予実管理表のエクセルでの作り方を解説!見やすくするポイントも
企業運営において適切な経営判断を下すために欠かせない予実管理表は、エクセルで作成可能です。その利便性やさまざまなメリットから、エクセルで作成した予実管理表は多くの企業で導入されています。
とはいえ、予実管理表をエクセルでどのように作成・活用すればよいか、よくわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、予実管理の基本的な考え方からエクセルでの作成方法、注意したいポイントなどについて詳しく解説します。
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予実管理とは?
予実管理とは、「予算」と「実績」を比較し、当初の計画通りに進んでいるかを管理する手法です。ここでいう予算と実績は、それぞれ以下を指します。
- 予算:一定期間の売上や費用を見越し、経営戦略などに基づき設定した計画
- 実績:実際に発生した売上や費用などの金額
予算と実績を比べ、どの程度の差違があるかを把握することが予実管理の目的です。差違が発生した場合、そこに問題点があることが分かり、すみやかに対策を講じられます。無駄な支出を抑えられ、効率的な資金運営ができるでしょう。
関連リンク:「予実管理とは?予算管理との違いや分析の進め方、成功のコツ、おすすめツール」
予実管理表とは?
予実管理表とは、予算と実績を比較する際に活用する表です。売上や経費、利益など分析に必要な項目を整理して記載し、予算と実績の数値を比較します。視覚的にとらえることができ、予実の差違を把握しやすくなります。
多くの企業で、エクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを用いて管理表を作成しています。ただし、表計算ソフトでは対応しきれないケースもあるため、組織やプロジェクトの規模が大きく管理項目が複雑になる場合は、専用のビジネスツールを使うことも検討するとよいでしょう。
見やすい予実管理表のエクセルでの作り方
エクセルで予実管理表を作成するには、以下の手順で進めましょう。
- 予実管理表に必要な項目を決める
- 予算を決定する
- 項目を記入する
- 実績を記入する
- 関数を入力する
以下でそれぞれの手順について説明します。ひとつずつ着実に進めていきましょう。
予実管理表に必要な項目を決める
まずは、収入と支出のそれぞれで、管理すべき項目を決めます。どれを入れるべきという決まりはないため、各組織の状況に合わせて必要な項目を書きだして整理しましょう。代表的な項目としては、売上、売上原価、売上総利益、営業損益、販管費などが考えられます。
あまりに項目が多いと管理が煩雑になり、かえって分かりづらくなります。そのため、各項目は細かく分類しすぎないようにしましょう。最低限の項目に絞り、シンプルな構成にするほうが、全体の把握がしやすくなります。
予算を決定する
管理する項目が決まったら、それぞれの予算額を具体的に設定しましょう。支出の項目であれば、年間でどの程度発生するかを見積もり、その金額を四半期ごとや月ごとに換算して決めます。
予測を立てる際は、現実的で無理のない数値にすることが大切です。たとえば、広告費に過剰な予算を割いても、それに見合った効果が得られるとは限りません。過去のデータや市場の行動、業界平均などを分析し、適正な範囲で金額を決める必要があります。
予測できない事態に備えるため、予備の予算枠を確保することもおすすめです。
項目を記入する
予算と実績の比較ができるように、決めた項目と金額をエクセルの表に入力していきます。
横軸には「予算」「実績」「差違」の項目を設定しましょう。それらに加えて、「予算達成率」「前年同月実績」「前年同月比」など、現状を分析するのに必要な項目も含めると、より詳細な分析が可能になるのでおすすめです。
縦軸には最初に決めた「売上」「売上原価」などの項目を記入していきましょう。
縦軸に記入した各項目の予算も入力していきます。
実績を記入する
予実管理表のアウトラインができたら、最新の実績を確認して入力していきましょう。当月の実績の入力は手動になります。ミスがあると正確な分析ができなくなるため、十分に注意して入力していきましょう。
