営業に必要なコミュニケーション能力とは?高い人の特徴やスキルの高め方を解説
「お客様と良好な関係を築くためにコミュニケーションは必要だと思うけれど、どのようにコミュニケーションスキルを磨けばよいのだろう…」と悩んではいませんか?
今回は営業に役立つコミュニケーション能力について解説します。この記事を読めば、コミュニケーション能力の鍛え方もわかるため、ぜひ参考にしてください。
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コミュニケーション能力とは
コミュニケーション能力とは、相手と意思疎通や情報共有を円滑に行う力をいいます。
コミュニケーションの語源はラテン語のCommunis(コミュニス)で「分かち合うこと」をいいます。コミュニケーション能力では、相手にうまく伝えられるかに意識が向きがちです。
しかし、コミュニケーションは双方向で行うものです。「伝える力」「聴く力」「読み取る力」を磨いて、相手から話を引き出せるように訓練しましょう。
コミュニケーションの種類
コミュニケーションには「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」があります。
言語的コミュニケーションは話し言葉による意思疎通です。一方、非言語的コミュニケーションは身振り手振りや頷き、姿勢、表情、声のトーンによる意思疎通をいいます。
うまく意思疎通するために知っておきたい「メラビアンの法則」では、相手に与える印象はボディランゲージが55%、声のトーンが38%、言語が7%と言われています。
私たちはふだん、会話をする際に、不完全な言葉を使用して話をしています。情報不足を非言語コミュニケーションで補うことで意思疎通をしているのです。営業ではお客様の感情や裏に隠された本音を、表情や声のトーンから察知する能力が求められます。
コミュニケーション能力を構成する要素
コミュニケーションは相手と意思疎通や情報共有を円滑に行う力で「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」があると説明しました。つまり、コミュニケーション能力を構成する要素は4つに分解できます。
言語×伝える力 | 相手に物事を正確に伝える |
言語×聴く力 | 相手の言葉を正確に受け取る |
非言語×伝える力 | 相手が話しやすい雰囲気を作る |
非言語×読み解く力 | 相手に興味・関心を傾けて表情や身振りから本音を察知する |
コミュニケーション能力を鍛えるメリット
コミュニケーション能力を鍛えると3つのメリットが得られます。
情報共有がスムーズに行われる
コミュニケーション能力を鍛えれば、相手にわかりやすく説明できるようになるため、意思疎通や情報共有が円滑に行えるようになります。「報告」「連絡」「相談」をして認識ズレを防ぐことができます。
お互いの価値観を理解できる
人それぞれ価値観は異なりますが、言葉にしないと相手に理解してもらえません。価値観が違うもの同士だと気持ちのすれ違いや誤解を招くこともあるでしょう。
しかし、コミュニケーション能力を鍛えておけば、相手の価値観に対する理解が深められ、信頼関係を築いていくことができます。
良好な人間関係が築ける
社会生活する上で他社とのかかわりは避けて通れません。家族や恋人、友人、会社の人と良好な関係を築くためにはコミュニケーション能力が必要です。
コミュニケーション能力を身に付ければ、相手の言いたいことを察することができるようになります。また、自分の意見も伝えられるようになりプライベートが充実できます。
コミュニケーション能力が高い人の特徴
コミュニケーション能力が高い人はどのように意思疎通をして良好な人間関係を築いているのでしょうか? ここでは、コミュニケーション能力が高い人の特徴をご紹介します。
相手の話を傾聴する
コミュニケーション能力が高い人は、相手に気持ちよく話してもらうことを意識しています。
たとえば、あなたの話に興味があると熱心に相槌を打ったり、相手の方向に体を傾けて聞いています。また、相手が話を整理できるように、バックトラッキング(オウム返し)をして話を整理するなど気遣い上手です。
成約への鍵は、見込み客の言葉の中にあります。
