければなりません。
アフターコロナ時代を見越して、収束後に予期できる需要を取り込むため変革できるかどうかは、現在のこの一瞬一瞬にかかっていると言えます。