コンバージョン(CV)とは?意味や種類・活用する方法をわかりやすく解説
コンバージョン(CV)とは、Webサイトから発生した問い合わせや資料請求、注文などの「サイトが目的とするアクション」のことです。
コンバージョンの意味を理解し、増やす方法を正しく理解すると、営業成果や売り上げも向上させられます。
本記事では、コンバージョンの意味や重要性、具体例や増やすための基本的なポイントをわかりやすく解説します。
コンバージョン(CV)とは
コンバージョン(CV)とは、Webサイトなどに訪問した顧客に行ってほしい、企業側が目的とする行動です。
コンバージョンの意味
コンバージョンとは、英語では「転換」という意味です。
ビジネスでは、Webサイトなどを訪問した顧客による申し込みや問い合わせなどの、サイトでの目的に応じた行動をコンバージョンといいます。
コンバージョンと売上の関係式
コンバージョンはビジネスの成果を上げるために重要な指標で、次のような計算式で売上と結びついています。
【コンバージョンが直接的な売上の場合】
・売上=コンバージョン数 × 顧客単価【コンバージョンが問い合わせや資料請求の場合】
・売上=コンバージョン数 × 契約率 × 顧客単価
どちらの場合も、コンバージョン数を増やすと売上が向上することがわかります。
コンバージョンの重要性
コンバージョンを定義することで、Webサイトの目標が明確になります。
さらに、コンバージョンを売上と関連させた数式に分解することで、目標達成と売上向上の具体的な施策を考えやすくなります。
たとえば、コンバージョンが資料請求の場合、関係式は次のように分解できます。
・売上=コンバージョン数 × 契約率 × 顧客単価
=資料請求数 × 商談設定率 × 契約率 × 顧客単価
ここから、売り上げを伸ばす方法として次の3つがあることがわかります。
- 資料請求数を増やす
- 商談設定率を上げる
- 契約率を上げる
- 顧客単価を上げる
それぞれの方法をさらに分解すると、より具体的な施策を考えることができます。
コンバージョンの種類
コンバージョンにはいくつかの種類があり、どのような転換をコンバージョンと定義するかによって使い分けます。
総コンバージョン
設定したすべてのコンバージョンの件数の合計値です。
たとえば、資料請求と問い合わせをコンバージョンと設定している場合は、それぞれの合計を総コンバージョンと考えます。
他にも、1人の顧客が複数回の契約や購買をした場合には、その回数の合計を総コンバージョンと考える場合もあります。
契約や購買ごとに売上が上がるようなビジネスの場合、総コンバージョンを重視することが一般的です。
ユニークコンバージョン
コンバージョンをユーザー数で定義した場合がユニークコンバージョンです。
たとえば、同じユーザーが資料請求と問い合わせを1回ずつしても、ユニークコンバージョンとして数える場合はコンバージョン数は1です。
最終目的が会員登録だったり、ひとりの顧客から1契約以上の契約があり得ないような場合や、契約数よりもユーザー数が重要なビジネスの場合は、ユニークコンバージョンが重視されます。
直接コンバージョン・間接コンバージョン
Web広告などのプロモーションによって顧客がWebサイトを訪問し、そのまま問い合わせなどのコンバージョンを行った場合は直接コンバージョンといいます。
Webサイトを訪れたもののそのままコンバージョンはせず、後からまた別のきっかけでWebサイトを訪れてコンバージョンした場合は、間接コンバージョンといいます。
プロモーションには、直接コンバージョンはしにくいが、間接コンバージョンに効果的なものもあります。
また、ユーザーにとってコンバージョンをするために比較や検討などの時間がかかるようなビジネスの場合は、間接コンバージョンもしっかり把握しておく必要があるでしょう。
クリックスルー・コンバージョン
広告やリンクをクリックした後に、ユーザーがそのWebサイト上で目的の行動を完了することを指します。
直接コンバージョンとの違いは、サイトを1回離脱した後のコンバージョンもカウントすることです。つまり、直接コンバージョンと間接コンバージョンの合計とも言えます。
カウント回数は、総コンバージョンとユニークコンバージョンのどちらの場合もあります。
広告そのものの総合的な成果を評価するために使われます。
ビュースルー・コンバージョン