現状の不便や不満、業務上の課題などを相手に語ってもらい、深堀りしながらじっくり聞き取ることが重要です。相手の話を傾聴すれば、相手と良好な関係が築けます。
誠実さを大事にしている
相手と良好な関係を築くためには誠実さが大切です。
たとえば、お客様から質問されて回答できないことが出てくるかもしれません。質問に回答できない恥ずかしさから、曖昧な回答をしてしまうと「この人は信頼してはいけない」と思われてしまうでしょう。
誠実な人は「私では回答できないため、社内に戻って上司に確認させてください」と回答します。誠実な対応を心がければ、相手から信頼されるようになり「困ったときは連絡しよう」と思ってもらえるようになります。
説明するのがうまい
成約につなげるためには、相手が購入後や完成後のイメージを持つことが重要です。
たとえば、営業の提案では結論から説明して、理由や具体例を紹介します。そして、結論で商談内容を要約します。具体的に伝えるために数字を使ったり事例を使ったり説明するのがうまいため「話を聞いて理解できた」と思ってもらいやすい、という特徴があります。
相手の価値観を受け入れている
コミュニケーション能力が高い人は、人それぞれ価値観が異なることを自覚しており、多様性を受け入れています。相手と自分の価値観が異なる場合もありますが、尊重する姿勢を忘れないため、良好な関係を維持できるのです。
「この人は自分を理解してくれる人だ」と思ってもらえれば、相手から本音を引き出しやすくなります。
お互いの会話のバランスがよい
コミュニケーション能力が高い人は、お互いの会話のバランスを維持するのが上手です。自分ばかりが話していると「自分の話には興味・関心がないのかな」と思われてしまいます。逆に相手ばかりが話させていると「秘密主義の人なのかな」と思われてしまいます。
コミュニケーションは双方向で行うため、ちょうどよい会話のバランスを意識するようにしましょう。
コミュニケーション能力が低い人の特徴
コミュニケーション能力を鍛えるためには、悪い例を知っておくことも大切です。ここでは、コミュニケーション能力が低い人の特徴をご紹介します。
相手の話を最後まで聞かない
相手の話に興味が持てないあまりに、途中で口を挟んでしまっていませんか? 相手が話をしているのに、途中で遮ると不快に思われて人間関係が悪化します。
営業担当者が忘れてはいけないことは製品やサービスの導入を決めるのは、顧客であることです。
どんなに優れた商品でも相手にとって不要であれば、セールストークを聞く理由はありません。一方的にセールストークを続けていると、「営業担当者が苦手」と相手は不快に感じてしまうでしょう。
悪い印象を与えてしまうと、中長期の視点でも受注にいたらなくなります。
嘘をついたり過大な表現をしたりする
営業担当者は売上を伸ばすために契約を取りたいものですが、営業ノルマを達成するために嘘をつくことはよくありません。営業ノルマ達成や給与アップを目的にお客様に嘘をついて不利な契約を結ばせたことがバレると大きなトラブルに発展します。
嘘をついたり過大な表現をしたりすると信頼を失う原因となります。
苦情にいたらなかった場合でも、「営業に説明された通りではない」とわかればリピートの可能性は大きく下がります。
提案が具体的でない
相手を説得するためには、具体的な提案が欠かせません。
商品やサービスを導入する際「実際に使えるのか?」という点に大きな関心を持っています。
「安い」「早い」「便利」のフレーズは興味・関心を持ってもらうための施策は有効でも、契約を取るためには根拠となる数字や事例が必要です。
「すごく」「ラクラク」「速い」といったフレーズは取っかかりとしては有効でも、成約に結びつけるためには、数字や事例による具体的な説明がないと説得力に欠けます。
説明が曖昧だと、「商品・サービスを使用して本当に効果が見込めるの?」と思われてしまうでしょう。
相手への興味・関心が低い
相手への興味・関心が低いと、些細な表情や身振りを見逃してしまい、本音を掴むことができなくなります。
そして「相手が質問してこないから、きっとわかっているはず」という前提で進めてしまい、失注してしまうことになります。
どんなに熱心に説明しても「自分を理解してくれる人だ」と思われないかぎり、受注には結びつきません。営業担当者は相手に興味・安心を寄せるようにしましょう。
ネガティブな意見が多い
