営業ラボ

営業力強化に役立つノウハウを公開
eセールスマネージャー 営業ラボ・ブログ 「会わないとうまくいかない」は思い込み? 在宅ワークでも成果の出る新規開拓営業のコツ
「会わないとうまくいかない」は思い込み? 在宅ワークでも成果の出る新規開拓営業のコツ
更新日:

「会わないとうまくいかない」は思い込み? 在宅ワークでも成果の出る新規開拓営業のコツ

在宅ワークの時間が増え対面の機会が減っている今、新規顧客の開拓営業は難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、正しい手順でポイントを押さえ、顧客ニーズの把握や分析の仕方を間違えなければ、長期化するwith コロナの体制下でも新規開拓営業は十分に成果を上げることができます。

いままで対面営業で実績を築いてきた方が外してしまいがちなポイントと、どのように見方を変えればこの環境を活かした新規開拓営業ができるのか、まとめてみました。

在宅ワーク営業=インサイドセールス? マーケティングとインサイドセールスの違い】

在宅ワークによる営業をしている場合、「やれと言われたので、こういうデータを取ってみたけど…」「なかなかお客さんと接点がないから反応がわかりにくい」といった声を聞くことがあります。
従来の営業スタイルから、説明もなく在宅ワークに切り替えられてしまったとしたら、誰でもそんな風に思うでしょう。

そこで、在宅ワークで営業をする際の役割分担について少し触れておきます。

単純化しすぎのきらいはありますが、

  • マーケティング=多くの人に向かって、広告・SNSなどの手段を使って見込み客の創出を行う
  • インサイドセールス=見込み客とのコミュニケーションを行う

という役割分担があります。

役割分担の不理解が戸惑いの一因

在宅ワークで新規開拓営業がうまくできない原因の1つに、こうした役割分担がよくわかっていない、という場合があります。
インサイドセールス部署が100%浸透しているとは言えない日本の環境では、「在宅ワークでの営業」や「インサイドセールス」といった呼び方の違いは、あまり気にしないでよいのです。

営業の役割は見込み客とのコミュニケーションだ、と役割を絞って捉えると、視点がぶれなくなるでしょう。
もしかすると、多くのことを気にしすぎて、調子がつかめない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

在宅ワークでの営業と対面営業の違いとは?

在宅ワークでの営業に戸惑ってしまう原因

対面営業であれば、顧客に対して提案をしたり、足しげく現場通いをしたりと、相手の反応がすぐに確認できるコミュニケーションスタイルが取れます。
これに対して、在宅ワークでの営業では、顧客の反応はすぐにわかるとは限らない、ということが言えます。

現在、多くの人が無意識のうちにそうしていると思いますが、「だいぶ機が熟してきた」というところでWeb会議などで、顧客の顔を直接、見ながら話をします。
それまではメールや電話でフォローアップになるかと思いますが、これらは一種のルーティン作業のように感じられることでしょう。

対面営業では、とりあえず訪問して顧客の反応を確かめてみる、ということができますが、在宅ワークではメールや電話から「反応を観察・分析する」ということが仕事の一部になります。

こうしたテンポの差や、今まで必ずしも重視はしてこなかったメールの量・架電回数、タイミングの分析や、データ入力・出力、分析といった事務作業の増加に対し、「果たして意味があるのか」と感じてしまいがちなことが戸惑いの原因になっています。

見方を変え、見込み顧客の反応を分析する

そこで、「メールや電話の反応で多くの情報をもらったのだから、自分でお客さんを選べる絶好の機会だ」と前向きな見方に変えてみてはどうでしょう。
反応をデータで管理し、確度の高い顧客とそうでない顧客を選別、確度の高い見込み客に対してより積極的・直接的なコミュニケーションを取ると、従来の対面営業で鍛えたコミュニケーション能力が活きてきます。

問題は、その確度の高い・低いをどのようにすれば正確に分析できるか。
この点、SFAツールやCRMツールなどのセールステックを使うと、見込み客の行動分析・確度の推定を一定の基準に従って行うことが可能になります。

