マネジメントをアフターコロナ(Withコロナ)に対応させる3要素とは?
御社では新型コロナウイルスの流行を機に、マネジメントに課題があると感じたり、アフターコロナ(Withコロナ)にマネジメントを対応させる方法を求めていたりしませんか?
テレワーク業務により対応の遅れなどが顕在化し、組織マネジメント改善の必要性を感じた企業は多くあります。
しかし、実はアフターコロナであってもマネジメントの基本に変わりません。
重要なのは、ドラッカーの定義した原理原則にそって、アフターコロナにマネジメントをアップデートすることです。
具体的に対応すべき要素3つを解説してくので、ぜひマネジメントを改善してください。
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アフターコロナ(Withコロナ)のマネジメントとは?
はじめに、アフターコロナ(Withコロナ)のマネジメントとはどんなものかを明確にすることで、目標が曖昧になるリスクを下げましょう。
具体的にアフターコロナのマネジメントとは、以下の3つの要素をアップデートしたマネジメントだと考えられます。
- 働く環境づくり…テレワークや正社員女性の復職・教育など
- 企業のあり方…企業のミッションと戦略の確認
- 社会貢献…副業や定年延長を可能にしての雇用創造やSDGsなどの環境対策
上記3つの要素は、マネジメントの父と呼ばれるドラッカーが定めたマネジメントの役割です。
そもそもマネジメントとは、組織や企業の成果を上げさせるための道具や機能、機関と定義されており、たとえアフターコロナ時代であってもその役割の基本は変わりません。
事実、コロナ禍の最中に増益を果たした企業も、上記3要素以外に特別に取り組んでいた何かが有ったわけではないのです。
もちろん、増益を果たせた要素として商材や業界が、巣ごもり消費などにあっていたという事実はあります。
しかし、時代の変化に合わせてマネジメントを着実にアップデートしていなければ、同業界の多くの企業と同じように、コロナ禍で成果を上げる動きはできなかったでしょう。
というわけで、アフターコロナという新しい状況に合わせるには、特別な何かをする必要はなく、原理原則にしたがってマネジメントを変える必要があるのです。
アフターコロナのマネジメントに変えるべき理由
社内のモチベーションアップや説得のため、従来型のマネジメントからアフターコロナのマネジメントに変えるべき理由を解説していきます。
具体的には以下3つがマネジメントを変えていくべき要素です。
- 柔軟な働き方を実現して事業を続けるため
- 事業の短命化が進む中、企業活動を続けるため
- 新型コロナウイルスのような災害を避けるため
それぞれ詳しく解説していきます
柔軟な働き方を実現して事業を続けるため
新型コロナウイルスの流行で、急にテレワークを実施した企業で、生産性が下がった企業は少なくありません。
時間と場所を選ばないテレワークに対応できるマネジメントのアップデートに取り組んでいれば、事業を少しでも続けられたという企業も多いことでしょう。
しかし、今からでもテレワークに対応できるマネジメント、ひいてはアフターコロナのマネジメントの1要素である「働く環境づくり」に取り組む価値は大いにあります。
というのも、世界的な感染症は定期的におこっており、地震や台風といった災害も定期的に発生し、事業の継続を妨げるからです。
実際、2019年に農林水産だけで3000億円以上の被害が出た台風19号や、2016年の熊本地震、2009年の新型インフルエンザ流行など、事例を挙げればきりがありません。
さらに、生産年齢人口の減少から働き手が減り続ける今後の日本では、限りある人材が効率的に働ける環境が必須です。
というわけで、テレワークをはじめとした柔軟な働き方を実現し、事業を続けられるようにマネジメントをしていく必要があります。
なお、テレワークのマネジメントについては、以下のページから詳しい情報が確認できるので参考にしてみてください。
事業の短命化が進む中、企業活動を続けるため
事業やビジネスモデルの短命化が続く中、時代に合わなくなったマネジメントを続けるのはリスクが高くなっているため、マネジメントをアップデートすべき要因になっています。
実際、2019年の時点で倒産企業の平均寿命は23.7年です。