相手を否定するようなネガティブな意見が多いと不快にさせてしまいます。
たとえば、BtoBの場合に「御社にはいくつかの課題があります」などと商談を始めるのは避けましょう。
顧客は自社を否定されたような気分になり、商談がスムーズに進まなくなります。
ネガティブな意見を述べるときは、同じ量のポジティブな意見を用意しておくようにしましょう。
コミュニケーション能力を高める7つの方法
コミュニケーション能力が低い人でも鍛えて伸ばすことができます。コミュニケーション能力を伸ばす方法には7つあります。
相手に興味・関心を持つ
よいコミュニケーションは、双方の会話のバランスが同じぐらいとされています。そのため、相手に気持ちよく話してもらえるように、興味・関心を持つようにしましょう。
自分と価値観が異なる場合でも、相手の立場になって考えてみるだけでも気持ちは伝わります。また、異なる価値観や考えに触れると学びになるでしょう。
このように意識を改革するだけで、相手に興味・関心を持てるようになり、話を引き出せるようになります。
聞き上手になる
相手から話を引き出すためには聞き上手になる必要があります。相手の話を聞きながら適切なタイミングで相槌を打ったり、オウム返しで話を整理してあげましょう。
また、聞き上手であるためには、適切な質問も重要です。相手の話を深掘りする質問を行い、提案を行うと会話が弾むでしょう。言葉やしぐさから垣間見える微妙なニュアンスをかぎ取ることも大切です。
非言語的コミュニケーションを磨く
メラビアンの法則では非言語的コミュニケーションが大切だと述べられています。非言語的コミュニケーションで相手に与える印象は大きく変わります。
そのため、表情や声のトーン、身振り手振りなど、非言語コミュニケーションを磨きましょう。鏡の前で笑顔の練習をするだけでも印象が大きく変わります。
コミュニケーションスキル研修を受ける
コミュニケーション研修を受講すれば「話す」「聴く」のスキルが磨けます。たとえば、物事の伝え方のテクニックには以下のようなものがあります。
- PREP法(話を「要点」「理由」「具体例」「結論」で構成する)
- マジックナンバー3の法則(ポイントや理由、根拠などを3点挙げる)
このようなテクニックを学ぶことで、相手に話が伝わりやすくなります。
数字や他社事例を上手に使う
数字をもとに説明したり、他社の事例を調べたりして説明することも有効な方法のひとつです。
具体的な情報を提供すると説得力が増して相手から信頼されるようになります。
数字を使うときは単位を工夫しましょう。たとえば0.5kgと500gでは、印象が異なります。製品の軽量化なら500gのほうがインパクトを持つ一方で、減量の目標値ならば0.5kgのほうが取り組みやすいと思ってもらえます。
同僚や先輩、上司などにロープレしてもらう
普段の話し方や営業トークをロープレで確認してもらうことも大切です。
他人の悪いところは指摘できても、自分自身の話し方の癖やしぐさといった点にはなかなか気づきにくいもの。
同僚や先輩、上司にチェックしてもらうことで、自分では気づかない課題を得られます。指摘された点を意識して改善することで、コミュニケーション能力をアップすることが可能です。
コミュニケーション能力を伸ばす際にPDCAを意識して取り組むことをおすすめします。
コミュニケーション検定を受ける
自分のコミュニケーション能力がどれぐらいであるか気になる方は、コミュニケーション検定を受けてみましょう。
ビジネス能力認定サーティファイのコミュニケーション検定では、正しい知識を保有しているかをテストで評価し、意思疎通が得意か実技でチェックされます。初級と上級があるため、コミュニケーション能力を確かめたい方におすすめです。
コミュニケーション能力を高めて、営業成績のアップにつなげよう
営業活動で成約率を上げるには、正しいコミュニケーションを実践することが重要です。
「どのような説明をすれば、相手は契約してくれるか」という点を考え、実行しましょう。見込み客によい印象を持ってもらい、納得を得ることを心がければ、信頼も得られ受注につながりやすくなります。
また、顧客の情報を社内で共有しておくことが大切です。顧客情報を共有してコミュニケーション活性化させるテクニックを資料にまとめたので、興味がある方はダウンロードしてみてください。