経験と勘重視の従来型対面営業と、データに基づく営業、どちらがスタイルに合うかは人それぞれに違うと思いますが、今、より期待されているのは、後者です。

セールステックをつかい見込み客の気持ちに寄り添う方法

効率よく新規顧客を開拓できるセールステック

やれツールだ分析だなどと言っていると、電話を掛けたら顧客のところに鞄一つで駆けつける、というほどのテンポは見込めません。

しかし、在宅ワークで地道にメールや電話でコンタクトをするということは、経費をかけずに、確度の高い見込み客をつかむことにつながります。
また、もう1つのメリットとして、対面の場合より多くの顧客にアプローチすることが可能になります。
リードは、マーケティング部門が効率よく作ってくれれば、訪問をする時間は必要ありません。

そして確度の高い見込み客はSFAやCRMで絞り込みが可能になり、日々更新をかけ、増やしていくこと、また一定の基準に従い取捨選択することが可能なのです。
結果的にですが、アプローチできる確度の高い見込み客の数は、従前より多くなる傾向にあります。

このように無駄な交通費を使わない、無駄な時間を使わない、より多くの確度の高い見込み客にアプローチできる、と非常に合理的に利益が上がるシステムがセールステックです。

カギは顧客への「十分な情報提供」

一方、「開拓される」新規顧客のほうでも、ものを買うこと、サービスを受けることに不安を感じているのが現在の状況です。

限られた時間の中で情報を正確につかみ、ライバル企業の製品が良いのか、あるいは他が良いのか、決めるほうも不安な時間を過ごします。
会社の購買ですから、社内の関係者が十分議論を重ねて製品の選定を行うことになりますが、Web会議だけで決めて、実際のものに触れる機会がない、ということには不安を感じる方も多くおられます。

この在宅ワーク体制下で「よい買い物ができた」と顧客に思ってもらうのには、デモやプレゼンなどを通した十分な製品情報を行うことがカギとなります。

例えば「こういう見込み客なら興味を持ってもらえる」との絞り込みをしたうえで、導入の経緯と効果を数値で比較した詳細資料などを配布し、反応をみる、といった手法は見込み客の確度の検証にも有効です。

ウェビナー(オンラインセミナー)も情報提供の文脈で理解しよう

ウェビナー(オンラインセミナー)ブームも、この情報提供の観点から考えると十分理解できるでしょう。
確度の高い見込み客を一定の基準で絞り込み、商談の前段階として、販売につながるような技術情報をウェビナーで提供するのは合理的です。
見込み客も、見積もりをとって話を進めるのに十分な情報収集ができれば、安心して社内プロセスに購買申請をのせることができるでしょう。

CRM・SFAを活用して見込み客を分析

どこまでの見込み客の範囲に、どこまでの情報を届けたらよいのか。
各段階にいる見込み客にそれぞれ「十分」と言える情報提供を行うのに必要となるのが、CRMやSFAと言われるツールです。
外資系企業などのインサイドセールスは、製品を欲しい人により質も量も十分と言える情報を届けるために、これらのツールを活用してきたのです。

見込み客のセグメンテーション・マッピングなどの分析と見える化をCRMやSFAは助けます。
「見える化」したうえで、どんな情報を届けるか、届けないかを決めて、情報を届けるのです。

ツールからの分析データは、基準さえ決まっていれば誰が見ても同じですから、同じ製品を売るメンバー全員にとって有効です。
全員が一定以上の成果を上げられるのがインサイドセールスの手法、と考えるとよいでしょう。

MAツールも有効

情報を届けることに関しては、MAツールが役に立ちます。
MAツールは「マーケティングオートメーションツール」ですが、営業のコミュニケーションの効率化ツールとして使えます。
CRM・SFAで整理した見込み客データをMAツールで共有できると、情報の送付・セミナー案内、そのフィードバックの収集など、オートメーション化で工数を削減してくれるので、営業はコミュニケーションの本質部分に集中できます。

このようにデータ活用は見込み客を育てて、確度の高い見込み客とすることができる上、効率化にもつながりますので、チームでより多くの利益を上げることに繋がります。

在宅ワーク営業のメリットを生かしながら新規顧客にアプローチする方法とは?

