【初級編】データ分析とは? メリットや分析方法、おすすめのツール、活用事例を徹底解説!
昨今のビジネスシーンでは、企業の抱える課題や経営戦略に対し、必要な情報を収集・抽出することで、精度の高い現状分析や将来予測、意思決定を可能にする「データ分析」の導入が進んでいます。
しかし、企業によっては情報の蓄積のみを目的としてしまったり、データを加工・分析する人材がいなかったりと、本来あるべきデータ分析の姿とは異なってしまっている組織も少なくありません。
本記事では、データ分析とは本来どのようなものなのかを知りたい方に向け、データ分析の特徴をはじめ、導入するメリットやデータ分析手法、おすすめのツールを厳選して解説します。
このページのコンテンツ
そもそもデータ分析とは?
データ分析とは、必要な情報や目的に沿って、文字や数値、画像などを収集し、膨大なデータを分類・整理・処理することで、その中から価値ある情報を抽出することを指します。
近年、ITやテクノロジーの進化により、これまでマンパワーで把握・分析していたデータを自動的に蓄積することが可能になりました。
そして、そのデータを整理・解析することで、より有益な情報として、新事業の創出やアプローチ手法などに採用することができるため、現在では多くの企業がデータ分析に注力しています。
データ分析を導入するメリット
なぜ多くの企業でデータ分析の導入が推進されているのでしょうか。
以下では、データ分析を導入するメリットについて解説します。
精度の高い分析・将来予測が可能
データ分析の導入は、精度の高い分析や将来予測が可能になります。
ビジネスでは、経済情勢や市場動向を見極め、確度の高い売上予測を行うことが重要です。
しかし、現状分析や将来予測などの情報は不確実性も多く、正確な予測をすることは困難です。
そこで鍵を握るのがデータ分析になります。
データ分析は、100%確実とは言えないまでも、各データの関連性や因果関係などから高度な分析や予測を立てることができます。
問題点の抽出やビジネスチャンスを創出できる
データ分析の導入は、企業が抱える問題点の抽出やビジネスチャンスを創出することを可能にします。
これまでの企業では、抱えている問題点や課題に対して、一部の経験則や勘に頼った意思決定が一般的でした。
しかし、あらゆる要素を用いたデータ分析によって、これまでの仮説や推測によるものではなく、蓄積したデータから導いた精度の高い問題点や、ビジネスチャンスを発見できる可能性があります。
迅速な意思決定ができる
データ分析の導入は、ビジネスに迅速な意思決定をもたらします。
たとえば、企業において解決すべき課題や戦略を選択する時、確定的な要素がないと選択肢の中から決められない人も多いのではないでしょうか。
これは経営層や管理職に限らず、現場レベルでも同じことが言えます。
しかし、データ分析を活用すれば、課題や戦略に対して迅速な意思決定や判断の助けになります。
データ分析を導入する際の3つのポイント
ここからは、データ分析を投入する際のポイントを3つに絞って解説します。
データ分析を導入する目的を明確にする
まず、はじめに意識すべきポイントが、データ分析を導入する目的を明確にすることです。
「なぜデータ分析をするのか」「データ分析をどんな業務に活かすのか」など、データ収集や分析の目的を定めないと、データ分析の成果が不明瞭になってしまいます。
データ分析を導入する目的を事前に明確にしてから検討するようにしましょう。
データ分析に長けた人材を確保する
効果的なデータ分析を行うためには、分析スキルに長けた人材を確保することが重要です。
導入に際してありがちなのが、データ分析にかかわる情報収集や処理、加工に長けた人材が組織にいないことが挙げられます。
そこで求められるのがデジタル人材です。
成果として何を得たいのかによって、データ分析の方法だけでなく、必要なデジタル人材も異なってくるため、導入する目的に沿った人材を確保するようにしましょう。
データ分析の手法にこだわりすぎない
データ分析は、あくまでも企業が抱える問題の解決や戦略を立案するための手段のひとつです。
そのため、データ分析の手法に固執し過ぎると、かえってビジネスチャンスや機会損失につながることも。
経営戦略や営業活動、マーケティングに安易に適用するのではなく、データ分析は業務を補う手段のひとつと捉えるようにしましょう。
代表的なデータ分析手法と特徴
データ分析では、目的やケースに応じた分析手法を取り入れることが重要です。
以下では、多くの企業で導入が進むデータ分析手法とその特徴について解説します。
基本的なデータ分析方法「クロス集計分析」
クロス集計分析とは、複数の設問を掛け合わせて集計するデータ分析です。
主にアンケート集計などで用いられます。
アンケート調査によって得た回答結果を細分化することで、回答者の属性や設問間における相関関係を分析し、属性ごとのトレンド把握や単純集計では掴めなかった回答傾向の比較が可能です。
データ同士の相関関係を見つける「アソシエーション分析」
アソシエーション分析は「連関分析」とも言われ、ビッグデータやデータマイニングを用いて、一見、関係性のないデータから隠れた相関関係を見つけ出す方法です。
主に、実店舗やECサイトでの消費行動の違いや、スーパーやコンビニなどの買い物かごに何が一緒に入っているかなどの関連性を分析することに長けています。
アソシエーション分析から派生した「バスケット分析」