※数値引用元:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200210_02.html
また、国内外問わず大企業の主要事業も変化が激しくなっています。たとえば、IBMはかつてハードのメーカーでしたが、今はビジネスインフラサービスに移行しており、マイクロソフトもパソコンのOS主体からクラウドプラットフォームへ、ソフトバンクも投資会社としての性格が強まっています。
また、アメリカの1955年時の企業の平均寿命は75年であったのに対し、2015年時では15年と短命化しています。
第4次産業革命もいずれ到来し、人も社会も劇的に変化し、ビジネスも変化を強いられます。
したがって、慣例にそったマネジメントを盲目的にするのではなく、時代と顧客ニーズにそった商材を出せる企業であり続けられるマネジメントをしなければいけません。
なお、特別なことをする必要はなく、たとえば営業パーソンから顧客の声や情勢を吸い上げるといった基本的なことでも効果は十分にあります。
見える化などに取り組み、アフターコロナ時代のマネジメントの要素の1つである「企業のあり方」を見直すと良いでしょう。
試しに見える化に取り組んで、企業のあり方を見直す場合は、以下の記事が参考になります。
新型コロナウイルスのような災害を避けるため
巨視的な見方になりますが、新型コロナウイルスのような災害を発生させないためにも、マネジメントを変える必要があります。
というのも、新型コロナを含めて新たな疾患の流行の31%が森林破壊に関係していると言われており、SDGsなどに取り組むことで災害発生確率や被害を軽減できるからです。
また、環境活動への取り組みは、企業イメージアップの定番でもあります。
もちろん、環境活動以外の社会貢献でもかまいません。
社会インフラの整備やより多い雇用創出など、アフターコロナ時代のマネジメントの1要素である「社会貢献」との接点を探ってみてください。
アフターコロナ時代のマネジメントに変える方法
アフターコロナ時代のマネジメントに変えていくには、先に紹介したマネジメントの役割の3要素を満たしていくのが重要です。
つまり、「従業員が働く環境」を整え、ミッションといった「企業のあり方や基本戦略」を見直し、「社会貢献」のポイントを探るのが重要と言えます。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
働く環境づくり
働く環境づくりで取り組むべき代表的なことは、以下の2点です。
- テレワークを含めた働き方改革への対応
- ジョブ型雇用・成果主義の導入
上記2点の内容を見ていきましょう。
テレワークを含めた働き方改革への対応
働く環境づくりとして取り組むべき内容は、国が示す“働き方改革”を参照するのが一番です。
というのも、今後の日本社会で企業活動を続けていくために、企業が実現すべき働く環境が明示されており、補助金などの支援もあるからです。
働き方改革の施策はテレワークなどを含めて全19あるので、国の補助内容も一緒に分かる厚生労働省のHPなどで詳細を確認すると良いでしょう。
※外部リンクhttp://www.kantei.go.jp/jp/headline/pdf/20170328/02.pdf
特に、新型コロナの流行でテレワークを導入したなら、ぜひとも定着させたいところです。
次に紹介する成果主義の導入や部下への権限委譲などを意識して、テレワークを定着させましょう。
なお、テレワークにおけるマネジメントについて詳しく知りたい場合は、以下を参考にしてください。
ジョブ型雇用・成果主義の導入
ジョブ型雇用や成果主義を正しく導入するのも重要になります。
なぜなら、新型コロナや第4次産業革命といった外部要因から、メンバーシップ型雇用や年功序列、終身雇用といった従来のマネジメントが機能しなくなっているからです。
したがって、ジョブ型雇用や成果主義を導入する必要があります。
なお、成果主義といっても仕事への取り組みが評価できなくなるわけではありません。
必要なスキルの習得や果たしてほしい成長を具体的に設定すれば、数字以外の成果も評価できます。
そして、ジョブ型雇用や成果主義を導入して、仕事の役割の明確化や成果物の具体化をし、テレワークといった新しい働き方づくりができるマネジメントを実現しましょう。
企業のあり方を見直し、マネージャーの役割も見直す.
