日報を有効活用するためのポイントとは?
毎日、営業マンからマネージャーに共有される日報。数字の進捗や顧客の状況などの業務内容を確認するための取組みですが、日報らしき体裁だけ整えられていて、形骸化してしまっているという企業も少なくありません。
今回は、改めて日報の目的や効果などを確認しながら、日報を書いてもらう際に押さえるべきポイントや、さまざまな日報ツールについてご紹介していきたいと思います。
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日報の目的と効果って?
日報は、営業マネージャーが部下の営業活動状況を把握し、マネジメントするための仕組みです。営業マン自身にとっては一日を振り返りながら反省点や課題、ネクストアクションを整理する作業で、マネージャーにとっては、一人ひとりの業務内容を把握し、指導やアドバイスを行うためのものです。
また、日報情報を会社の資産として蓄積・分析することで、現在の課題・改善点が明確になり、その情報を元に新たな戦略を立てることもできます。日報で得られる情報を活かすことで、営業マンはもちろん、チーム内や会社全体の業績アップや業務効率化などに役立てる事も可能です。
しかし、営業マンによって報告内容がバラバラでデータ化できず営業現場が把握できない、また、過去の情報が埋もれてしまい適切な情報をキャッチアップ出来ないことなどが原因で、日報が持つ本来の目的や効果を感じられていないという場合もしばしば見受けられます。それでは、どのような日報なら効果的に活用できるのでしょうか。
「活用できる日報」にするためのポイント
構成、項目、見やすさ
日報の構成要素は、「業務内容」「決定事項」「問題点や課題点」「所感」「明日の予定」などが一般的です。それぞれがしっかり記されていれば分かりやすいのですが、「今日の商談は良い感じでした」「明日はもっと頑張りたいと思います」などの主観的・定性的な内容であれば、具体的には何も把握することができませんし、アドバイスを行うこともできません。
マネージャーが知りたい情報が日報から簡単に把握できない場合、営業会議で毎回確認したり、個々に話を聞く時間を設けるなど、マネージャー・営業マン双方にとって非常に非効率で手間がかかる状態になってしまいます。
そうならない為に営業マンには、各項目の内容に対してより具体的かつ簡潔に書いてもらう必要があります。たとえば、見出しをつけて箇条書きで書いていくことも有効でしょう。
所要時間
日報を書くことになれていない新人営業マンの場合は、1時間ほどかかることもざらにあります。しかし、毎日行う作業ですから、はじめは30分程度を目指して、なるべく短時間で書いてもらうようにしましょう。可能であれば移動などのスキマ時間を利用しながら報告をおこない、帰社後に5分程度でまとめることができるとより効率的で、時間も無駄になりません。
近年、スマホやタブレットなどのデバイスを活用して、通勤や移動中のすき間に日報が簡単に作成できるツールの導入も現在では一般的になりつつあります。
目安量
すべての営業マンの日報に目を通さなければいけないマネージャーにとって、1日に起こった出来事を逐一報告されても把握しきれません。分かりにくくならないように、要点を絞って簡潔な内容を心がけましょう。
そのためには、あらかじめマネージャーが把握したい内容、課題、競合、予算、決裁者、導入時期、次のアクションなど、ヒアリングしなければならない項目を設定し、報告内容が知りたい情報に直結する日報テンプレートを用意しておくのがおすすめです。
指導すべき注意事項
日報で把握したいことは、今後の営業活動に有益な事実のみです。主観で記されたものや、自己分析だけで書かれたものは日報として意味を成しません。
営業マンには客観的な事実だけを記してもらうようにするのがいいでしょう。その場合、見積もりや日程などに関する数値を記入すると、より具体的な内容になります。
提出時間
営業マンからの日報提出が遅くなってしまうと、必然的にマネージャーの終業時間が遅くなってしまいます。自身の負担を少なくする意味でも、帰社後になるべく早めに提出できるような環境作りを行なうとよいでしょう。
上司は部下の日報をどのように活用すべき?
