【クラウド型営業支援(SFA)システム】初期費用は? 選択時に押さえておくべきポイントも解説!
営業担当者の工数削減と、営業活動のスピードアップに欠かせない営業支援(SFA)システム。
他システム同様、オンプレミス型からスタートした営業支援(SFA) システムも、最近はクラウド型サービスが主流になってきました。
さまざまなクラウド型営業支援(SFA)システムがしのぎを削る中、自社にとって最適なものを選択する上で判断材料のひとつとなるのが、初期費用です。
今回はクラウド型営業支援(SFA)システムの選択する上でのポイント、企業規模ごとに「定番」といえるクラウド型営業支援(SFA)システムそれぞれの特徴と、初期費用の意味するものを確認したいと思います。
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クラウド型営業支援(SFA)システムの基礎知識
SFAとは、Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)のこと。
案件内容や営業活動のステータス、顧客情報などをデータベース化し、リアルタイムに一元管理し共有できます。
クラウド型営業支援(SFA)システムとは
営業支援(SFA)システムは営業活動に必要な売上管理や案件管理など、優れた機能を搭載しており、プロセス、売上予測、営業進捗、To-doなどを管理することが可能。
各自の営業活動に関するアップデートを営業担当が的確に入力すれば、上司や同僚との情報共有もリアルタイムに行なえ、後方支援が必要な場合もタイミングを逃すことがありません。
営業支援(SFA)システムの活用で、最初のドアノックから受注までの営業プロセスがスピードアップできるのです。
営業支援(SFA)システムには、他システム同様にオンプレミス型、クラウド型という2つの導入形態があり、今回はクラウド型SFAについて紹介します。
オンプレミス型については以下の記事に詳しく記載しておりますので、こちらの記事をご確認ください。
オンプレミスの問題点とは? クラウドとの比較や導入手順も紹介
CRMについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
クラウド型
クラウド型SFAは、システムベンダーが用意するデータセンターにあらかじめ導入された営業支援(SFA)システムを利用する方法です。
システムベンダーとの契約後に専用のIDとパスワードが発行され、即、稼働準備OKになる場合も。
サーバーを用意する必要がないため、オフィスを持たない企業でも利用できるのが特徴です。
営業支援(SFA)システムの導入で実現すること
営業支援(SFA)システムを導入することで実現できることを以下に列挙します。
これは、オンプレミス型、クラウド型どちらの場合も同様です。
- ネットワークとPCやスマートデバイスがあれば、いつでもどこでもデータ入力可能
- 組織で営業する体制への変革(属人的な営業スタイルからの脱却)
- 営業活動の見える化
- 最新の顧客情報(顧客データベース)の確保
- 実績に基づいた売上予測の作成
- 最適なタイミングでの営業活動
営業支援(SFA)システムがあれば、報告や日報作成のためだけに帰社する必要がなくなり、営業担当は営業活動に、より集中できるのです。
マネジメントも、営業支援(SFA)システムを確認するだけでチーム全体の現状把握ができるので、企業全体の営業効率がアップすることは明らかです。
上記のSFAを導入することで実現できることの詳細については以下にてまとめてあります。
興味のある方はぜひこちらも合わせてお読みください。
クラウド型営業支援(SFA)システム導入のメリットとデメリット
クラウド型営業支援(SFA)システムについて、深掘りしてみましょう。
メリット
クラウド型営業支援(SFA)システム導入の最大のメリットは、気軽かつスピーディーに始められることです。
多くの場合、1ユーザーからの契約が可能で、サーバーの拡張も簡単。
システムベンダーとの契約が完了すればまもなく運用開始でき、万が一、営業支援(SFA)システムが不要になったときも解約に手間がかかりません。
オンプレミス型で必要となる初期費用の心配もいりませんし、システムのメンテやバージョンアップに自らの手で対応する必要がないことも売りでしょう。
デメリット
クラウド型営業支援(SFA)システムの課題としては次の2点が考えられます。
費用
クラウド型営業支援(SFA)システムの利用料金は、1ユーザーあたり月額○千円の年払いというものが一般的です。