ユーザーが広告をクリックせずに表示しただけで、その後、一定期間内にウェブサイトを訪問してコンバージョンを完了した場合のコンバージョンです。
直接コンバージョンにつながらなくても、広告が認知や購買意欲に与えた影響を評価できます。
そのため、ディスプレイ広告やバナー広告、SNS広告などの評価に用いられます。
コンバージョンの具体例
Webサイトで設定される主なコンバージョンは、次のようなアクションです。
- 商品やサービスの購入
- お問い合わせ・ご相談
- 資料請求・資料ダウンロード
- アカウント作成
- 試供品・無料体験版の申込み
- 会員登録・メルマガ登録
- イベントへの参加申し込み
- 採用の応募
何をコンバージョンとするかは、商品・サービスやセールスのステップによって異なります。
コンバージョンを増やす方法・ポイント
コンバージョンを増やすポイントは、次の4つです。
- 何をコンバージョンにするかを決める
- 流入を増やす
- CV(コンバージョン率)を上げる
詳しく解説します。
何をコンバージョンにするかを決める
まず、適切なコンバージョンを設定することが重要です。
設定方法は大きく2つに分かれます。契約や申し込みなどの最終成果をコンバージョンとする方法と、その手前の資料請求や問い合わせをコンバージョンとする方法です。
基本的には、ECサイトや申し込みのハードルが低い場合は最終成果をコンバージョンとします。逆に、商品の価格や理解の難易度が高い場合は、その手前のアクションをコンバージョンとするとよいでしょう。
Webサイトによってコンバージョンに設定できるアクションが限られている場合もありますが、基本的には同じ考え方です。
また、測定するコンバージョンの種類も同時に考慮する必要があります。
流入を増やす
Webサイトへの流入を増やして、コンバージョン数を上げるには、次のような方法があります。
- ターゲットに適したキーワードを選定する
- Web広告を配信する
- SEOに取り組む
- メディアやSNSで情報発信する
ターゲットに適したキーワードを選定する
自社サービスを利用してくれるユーザーを集めるためには、ターゲットに適したキーワードを選定する必要があります。
そのためには、自社にとって見込みのあるユーザーがどのようなキーワードで検索をしているかを想像します。たとえば、営業成果を向上させようと考えているユーザーが自社商品のターゲットであれば、「売上」というキーワードよりは「営業成果」というキーワードの方がより適している可能性があるでしょう。
ただし、3つ以上の複数単語を想定すると、そもそもそのキーワードで検索している人自体が減ってきます。多くても2単語くらいの組み合わせで、より多くのターゲットユーザーが検索していそうなキーワードを選定しましょう。
Web広告を配信する
Web広告を配信すると、Webサイトへの流入をかんたんに増やすことができます。
Web広告にはいくつかの種類があるので、どのようなユーザーを狙うかによって最適な方法を選んでください。
たとえば、キーワードが明確に設定できていれば検索広告(リスティング広告)でコンバージョンにつながる見込みのある流入が得られます。ディスプレイ広告やSNS広告なら、ターゲットユーザーの属性や趣味嗜好などで絞り込みをしつつ、より広い範囲のユーザーに広告を表示させられます。
配信には費用がかかるため、どのくらいの費用で何件のコンバージョンが取れれば採算が合うかを計算し、予算を決めておくとよいでしょう。
SEOに取り組む
SEOとは検索エンジン最適化のことです。Webサイトを検索エンジンで上位表示させることができれば、サイトへの流入が増加します。
たとえば、ターゲットのニーズに対応した内容のコンテンツを充実させ、Googleが正しく評価できるよう内部対策を行います。
SEO対策にはさまざまな方法があり、ある程度の専門性が求められます。詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてみてください。
参考:【2024年最新】SEO対策とは?進め方や具体的な対策方法の基本をわかりやすく解説
メディアやSNSで情報発信する
Web上のメディアへの寄稿や、プレスリリース、自社のSNSアカウントでの発信も集客のための有効な手段です。
話題性のある記事やリリースでニュースメディアに取り上げられれば、より多くの集客が見込めます。
