目標が達成する日報管理の秘訣とは?負荷激減、成果倍増のテンプレートも公開!
多くの営業現場で取り入れられている日報。チームが目標を達成するための手段であり、正しく運用すれば会社の財産ともいえる価値のあるものです。
しかし、しっかりと運用・管理できていない場合は、売上アップの実現どころか、時間と労力を使うだけのムダなものとなってしまいます。
そこで、日報の目的・メリット・デメリットとは何かを理解し、確実に結果を出すことができる具体的な日報作成の手段について、ご紹介いたします。
このページのコンテンツ
営業で日報を書く意味と目的は?
日報を書く目的は組織、そして個人によって異なりますが、それぞれがその目的を達成することで、最終的にチーム全体のミッションを達成することができます。
まずは、各役割における目的を把握しましょう。
営業部署から見た日報の意味と目的
組織全体としては、「新規顧客の獲得による売り上げ増」という目標を達成することが一番の目的となります。日報から得られた情報を共有・分析することによって戦略を立案し、目的へ向かう事が大事です。
営業担当者個人にとっての日報の意味と目的
「行動の問題点を見い出すため」「新たなチャンスをつかむため」など、自身のスキルアップを目的として書く事が多いでしょう。また、収集した情報を自身で蓄積するだけでなく、個人のタスクを営業部署全体で共有することも可能となります。
マネジメントにおける日報の意味と目的
上司にとっては営業メンバーの進捗管理を目的とするツールです。一人ひとりのメンタルを把握することでフォローアップもできるので、数字を確認するだけでなく人材育成の意味も含んでいるといえるでしょう。
日報を活かすためには、ただ部下に作成を指示するだけでは不十分です。日報を書いて提出させる意味や目的を上司がまず理解して、部下にしっかり動機付けを行うことで、日報情報を効果的に活用することができるでしょう。
日報を書かせることによるメリットとデメリット
日報は、意味と目的を意識して作成することで多くのメリットを得ることができますが、さまざまなデメリットも発生してしまうのも現実。メリットだけでなくデメリットも具体的に把握したうえで最適な運用を考え、管理することが大切です。
日報を書くことによるメリットとは?
営業部署で見た場合
日報から得られた情報を共有・分析することにより、戦略を立てて目標を達成しやすくしたり、改善点を見逃すことなく解決に導いたりすることが可能になります。チーム全体の仕事を円滑に回すことができるだけでなく、業務が効率化されることで顧客対応の迅速化も期待できます。
また、社員の退職時や異動時などに、蓄積した過去のデータを利用することでスムーズな対応が実現。日報が、顧客情報データベースとして企業・組織の財産となるでしょう。
営業の個人で見た場合
自身の活動を日々思い起こすことで、常に問題意識を持ち仕事の進め方を改善・解決することができるようになり、目標の数字を達成しやすくなります。効率的な仕事の進め方ができるため、自身での振り返りの時間を減らすことにもつながるでしょう。
マネジメント目線で見た場合
営業の進捗管理を日々行うことができるので、タスク漏れを防ぐことができます。また、モチベーションの低下など心象の変化にも気づきやすくなるため、いち早くフォローアップすることで人材の離脱削減や育成につなげることもできます。
日報を書くことによるデメリットとは?