アソシエーション分析から派生したデータ分析の手法に、「バスケット分析」と呼ばれるものがあります。
基本的な概要はアソシエーション分析と変わらないものの、分析する対象はユーザーが購入した商品に限定される、という特徴があります。
ユーザーが買い物かごである「バスケット」に何を入れているのかを把握することで、「Aの商品とBの商品は関連付けられて購入されている確率が高い」というような情報をはじき出します。
異なる性質を有するデータから類似性を持つグループに分類する「クラスター分析」
クラスター分析とは、異なるものが混ざり合っている集団から類似した性質のものを集めて、グループを整理する分析方法です。
主にセグメンテーションやブランディングなど、標準化された手続きによって分析対象を分類することができます。
そのため、近年では消費者動向を分析した調査やペルソナ分析、ターゲット分析などで利用されることが多くなっています。
おすすめのデータ分析ツール3選
データ分析をより効果的に行うためには、データ分析ツールの活用が不可欠です。
そこで以下では、おすすめのデータ分析ツールを3つに厳選して紹介します。
FineReport
特徴
FineReportは、世界15,000社に信頼される帳票・BIダッシュボードツールです。
帳票の設計や管理運用だけでなく、さまざまな情報の可視化機能、データマイニングなど、データ分析と情報共有を同時に行えるプラットフォームの構築ができます。
強み
- 帳票や顧客情報、権限などの管理機能をひとつに集約できる
- 70種類以上の可視化できるチャートやグラフの提供
- OS・Androidに対応するだけでなく、他社のモバイルアプリにも組み込み可能
価格
- 詳細な料金については要相談
- 無料トライアルあり(90日間すべての機能が利用可能)
公式サイト
https://www.finereport.com/jp/trial/
Tableau
特徴
Tableauは、独自のビジュアル分析技術を用いて、企業向けのビッグデータ解析を行うデータ分析ツールです。
豊富なデータ分析チャートやモデルを掛け合わせ、データドリブン実現を支援してくれるため、高度かつ可視化されたデータを戦略に使いたい企業に最適です。
強み
- 誰もが直感的に使える操作性やユーザーエクスペリエンスを実現
- あらゆるデータを迅速かつ容易に引き出せる
価格
- Tableau Creator 102,000円
- Tableau Explorer 51,000円
- Tableau Viewer 18,000円
公式サイト
QlikView
特徴
QlikViewは世界50,000社以上の顧客に対してデータ関連ソリューションを提供するBIツールです。
完全なるインメモリ処理のため高速性あるデータ処理ができるだけでなく、直感的でわかりやすいユーザーインターフェースが採用されており、誰でも簡単にデータ分析をすることができます。
強み
- メモリーBIでパフォーマンスが高く、クイックレスポンスを実現
- 集計したいデータをユーザーが簡単に作成することが可能
- UIが分かりやすく知りたい情報がすぐ手に入る
価格
- 要相談
公式サイト
https://www.qlik.com/ja-jp/products/qlikview
データ分析の導入した企業の活用事例
最後に、データ分析を経営や現場レベルで活用して成果を出している企業の導入事例についてみていきます。
楽天
楽天では、多様なデータを集約した巨大データベースを自社開発し、各種アルゴリズムを用いてレコメンド機能の活用を約30%拡大することに成功しています。
その他にも、更新頻度の短縮やジャンルの細分化、検索精度の改善を図ることで、付加価値の高いサービス提供を実現しています。
スシロー
スシローでは、すべてのすし皿にICタグを取り付け、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況の管理をいち早く実現しています。
スシローでは、どんな寿司がレーンに流され客の手にいつ届いたのかをはじめ、廃棄率や各テーブルの注文状況など、年間10億件以上のデータを蓄積しています。
また、これまでの現場の勘や経験をノウハウとしてデータ化することで、より精度の高いデータ分析が可能に。
その結果、ただ情報を蓄積するだけでなく、将来の需給を予測し、店舗の混み具合や経過時間に連動させ、流すネタや量のコントロールに活用しています。
ダイドードリンコ
ダイドードリンコでは、データ分析を用いて、自動販売機で販売する飲料の商品サンプルの配置を決定しています。
具体的には、従来行っていた消費者アンケートのデータに加え、消費者が飲料を購入する際、自動販売機のどこを見て商品を認識しているかを知る「アイトラッキングデータ」を採用。
その結果、これまで慣習となっていた方法から、商品サンプルの配列を改めることで、重点位置に配列した商品の売り上げが増加しました。
目的に応じたデータ分析方法を使い分けて効果の最大化を図ろう
データ分析と聞くと、専門知識やノウハウを持ち合わせた人材にしか扱えないイメージを持たれがちです。
しかし、近年では専門性を有する人材ではなくても、簡単にデータ分析が行えるツールが開発されています。
したがって、新たにデータ分析を導入する場合、データ分析の方法にこだわるのではなく、なぜデータ分析が必要なのか、またその情報をどのように活用するのかと言った基礎部分を明確にするようにしましょう。