なお、実績以外の予算と実績の差違や進捗率、前年同月比などは、セルに関数をセットしておくとよいでしょう。実績を入れると自動で反映されるようになるため、計算や入力の手間が省けます。また、ヒューマンエラーが起こるリスクも軽減します。
関数を入力する
予算と実績の差違や進捗率などのセルには関数を入力しておきましょう。先に述べたように、関数を入れておくと自動的に計算結果が反映されるようになり、便利です。手動計算のような時間がかからないため、効率も上がります。
関数といっても難しい計算式を使う必要はありません。売上合計ならSUM関数を使い、差違を出すなら、「=『実績のセル』-『予算のセル』」のような計算式で十分に機能します。
条件付き書式を使って「マイナスの値は赤字で表示する」「条件に一致するセルは色を青くする」といった設定をすると、より視覚的に把握しやすくなるのでおすすめです。
見やすい予実管理表を作るためのポイント
予実管理表は見やすさや、内容の把握しやすさも重要なポイントです。ここでは、見やすい管理表を作成するために押さえておきたい以下のポイントについて解説します。
- 項目はシンプルにする
- 年次・月次に分ける
- テンプレートの利用も検討しよう
ポイントを押さえて見やすい管理表を作り、活用しましょう。
項目はシンプルにする
予実管理表を作成する際は、項目を必要以上に細分化せず、なるべくシンプルな構成にすることが重要です。項目が多すぎると表が複雑になるため、データが把握しにくく、分析も難しくなります。それでは管理表の意味がありません。
そのため、必要な情報は何かをよく考えて整理し、売上や経費などの主要な要素に絞って項目立てするようにしましょう。項目を絞ることで状況が把握しやすくなり、管理がスムーズにできるようになります。
年次・月次に分ける
予実管理を効果的に実施するためには、年次と月次に分けて管理することも大切です。
まずは年次予算を立て、その達成に向けて月次予算を立てましょう。年次予算は、前年度の実績を参考に、自社の目標や市場の動向、成長率などを考慮して適切な数値を設定します。
その後に、月次です。月ごとの進捗を把握することで、予算と実績に乖離があった際にすぐに気づき、早めに軌道修正を図れるようになります。
また、年次と月次に分けることで、短期的な変動と長期的な傾向の両方を分析しやすくなります。その分析結果を次年度以降の計画に活かすことで、より精度の高い予算設定が実現できるでしょう。
テンプレートの利用も検討しよう
エクセルには、予実管理に適したテンプレートが多数用意されています。Microsoft社が提供するもの以外でも、さまざまなサイトが有料・無料で使えるテンプレートを提供しています。
自社にマッチするテンプレートを導入すれば、一から作成する必要がありません。また、関数の設定も不要です。アレンジ可能なテンプレートを選べば、自社の分析に必要な項目に変えることもできます。
フォーマット作成の手間が省け、効率的な管理ができるようになるため、テンプレートの活用も検討するとよいでしょう。
予実管理表を使用する際のポイント
予実管理表を効果的に活用するためには、以下のポイントを押さえる必要があります。
- 定期的に更新する
- 予実の比較から経営課題をあぶりだす
- 対策を考え、それを実行に移す
- 予算の見直しを行う
上記ポイントを押さえ、予実管理表を最大限に活用しましょう。
定期的に更新する
予実管理表は、定期的な更新が欠かせません。常に最新の情報を反映することで、正確な状況が把握でき、適切な対応が取れるようになります。
とくに、月ごとに実績を記入すれば、予算との乖離があったときにすぐに発見でき、早期に必要な修正を加えることが可能です。予算と実績のギャップが小さいうちに対策を講じることで、年間の目標を達成しやすくなります。
予実管理表の更新を怠ると、古いデータが残ってしまい、精度の高い分析ができません。誤った経営判断につながる恐れがあるため、定期的な更新を心がけましょう。
予実の比較から経営課題をあぶりだす
予実管理表にデータを入力したら、予算と実績を比較して分析し、経営上の問題点をあぶりだしましょう。問題点が明確になったら、取り組むべき課題を見つけることが大切です。