営業部署で見た場合
個人の裁量に任せて日報を書かせる場合、内容、構成、文章力などに個人差が出ることは否めず、どうしても粒度に差が生じてしまいます。その結果、分析にまで至らず、戦略の策定ができないことがあります。
営業の個人で見た場合
1日の報告を詳しく書くには、30分以上の時間が必要なケースもあり、とにかく時間がかかります。そのため、見積書、提案書など作成する文書が多い営業担当者にとっては、業務の負荷となってしまうことも…。また、日報を書くこと自体が目的となり、伝えるべき内容が伝えられずに営業活動に活かせない結果となってしまう可能性もあります。
マネジメント目線で見た場合
文章の日報は、そのすべてを読むのに時間がかかります。多忙なマネージャーは、複数の部下の日報をその日のうちに見ることができないという事態も起こり得るでしょう。その結果、個人へのフィードバックが遅れることで日報に対する個人の意識が低下することもあります。
また、内容を熟読することができず、そこから気づきが得られないこともあるでしょう。粒度の違いによりフォローアップまで手掛けられない日報が多く存在してしまうことを忘れないことが大切です。
日本では、日報をうまく使いこなせず、上記のようなデメリットの方が前面に出てしまっているケースが多いのではないでしょうか。日報を最大限に活かすことで多くのメリットを得られるよう、改善点を具体的に探っていきましょう。
日報を有益にさせる運用とフォーマット改善のポイント
多くの手間をかけずに日報を最大に利用するには、仕組みから変える必要があります。以下の3つのポイントを踏まえた運用方法を検討しましょう。
Point1:共有の質が保たれたフォーマットでの属人化撤廃
まず第一に、属人化を撤廃する必要があります。ITツールを活用しフォーマットを定型化することで、手間を軽減し質を担保するとよいでしょう。
社員目線から見れば作成は楽になりますし、マネジメント目線からみても案件やタスク管理が容易になり、管理が充実することで社員育成に活用しやすくなります。
逆に、苦労して作成した日報に対して、管理者から何のフィードバックもなかったとしたら、社員は日報を真剣に作成する気にはならないでしょう。フォーマットが一元化されていなければ、管理者側も苦痛は避けられません。
そこで、共有しやすいフォーマットを用意し質に差が生じることなく報告が上がるように、属人化撤廃することがポイントとなります。
Point2:現場の担当者が容易に入力・作成しやすいこと
第二に、現場には極力負荷を与えてはなりません。なぜなら日報の入力自体はコア業務ではないからです。さまざまな営業活動で多忙な担当者の負担にならないように、次のことに気をつけましょう。
システムを導入していない場合
「メール」がおもに使用されることが多いですが、送信項目を揃えておくのがおすすめ。定量化して項目を選定するだけで済むように、あらかじめ選択項目を用意しておくとよいでしょう。
ツールやシステムを導入している場合
できるだけスマホで操作ができるような「日報報告システム」を選択し活用します。
いずれの場合も、「情報の母数を増やす」などの工夫をすることで、書かれている情報を活用する局面が増えるので、結果的にそれがチームの成功につながるでしょう。
Point3:日報の情報分析から改善や戦略への活用がしやすいこと
最後に、「日報で上がってきた情報を効果的に組織として活用できるように運用体制を組むこと」が挙げられます。
なぜなら、上がってきた日報に関して組織的に把握、分析をして改善まで役立てなければ、そもそも書く意味がなくなってしまうからです。
マネージャーが、定性的な要素を日報の文章から用意に把握できる仕組みにすることが大切。マネジメントレイヤーではその部下の改善点を見つけ、組織的には統計を取り、現状を把握して改善施策に反映できるようにしましょう。
上記3つのポイントをふまえた上でおすすめしたい手段は、以下の2種類です。
1)エクセルやスプレッドシートを活用
こちらを用いてタグづけ分析などを実施します。日報の膨大なテキストデータの中からタグづけをすることで目的を絞り込むことができるので、検索の精度がアップし、作業を効率的に行うことが可能となります。
2)日報ツールや報告機能付きCRM/SFAなどのツールを活用
情報をシステム上で共有することにより、「誰がどの案件を担当しているのか」「案件の進捗はどうなっているのか」がチーム全員に一目瞭然でわかります。
これらのツールはフォーマットが最適化されているため、属人化を最小限に抑えることが可能。現場に聞いて回ったり、メールやメッセージツールで問い合わせる必要がないため、工数も削減され分析も迅速となります。
これらのツールを活用して日報を作成することができれば、現場としては残業削減となり、組織としてはチームの成功に役立てられ、メリットが倍増!日報を最大限に活用することができるようになります。