千円台の数字を見るとお得に感じられますが、ユーザー数の追加や、利用期間が5年以上の長期間になると、オンプレミス型より高額になることがほとんど。
現行の状態で何年使えばオンプレミス型の料金を超えるのか把握しておき、そのタイミングで現状のクラウド型営業支援(SFA)システムを継続するか、オンプレミス型や他社ソリューションと入れ替えるかなど、システムの見直しをするのがおすすめです。
安全性と自由度
クラウド型営業支援(SFA)システムの場合、AWSやGoogle Cloudなど有名なデータセンターが利用されていることが多いようです。
システムベンダー自前のデータセンターの場合では、DR(Disaster Recovery=災害復旧)の観点から、最低でも2拠点にデータセンターを設けるのが一般的です。
つまり日本で契約しても、データセンターがどこにあるかわからないので、突然システムダウンが起こったら、時差の関係で復旧が遅れることも。
システムのカスタマイズが自由にできないことが多く、他社と同じデータセンターを共有するので情報漏洩の危険性が上がるのも事実です。
心配であれば、セキュリティ強化やカスタマイズ可能になるオプションをつけるなど、契約時に対策を立てておくことをおすすめします。
クラウド型営業支援(SFA)システムが向く企業とは
次にあげるポイントのいずれかに合う企業であれば、企業規模は問わずクラウド型営業支援(SFA)システムが適しているでしょう。
- 営業支援(SFA)システムをすぐに使いたい
- 人件費を含む、システム導入の初期費用やメンテナンス費用を抑えたい
- リモートワークがメインか、実オフィスを持たない
- システムのカスタマイズが不要(素のシステムで満足できる)
- データセンターを他社と共有することに違和感を持たない
売れ筋のクラウド型営業支援(SFA)システムを比較
営業支援(SFA)システムといえばクラウド型が現在の主流であり、日本でサービス提供しているシステムベンダーは星の数ほど存在しているので、どれを選択すべきかは悩ましいところ。
今回はその中で売れ筋の5つを紹介しましょう。
売れ筋SFAシステム5選
Sales Cloud(Salesforce.com)
世界で15万社以上が導入するSalesforce.com社の営業支援(SFA)システムです。
管理画面のわかりやすさと、高精度を誇る分析で人気があります。
もっとも人気の高いエンタープライズプランは1ユーザー月額18,000円から、30日間無料トライアルあり。
Salesforce.comが提供する別製品との親和性は抜群で、かつ価格感からも、すでにPardotやTableau などを利用している大規模企業(グローバル企業)におすすめです。
導入支援サービスはSalesforce.com社のパートナーからも提供しています。
10ユーザーまでの小規模企業向けにはエッセンシャルズプランがあり、こちらは1ユーザー月額3,000円で利用でき、企業規模が大きくなった場合、他のプランへの移行はとてもスムーズです。
HubSpot Sale Hub(HubSpot)
HubSpotの別製品である、CRM (無料)、Service Hub、Marketing Hubとのシームレスな連携はもちろんのこと、HubSpotアプリマーケットプレイスに掲載された650種類を超える外部アプリを利用することで、より自社に合った環境を作ることができます。
1ユーザー月額6,000円(2ユーザーから:スタータープラン)から始められ、無料プランあり。
日本語でのカスタマーサポートにも定評があります。
導入支援プランは顧客それぞれに合わせたメニューを提案、HubSpot社のパートナー各社が独自に導入サービスメニューを用意しています。
HubSpotの他製品と連携して利用したい中堅以上の企業向けでしょう。
eセールスマネージャーRemix Cloud(ソフトブレーン)
日本の商習慣に合うよう作られた、導入実績5,500社超・185業種以上、定着率95%を誇る、日本企業に優しい国産の営業支援(SFA)ツールです。
シングルインプット・マルチアウトプットが最大の特長。
導入から定着・活用まで専属チームの支援を仰げるフォロー体制も万全で、徹底したサポートを提供しています。
料金は1ユーザー月額11,000円から(スタンダードプランの場合)。
中・大企業向けに必要な機能はすべて搭載されているeセールスマネージャーRemix Cloud、中小企業向けにeセールスマネージャーRemix MSと、企業規模に合わせたラインアップも魅力です。