見る側の日報活用術
部下から提出される日報に、前述した「業務内容」「決定事項」「問題点や課題点」「所感」「明日の予定」などがしっかりと記録されるようになれば、マネージャーは一人ひとりの日報の内容に沿って、的確な指導を行えることが可能になります。
また、どの営業マンが、どこで、どのように営業活動を行っているかを把握し、調整することで、チーム全体の営業効率を上げることもできるようになります。
日報をデータベース化すれば、今後の営業活動における重要な資料としても活用できるでしょう。
返信内容や添削方法
提出された日報全部を確認する作業も、なかなか手間のかかる作業です。しかし、マネージャーの返信や添削次第では、部下のスキルアップや、顧客対応漏れの防止、ひいては営業活動の質のアップにもつながるのです。
そのためには、一人ひとりの日報にきちんと目を通し、適切にアドバイスを行うことが大切です。そして、データを基に改善点を明確に提示し指導できることが重要です。そうすることで、部下も納得感を持って前向きな気持ちで受け入れて、すぐさま業務に反映してもらえることでしょう。そのために日報管理に適したツール導入を検討することをお勧めします。
日報でよく使われるツールのメリット・デメリット
紙
紙とペンさえあればだれでも書けるという点がメリットかもしれません。しかし、紛失の恐れがあったり、目的の日報を探すのに時間がかかったりと、いまの時代にはデメリットしかありません。
メール
ケータイやスマートフォンで作成できるという手軽さは良いのですが、返信のやり取りに時間がかかったり、膨大な量のメールの中に埋もれがちになったりと、こちらもデメリットのほうが大きいです。
Excel
さまざまな書類作成に重宝されているExcel。日報としても活用している会社も多いでしょう。テンプレート化しやすい、紙やメールに比べて管理しやすいなどの利点も確かにあります。しかし、スマートフォンから気軽に閲覧できない、データがたまってくると検索しにくくなるなど、Excelも実は大きなデメリットを抱えています。
日報アプリ・日報管理ツール
スマートフォンなどで活用できるSFA(営業支援ツール)などの日報アプリや日報管理ツールなら、営業マンは時間と場所を選ばずに活動報告を行うことができ、それによりマネージャーは必要な情報をリアルタイムで入手することが可能になります。
さらに、これまでの活動履歴、案件リスト、行動予実管理などのデータと連携させることで顧客・案件・営業マンの状況が見やすくなります。
その結果、マネージャーは会議を待たずに指示出しやアドバイスを行うことができるようになります。
ITリテラシーの格差から、うまく使えない担当者が出る可能性があったり、導入や運用のコストがかかりますが、そのデメリットを大きく越えるメリットを得られることでしょう。
eセールスマネージャーの日報管理機能をご紹介
SFAを活用すると、さらに日報を活用できることをお伝えしましたが、ソフトブレーンが開発した「eセールスマネージャー」にも日報管理機能があります。
この機能を利用すれば、営業マンはパソコンやスマートフォンなどからスキマ時間を使って活動報告ができ、その情報は即時マネージャーが受け取ることができます。それにより、帰社後に改めて日報をまとめる必要もなくなります。
項目別に選択方式で入力できるので、営業マンはストレスなく活動内容を登録できます。
また、マネージャーは簡潔に具体的で必要な情報を把握することが可能です。
活動報告時にスケジュールやToDo登録が一度にできるのもこの機能の特徴です。活動報告をするだけで、社内SNSへの投稿や、Excelライクな案件リストや必要な情報発信も自動的に行われるので、チームでの情報共有も簡単。業務の効率化、スピードアップを実現し、業績アップにも貢献することでしょう。
営業マンの活動登録情報は自動的に日報としてまとめられるので、別途作成する必要もありません。マネージャーにとっては、ToDoの消化状況、活動内容、案件進捗をひと目で確認することができ、即座に指示を出すことも可能です。
まとめ
日報は毎日書くものなので、営業マンにとってはストレスになりがちで、先延ばしで提出が遅くなったり、提出しないことも良く有る話です。しかし、マネージャーにとっては、部下一人ひとりに適した指導を行い、部署全体の営業効率をあげ、業績アップに繋げるためには、かかせないものです。
なるべく効率よく日報を提出できる環境を整えるなどして、部署全体で日報を活用できるようにしてみてはいかがでしょうか。