KPI管理をエクセルで行う方法【無料テンプレート付】
組織が目標を達成するには、KPI管理が欠かせません。KPIを設定し、定期的に効果を測定して見直しや改善をはかることで、目標までの筋道を整えることができます。
KPI管理はエクセルでも可能です。とはいえ、どのように管理すればよいか、ちゃんと管理できるか不安、など悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、エクセルでKPI管理を行う手順や、メリット・デメリットなどについて解説します。効果的にKPI管理を行う方法を模索している方はぜひ参考にしてください。
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KPI管理とは何か
業務に取り組む際、目標に向かってどこまで進んだかを判断するのに有効な指標となるのがKPIです。KPI管理とは、KPIを適切に設定して定期的に測定し、必要に応じて見直しや改善策を実施する管理プロセスを指します。
KPI・KGI・KSFの違い
KPIと関連性の高い用語にKGIとKSFがあります。それぞれの大まかな違いは以下のとおりです。
用語 | 意味 | 内容 |
KPI(Key Performance Indicator) | 重要業績評価指標 | ・最終的な目標を達成するための中間指標・リード獲得数、成約率、顧客満足度など |
KGI(Key Goal Indicator) | 重要目標達成指標 | ・最終的なゴールを定量的に示す指標・売上、利益、顧客数など |
KSF(Key Success Factor) | 重要成功要因 | ・最終目標の達成に必要な成功の要素・優れた商品、効果的なマーケティング、営業力など |
上記の三要素は別々に存在するものではありません。最終目標がKGIであり、それを達成するために必要な要素がKSFです。そして、最終目標に向かってどこまで達成できているかを測るために設定する定量的な指標がKPIです。まとめると「KSF(成功要因)が整うことでKPI(業績指標)が向上し、KGI(最終目標)を達成できる」という関係にあります。
たとえば、ECサイトを運営し、売上向上を目指すとしましょう。すると、KGI・KPI・KSFは以下のように設定できます。
- KGI「年間売上10億円」
- KPI「月間訪問者数50万人」「購入率2%」「リピート率30%」
- KSF「適切なSEO対策を講じる」「魅力的な商品をそろえる」「迅速に配送する」
KGIやKPI、KSFは、経営環境や状況を見据え、適切に設定することが重要です。
KPI管理表を作成する手順
KPI管理を行うのに必要なのが「KPI管理表」です。管理表を作成することで、最終目標であるKGIやその達成のためにすべきことが可視化され、関係者間での情報共有もしやすくなります。
ここでは、管理表を作成するために必要な、KPIの設定プロセスを紹介します。
1.KGI・KSFを設定する
まずは、最終的に達成すべきKGIを明確にし、達成する要因となるKSFを設定しましょう。KGIは、達成できたかを的確に判断できるよう、以下のように数値で表せるものにすることが大切です。
- 年間売上100億円
- 顧客満足度90%以上達成
- マーケットシェア20%を獲得する
KSFは、事業内容や業界の特性などに応じて設定しましょう。たとえば、以下のような内容です。
- 競争力のある商品の開発
- 優れたカスタマーサポート
- コスト削減
現状を分析し、適切なKSFを設定しましょう。
2.KPIを設定する
次にKPIを設定します。ポイントは以下の3点です。
- KGIに直結する指標を選ぶ
- 一般に1つのKGIに対し3~5個程度を設定する
- SMARTの法則を意識する
SMARTの法則とは、明確・測定可能・達成可能・関連性・期限の5つの要素を満たすことが必要とするフレームワークです。KPIは誰が見ても明らかで、定量的で、現実的に達成できる内容にすることで大きな効果が期待できます。組織のビジョンと一致し、期限を切ることも大切です。
以下にKPIの例を挙げましょう。
- KGI:年間売上〇〇億円
→KPI:「月間新規リード獲得数〇〇件」「成約率〇%達成」「平均客単価〇万円」
現場の状況に即し、適切なKPIを設定してください。
3.KPI実現に必要なタスクを洗い出し整理する
KPIが設定できたら、実現するために必要なタスクを洗い出し、整理して取り組む優先順位を決めましょう。まずは、KPIごとに必要な施策を考えます。次に、それぞれの施策をタスクレベルまで細分化しましょう。たとえば、以下のようになります。
- KPI:成約率〇%達成
→タスク:「営業研修の実施」「営業トークスクリプトの修正」「CRMの活用」など
タスクレベルに落とし込んだら、緊急度や重要度に応じて優先順位を決め、担当者や期限などを決定します。
すべて決まったら、エクセルの表に項目を入力していき、定期的に更新とチェックを行います。KPIの内容に合わせ、適した形式の表を選んでください。
KPIの無料エクセルテンプレート5選
KPI管理表は、エクセルで一から作ることも可能ですが、インターネット上で配布されているテンプレートを使うとより簡単です。テンプレートをたたき台にして、使いやすいようにアレンジしましょう。
ここでは、無料で使えるテンプレートを5つ紹介します。
BtoBマーケティング KPI管理テンプレート