Ecrea(Ecrea)
業界初となるコーディネート型営業支援(SFA)システム。
基本のEcreaベース(1ユーザー月額1,000円)に必要な機能だけ選択して契約できます。
導入支援サポート(有償)もメニューが細分化され、必要なサポートだけを選べるので、営業支援(SFA)システムを初めて使う企業向けです。
30日間無料体験版もあります。
Ecreaベースだけでも、社内ポータル、顧客(名刺)情報管理、To-do管理などの機能を搭載していますが、商談ステータスの共有、日報作成機能などが利用できる「活動」(1ユーザー月額500円)や、案件情報管理の「案件」(1ユーザー月額500円)を加えて導入するユーザーが多いようです。
費用を抑えたい中小企業向けでしょう。
kintone(サイボーズ)
企業内に散らばった情報をまとめて管理できる、優れたグループウェアkintone。
営業支援(SFA)システムとしても活用できます。
kintoneの操作は簡単なため、ITリテラシーが高くなくても、ほとんどの機能を問題なく使いこなせるのが売りです。
顧客リストや案件管理など100種類以上の無料テンプレートが提供されているので、ビジネスユーザーでもテンプレートをベースにSFAアプリを作成できます。
無料トライアルあり。
5ユーザーからの契約になりますが、1ヶ月ごとに契約更新ができます。
1ユーザー月額1,500円のスタンダードコースがおすすめです。
導入サポートが必要であれば、サイボーズ公認のパートナー企業が支援します。
クラウド型営業支援(SFA)システムを選定する上でのポイント
さまざまな種類のあるクラウド型営業支援(SFA)システムの中から、どれが自社に適した商品なのか判断するのは難しいところです。
そこで、この章ではSFAの選定における4つのポイントを紹介します。
具体的には以下の4点です。
・自社の営業担当が使いやすいものか
→営業が使いこなせなければ、導入する意味がない
・他システムとの連携性が高いものか
→次フェーズでMA、CRM、ERPと同期できれば、社内全体で活用できることになる
・自社で必要な機能と必要な費用が見合っているか
→SFAは便利で、生産性の向上に貢献するツールではあるものの、必要のない機能まで押し売りされるのはNG
・システムベンダーは信頼できるか
→販売実績も十分にあるなら、サポート体制もきちんと確立されているはず
特に、費用に関しては上述したように、1ユーザーあたり月額○千円の年払いというものが一般的です。
しかし、月額料金がクラウド型営業支援(SFA)システムにかかる費用のすべてではありません。
次項で、一般的なクラウド型営業支援(SFA)システムで必要となる費用の内訳例を紹介します。
クラウド型営業支援(SFA)システム利用で必要となる費用の内訳例
月額料金以外で必要となる費用例です。
- 保守サポート費用
- トレーニング費用
- 導入支援サポート費用
保守サポート費用など、継続的に発生する費用もあります。
全体でいくらかかるのか、予算内かどうかを把握して、比較ポイントの確認とあわせて検討すれば、どの営業支援(SFA)システムを選択すべきかが見えてくるでしょう。
「初期費用無料」の意味
クラウド型営業支援(SFA)システムの導入については、「初期費用無料」が当然といっても過言ではありません。
オンプレミス型では必要となる初期費用は、クラウド型では発生しないからです。
ユーザー側はその文言を「導入支援も無料」と自分本位にとらえてしまいがちですが、ここで少しご注意を。
導入支援も利用料金に含めるシステムベンダーもありますが、導入支援なしですぐに本番稼働できるケースは多くありません。
とくに、初めて営業支援(SFA)システムを導入する場合には、「自社で何とかなりそう」と高を括らずに、エキスパートによる導入支援サービスを受けることをお勧めします。
初めの設定でつまずくと、後々まで影響することも少なくありません。
ポイントを押さえて、自社にあったクラウド型営業支援(SFA)システムを選択しよう
営業支援(SFA)システムを導入すれば、営業活動が活性化し、受注までのリードタイムの短縮が期待されます。
さらに、クラウド型であれば初期費用が発生することがなく、気軽にスタートすることも可能。
多くの選択肢からたったひとつを選ぶことは至難の技かもしれませんが、今回、解説した比較ポイントを参考にして、最適なクラウド型営業支援(SFA)システムを選択してください。
また、もしクラウド型以外の導入を考えている場合は、こちらの記事をご覧ください。