ミッションや基本戦略といった企業のあり方を見直すのは、重要なポイントです。
なお、企業のあり方とは、世の中が自社に求めていることと一致しているべきなので、全企業にあてはまる正解はなく、各企業で答えを見つけていかなければいけません。
たとえば、ドラッカーも「世界で1位か2位になるつもりの事業だけを残し、後は捨てる」という提案を実行して、大手医療機器のGEを立て直しています。
というわけで企業のミッションを見直し、基本戦略や事業方針、ひいてはマネージャーに求める役割や能力も再定義しましょう。
社会貢献ポイント
グローバルでの環境への取り組みであるSGDsや、副業・兼業の推進から雇用を生むといった社会貢献ポイントも設定しましょう。
特に、副業や兼業は働き方改革でも推進されており、自社にイノベーションをもたらすといった効果も期待できます。
社会への貢献が巡り巡って自社の貢献につながるという観点から取り組んでみてください。
また、働き方改革に関連した業務改善の施策の一つとして、「業務の外注化=アウトソーシング」があります。アフターコロナにおいては特にテレワークとの相性も良く、近年になって多くの企業が導入しています。以下の資料にアウトソーシングの概要から、CRM/SFAを用いたアフターフォローまで詳細を記載いたしました。業務の生産性向上の一案としてぜひご検討ください。
マネジメントの基本的な流れ
ここからは、マネジメントという業務の基本的な流れを解説していきます。
先に紹介したアフターコロナ時代のマネジメントへ変える方法と合わせて、効率的なマネジメントができるようにしていきましょう。
具体的なマネジメントの流れは、以下のとおりです。
- 目標設定
- 組織化
- モチベーション維持
- 評価
- 人材開発
上記の流れをひとつずつ解説していきます。
目標設定
企業のあるべき姿に則した目標を設定するのがマネジメントの始まりです。
もちろん、事業部単位やチームごとに明確な目標が必要です。
各マネージャーは具体的な目標を正しく従業員に伝え、従業員は目標達成のために何をすべきかを決めます。
目標設定の段階では、見える化などのテクニックを活用すると良いでしょう。
なすべきことを相互に理解できるようになり、目標の重要性を改めて共有できます。
各マネージャーの仕事としては、具体的な短期・中期目標の設定や部下の目標設定などが代表的です。
組織化
目標達成のために必要な活動やチームの関係などを組織し、日々の業務を滞りなく進めるのもマネジメントでやることです。
もちろん、マネージャー自体を選出することや現場で仕事をする人を選ぶのも役割になります。
各マネージャーは、自らを含めた人的資源の強みを発揮させつつ、弱みを消していける組織をつくるのが仕事というわけです。
モチベーション維持
誰しも放っておけば理想的な仕事をしてくれるわけではないので、組織のモチベーションの維持もマネジメントとして行う必要があります。
モチベーションの維持は、各マネージャーと部下の双方向のコミュニケーションで行われるのが基本です。
モチベーションの原動力としては、インセンティブや出世、仕事のやりがいなどが挙げられます。
各マネージャーは、適切なコミュニケーションを通して、部下の欲求を理解しつつ動機づけにつなげるのが仕事というわけです。
評価
先に紹介したモチベーションの維持とも関連しますが、組織の最小単位である個人を正確に評価するのもマネジメントのステップの1つです。
というのも、正しい評価ができれば、組織のさらなる成果につながるからです。
したがって、各マネージャーは部下の欲求やニーズをくみ取った上で、仕事の分析をして評価を行い、フィードバックにつなげていかなければいけません。
なお、ビジネスモデルがどんどん変わっていく昨今、同じ場所でどのくらいの時間一緒に働いたかを重要な指標にするのは避けたほうが良いでしょう。
アフターコロナ時代のマネジメントの一要素である「企業のあり方の再定義」から個人の役割を決めていき、成果主義やジョブ型雇用につなげるのが重要です。
人材開発
先述の評価やモチベーションの維持を通して、人材開発へとつなげていくのもマネジメントの重要な仕事の一部になります。
というのも、個々の従業員は組織の最小単位にして、企業において最も重要度の高い経営資源だからです。
したがって、各マネージャーは部下の強みを引き出しつつ、自分自身の育成もしていかなければいけません。
また、マネージャーの育成を含めたマネジメントの仕組みを洗練させていくことが、アフターコロナ時代では重要です。
人材開発においてはPDCAを使用するとよりお勧めです。
こちらの記事も参考に実践してみてください。
今こそアフターコロナ(Withコロナ)のマネジメントへ!
アフターコロナ(Withコロナ)時代のマネジメントの詳細やマネジメントを変えていくべき理由、変える方法などを解説しましたが、参考になったでしょうか?
マネジメントは成果を上げるためのツールであり、見直すきっかけになったアフターコロナの今こそ、成功への道が開かれたという見方もできます。
今回紹介した情報を活かして、マネジメントを見直してみてください。
もっとも、ひと口にマネジメントを変えると言ってもやることは多く、直面する課題も多いでしょう。
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