ツールについて詳しくまとめた記事がこちらにありますので、よろしければご覧ください。
日報に使う主な手法3点について 〜メール/エクセル/システム〜
使用するツールによっては、目的に対して成果が出せないという事実があります。せっかくの日報をムダにしないためにも、各ツールの特徴を知っておくことが大切です。それぞれについて、深く掘り下げてご紹介します。
メール
日報をメールで済ませている企業はまだまだ多いと思いますが、メールでの日報管理は避けるべきです。なぜなら、メールでは集計や分析ができないからです。せっかく報告したデータも多くのメールの中に埋もれていくため、役に立たないという状況に…。
メールは、その場のコミュニケーションのみに活用するのであれば適切ですが、会社の資産として蓄積していかなくてはならない日報をやり取りする手段として使用することは避けるべきといえます。
エクセル
実はエクセルにも、メール同様の懸念点が隠れています。エクセルは集計・分析に優れているため、売上予測などの数値はマクロや関数を使って自動集計できます。しかし、シートごとに報告された日報情報(活動履歴)を、その後、振り返り活用することができるか?という視点で考えるとそれは困難であり、上司がその日に把握するだけで終わってしまうでしょう。
阻害要因や改善点を探るために活用することは難しくなってしまうため、日報情報を活用して「営業活動のPDCAサイクルを回そう」と考えるのであれば、エクセルも避けたほうがよいでしょう。
日報管理システムや日報システムを搭載したSFA/CRM
日報管理システムは、その名の通り日報に特化したシステムです。そのため、入力した情報をデータ化し蓄積・分析することができます。営業活動や商談進捗の見える化も容易にでき、PDCAサイクルを回しやすくなります。
また、現在では、スマホから簡単に報告できるタイプのものもあるため、日報報告する営業パーソンの負担も削減できます。会社の資産として日報情報を蓄積しフル活用して営業活動を改善する目的があるのであれば、やはり日報管理システムをお勧めします。
CRM/SFAに興味がある方や、導入を考えている方に向けて、様々なCRM/SFA製品を料金や機能、セキュリティなど32項目で採点し、ひと目でわかるグラフで特徴を教えてくれる製品比較シートと、料金・機能をXY軸にして製品群をマッピングした分析チャートをご用意いたしました。
比較の時間を短くしたい方に製品比較シート、どのような価格や機能性の製品があるのかといった、CRM/SFA製品の全体図を把握したいという方には製品分析チャートがおすすめです。
効果的な日報の書き方は? 〜テンプレート/例文のご紹介〜
目的を果たす日報を書くにはどのような点に配慮すれば良いのでしょうか?
良くない日報の例
2018年11月1日の日報
本日は新規クライアントに2件訪問しました。
非常に良い感触だったので、受注確度は高そうです。
案件名:○○株式会社
案件名:株式会社△△
○○株式会社については決裁者にアプローチできていないので、明日までに資料を作成し、来週頭にはロープレを設定しますのでご対応のほどよろしくお願いします。
良い日報の例
- スケジュール:2018年11月1日(木)13時~14時
- 活動内容:提案
- 進捗:初回提案済み
- 提案商品:eセールスマネージャー
- 受注予定金額:○○円
- 受注予定日:2019年1月10日
- 売上見込み:△(競合T社との相見積もり後に選定)
- 予算:予算化検討中
- 意思決定者:接触済み
- ニーズ:明確化
- タイミング:選定日決定
- 競合:T社
- ネクストアクション:2018年11月5日(月)次回訪問日決定
いかがでしょうか?ポイントは「報告者の主観的な文章で記入する非定型情報」を極力少なくし、「固有名詞や数字などの定型情報」主体の日報にすることで情報収集効率を高めることです。
良くない日報の例では、営業マンが思い思いに文章で日報を記載しているため、重要情報の抜け漏れやそれに起因する口頭確認の発生などのムダが発生します。こうした事態に陥らず、マネージャーと営業パーソンの情報共有ツールとして日報を最大限活用するためには、予め記載する項目や指標を定めておくこと=「定型情報」の日報を採用することが有効です。
目的を忘れず日報の作成と管理に取り組もう
日報とは組織改善やマネジメントに有効なツールですが、目的を忘れた瞬間に意味のないものに変わります。繰り返しますが、現場において日報の記入は目的でなく、その日報を管理・活用することが目的です。
「いかに現場の負荷を少なくするか」「管理側が楽に状況把握/判断/分析/施策立案ができるか」が鍵となるので、自社に最適な手法を見つけて実践してみてはいかがでしょうか?
弊社のeセールスマネージャーは、営業の手間を省く日報の管理システムを搭載したSFA/CRMを提供しています。
営業部署で日報管理に課題がある方は、ぜひ検討してみてください。