SNSアカウントでの発信は口コミの発生やバズにつながる場合があり、上手に活用すると大きな流入を生み出せる可能性もあります。
CVR(コンバージョン率)を上げる
CVR(コンバージョン率)を上げるための取り組みも、コンバージョンを増やすための重要な方法のひとつです。具体的には次のような方法があります。
- Webサイトの導線を改善する
- ボタンやバナーを目立たせる
- 入力フォームを見直す
- マイクロコンバージョンを活用する
参考:LP(ランディングページ)とは?メリットや作り方・効果を高めるポイントを解説
CVR(コンバージョン率)とは
CVR(コンバージョン率)とは、Webサイトに流入したユーザーのうち、コンバージョンをしたユーザーの割合です。
式で表すと以下の通りです。
・CVR(コンバージョン率)=コンバージョン数 ÷ Webサイトのアクセス数 × 100
Webサイトを訪問したユーザーに対して、よりコンバージョンがされやすいような対策を打つことで、コンバージョン数を増やせます。
Webサイトの導線を改善する
Webサイトを訪問してからコンバージョンを行うまでにユーザーがたどる経路(導線)を改善します。
改善内容としては、
- コンテンツの順番の見直し
- 商品やサービスなどコンテンツの内容の見直し
- 商品・サービスを理解するために不足しているコンテンツを追加
- 商品・サービスの理解に余分なコンテンツの削除
- ユーザーの状態や商品理解に沿った導線になっているかの見直し
- ユーザーの心情に沿った導線になっているかの見直し
などがあります。
ボタンやバナーを目立たせる
コンバージョンに直接つながるボタンやバナーを改善します。
ボタンやバナーが目立つと、ユーザーの興味が高まった時にクリックをしてもらいやすくなります。
そのためには視認性のよい文字や色やサイズにし、デザインやボタンについている文言、配置する場所も考慮します。
入力フォームを見直す
問い合わせなどの入力フォームもコンバージョン率に大きな影響を与えます。
ポイントは次の通りです。
- 入力項目が多すぎないか
- 入力に手間がないか
- 入力エラーがわかりやすいか
一般的に、入力項目が多すぎるとコンバージョン率は下がります。必要最低限の項目数に絞り込むことが重要です。
入力の手間を減らすのも、コンバージョン率の向上に効果的です。できるだけ自由記述の項目を減らし、クリックしたり選択するだけで入力できるようにします。
さらに、入力が間違っていた場合にすぐに警告表示が出るなど、正しい入力の仕方がすぐわかるとよいでしょう。
マイクロコンバージョンを活用する
マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョンにいたる前のステップとなる行動のことです。
たとえば、「問い合わせ」をコンバージョンとする場合、問い合わせフォームへの到達数や入力を開始したユーザー数などをマイクロコンバージョンとして指定します。
ユーザーのコンバージョンにいたる行動がステップに分かれる場合にマイクロコンバージョンを設定すると、それぞれのステップにいたった数が測定できます。
まずはマイクロコンバージョンを増やすことで、最終的なコンバージョン数も向上させられます。
MAツールを導入する
MAツールにはコンバージョンの獲得や改善に活かせる機能が搭載されています。
たとえば、フォームの設置やA/Bテストの実施、サイトのコンテンツを変更する機能、既存ユーザーにサイト上でポップアップ表示してプロモーションの提案をするなどの機能です。
さらに、CVRや流入を増やす施策を自動で行う機能もあるため、効率的にコンバージョンを増やせます。
>>営業 × マーケティングで受注率UPを実現!MAツール「esm marketing」はこちら
まとめ|コンバージョンの定義と改善方法を理解して売上を向上させよう
コンバージョンは、企業が目的とする顧客の行動です。具体的には、商品やサービスの購入や問い合わせ、資料請求などをコンバージョンとして定義します。
コンバージョンを定義することにより、アクセス数向上やコンバージョン率改善などの改善施策が具体的になり、結果的に企業の売り上げも向上します。
本記事を参考に、コンバージョンを定義し、売り上げを向上させる施策を企画・実行してください。