たとえば、売上の実績が予算に比べて著しく低いとしましょう。「販促活動を強化するべきか」など、原因がどこにあるかを追求して考えます。支出が想定以上に多い場合、どの項目に原因があるのかを探ることが大切です。数値の差違を見ることで、経営上の課題が特定しやすくなります。
対策を考え、それを実行に移す
予実管理表によって「売上の低下」「コストの増加」といった経営上の課題が判明したら、原因を特定して具体的な対策を検討します。
たとえば、売上が低下している場合、単に「販促キャンペーンを実施する」と決めるだけでは不十分です。「期間限定の割引クーポンを配布する」「ロイヤル顧客にシークレットオファーのメールを送る」など具体的な施策を考え、実行に移す必要があります。
改善策を実行した後は、効果を定量的に測定して検証し、必要に応じて内容を調整することも必要です。その後、再度実践しましょう。
予算の見直しを行う
課題を改善する施策を実行する際は、当初に立てた予算の見直しも行います。ただし、改善策の実行によって目標を達成できる見込みがあると判断した場合は、そのままでよいでしょう。難しいようなら調整が必要です。
経営環境は常に変動しています。そのため予算は、改善策を実行するときだけでなく、定期的な見直しが求められます。市場動向や業績の変化に応じて予算を柔軟に修正し、より現実的な数値に変えることで、経営の安定性を高められるでしょう。
予実管理における失敗例
予実管理表を作成しても、うまく活用できずに失敗するケースもあります。たとえば、以下のようなケースです。
- 予算の達成に執着する
- 分析で終わってしまう
- 予算設定を見直さない
ここでは、それぞれのケースにおける問題点について解説します。
予算の達成に執着する
予実管理を行う際に「とにかく予算を達成なければ」「実績とのギャップをなくさなければ」との意識が強くなりすぎ、本来の目的を見失うケースです。
本来、予実管理は予算と実績の差違を見つけて課題をあぶりだし、改善するために行います。最終的な目的は、企業の健全な成長や利益の最大化です。ところが、予算の数字を守ることが目的化してしまい、極端なコストカットや短期的な売上確保など目先の行動に出てしまうケースがあります。これでは、健全な経営は見込めません。
予算はあくまで目標です。達成に執着するのではなく、経営状況を踏まえて柔軟に対応することが大切です。
分析で終わってしまう
予実管理を通して予算と実績のギャップを把握することで、問題点を見つけられるようになります。問題がある部分が分かれば、解決すべき課題も明確になり、改善につなげることができるでしょう。
ところが、数値のずれを確認するだけで終わり、その後の改善につなげられていない場合があります。たとえば「売上が予算を下回っている」ことが分かっても、原因を突き止めて改善策を実行しなければ、予実管理を行う意味はあまりありません。
数値のずれが見つかったら原因を分析し、そこからさらに施策を考え、実行に移すことが大切です。
予算設定を見直さない
一度決めた予算を変えないのも、予実管理で見られる失敗の一つです。予算は決めたら変更してはいけないものではなく、適宜見直す必要があります。なぜなら、予算策定時に事業環境や経営状況の変化を正確に予測することは難しいためです。
予想しなかった要因が発生したにもかかわらず、当初の予算に固執してしまうと、現実にそぐわない目標に振り回されて正しい経営判断ができなくなる恐れがあります。
常に経営環境を見極め、目標を調整することが必要です。
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まとめ
予実管理を効果的に行うためには、必要なデータがそろっていて分析しやすい予実管理表の活用が欠かせません。
作成した予実管理表は、定期的に更新し、常に最新のデータが入力されている状態にしましょう。必要に応じて予算の修正をすることも必要です。
予実管理表はエクセルを使って作成することも可能ですが、煩雑な管理は難しいため、管理システムを導入するのもおすすめです。eセールスマネージャーなら、面倒な更新も修正も簡単に行え、関係者間でスムーズに共有できます。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。