いままで見てきたように、在宅ワーク営業には次のようなメリットが生じます。

  • (在宅ワーク営業で面倒に思いがちな)大量のメール・架電によりデータをとることができる
  • 基準を決め、ツールに見込み客の絞り込みをさせると、確度の低い顧客には無駄にアプローチすることがなくなり効率的
  • 顧客のニーズにフォーカスすると、分析データを部門全体の業績に変えることができる

これらのメリットがうまく引き出されるように、新規顧客にアプローチするコツをまとめておきます。

営業の底力で最後は差がつく

最後の商談に持ち込む部分については、個々人でコミュニケーション能力・段取り力などの差が出て、結果、売上成績が人ごとにかわるのは、対面営業の時と同様です。
ツールの正しい使いかた、ツールのアウトプットとなるデータの使いかた、あるいは代わりに分析するなどして自分を助けてくれる内部のスタッフが誰かわかっていれば、後は対面営業とほぼ同じ実力の測り方ができるはずなのです。

もし、これらがわかりにくいというのであれば、ツールに関して言うと、ツールのウェビナーを聴講するなどして少し理解を深めておいてもよいでしょう。

データ・ツール活用は、新規・既存顧客の差を縮める

ところで、見込み客を育てることに関する限り、既存顧客の場合と新規顧客の場合とで、すべきことが大きく違うのかというと、そうではありません。
営業戦略としては既存顧客に対するものと新規顧客に対するものとで異なるとはいえ、データとツールを利用して行う限り、戦略の違いは、分析の手法や見込み客としての確度の基準に主に現れるものであって、見込み客を育てる段階のTo Doそのものにはあまり変わりがないのです。
在宅ワークでの営業では、新規顧客開拓はむしろ有利、くらいに考えて、積極的に狙っていきましょう。

新規顧客は入力データが多くて面倒?

データとツールを活用して顧客開拓を行うことには、入力や事務作業で営業の負担が増える、という問題があります。
しかし、アウトソーシングの活用を進めている会社であれば作業を委託できるので、入力データばかりが多く仕事の効率性が低い、といったことも防げるでしょう。

また、入力の自動化は遅かれ早かれ取り組むべき課題として認識され、今回のコロナ禍で官公庁・自治体でもRPAツールを積極的に使い、進められている事例が多くあるくらいです。

新規顧客を引き付けるコンテンツ・情報を届けるためのクリエイティブな人材が不足しているなら、思い切って「入力の自動化」の取り組みを進言し、採用を上層部に促すのもありです。
「ツールに自分がついていかなくては」と思うのではなく、自分が使えるリソースをうまく使うことで結果を出す方に発想を転換し、新規顧客の開拓を前向きに進めていきましょう。

対面営業で培ったコミュニケーション能力を在宅ワーク営業に120%発揮してみよう

対面コミュニケーションのスタイルを未練があると、セールステックツールや新しいコミュニケーションスタイルに消極的になりがちです。

しかし、

  • より経費が掛からず、合理的・利益の出やすい営業スタイルであることを理解する
  • 見込み客の不安に寄り添い、新規の見込み客の欲しい情報を届けるためにツールを使う
  • 商談には従来のスタイルに近いWeb会議などのコミュニケーションツールを使う
  • 事務作業は自分だけでやろうとは思わず、分析・入力はマーケティング部署や、アウトソーシングをうまく使う

といったポイントを押さえると、戸惑うことなく在宅営業向きのマインドに自己を変革できることでしょう。

会社にとっても変革の時、これが正解、ということは言いにくいですが、上記はインサイドセールスを成功させてきた多くのBtoBビジネスの経験に基づくもの。
ぜひ参考にされて、新規顧客との商談を成功させてください。

営業戦略での早急なニューノーマルへの対応、DX( デジタルトランスフォーメーション ) 推進が求められている昨今、営業ラボでは営業マネージャーや経営者へ向けたデータドリブンな営業戦略をサポートする資料を配布しています。実際に7,000社以上の導入をサポートしてきた我々が、「営業とデータ活用の必要性」「データ活用がうまくいかない五つのパターン」「どのようにデータ活用を進めればいいか」と言った内容を解説します。よろしければご参照ください。

資料ダウンロード
[cta id="10128" vid="0"]
ページトップへ