(引用:SAIRU「BtoBマーケティングのKPI管理テンプレート【無料で使えるExcel・スプレッドシート付き】 」引用日 2025/3/19)
才流が提供する、BtoBマーケティングにおけるKPI管理テンプレートです。Excel・Googleスプレッドシートの両方で使えます。
テンプレートには以下の8つのシートがあります。
- 予算・パイプライン管理
- アクセス解析
- Web広告
- メルマガ
- セミナー
- 展示会
- その他施策
- マーケティング施策の活動記録
KPIの内容に適したシートを選んで活用しましょう。
プロジェクト管理 KPI ダッシュボード テンプレート

(引用:smartsheet「無料の KPI ダッシュボード テンプレート」引用日 2025/3/19)
Smartsheetが提供する、KPIダッシュボードテンプレートです。Excel形式で提供されています。
上記の図はプロジェクト全体のKPIの進捗状況を管理するのに役立つテンプレートです。全タスクの進捗状況やステータスの割合、優先度などを棒グラフと円グラフで視覚的に確認できます。
このほかにも豊富なテンプレートが集められているので、目的にあわせて活用しましょう。
KPI進捗管理テンプレート

(引用:ビジアカ「KPIの進捗管理をエクセルでやってみよう」引用日 2025/3/19)
ビジアカでダウンロードできるKPI進捗管理テンプレートです。Excel形式で提供されています。
シンプルな構成で非常にわかりやすい点が特徴です。表の各項目を、自社で設定したKPIに変更すればすぐに使えるでしょう。ワークシートの1枚目は、使い方説明と用語の定義です。メンバー間で認識のずれが起こらないよう、用語の定義を書いておくとよいでしょう。
KPIツリー

(引用:Kaizen penguin「KPIツリーの基本|作成手順とポイントを解説」 引用日 2025/3/19)
Kaizen penguinでダウンロードできる、KPIツリーを作成するテンプレートです。KPIツリーは、KGIにあわせて効果的なKPIを設定する際に役立ちます。
上記のようなKPIツリーは、Excelに元から搭載されているSmartArtを使っても簡単に作成できます。メニューバーの「挿入」から「図」を選び、階層構造をクリックすると、複数のパターンが表示されるので、用途にあわせて選択し、そこから作成してもよいでしょう。
売上目標管理表

(引用:Microsoft「売上目標管理表(下半期)」 引用日 2025/3/19)
Microsoftが提供する売上目標管理表のテンプレートです。Excel形式に対応しています。
目標に対する日々の達成率を記入し、進捗管理を行います。複数のシートがまとめられており、「記入表」のシートに入力すると、「目標管理」のシートで棒グラフ表示され、達成度合いが一目で把握できます。ブックの1枚目に使い方が記載されているので、目を通しておきましょう。
エクセルでKPI管理をするメリット
エクセルでKPI管理をすると、さまざまなメリットがあります。たとえば、エクセルは業務で使い慣れている人が多いため、操作の説明や研修が必要ないこともメリットの一つに挙げられます。
ここでは、おもなメリットを3つ紹介します。
新たなコストが発生しない
KPI管理のために専用ツールを導入すると、初期費用や維持費が発生し、長期的にコスト負担が大きくなる可能性があります。しかしMicrosoft officeは多くの企業ですでに導入されているため、エクセルを活用すれば、新たなツールを導入する必要がなく、余計な費用の発生を抑えられます。また、KPI管理のためだけに維持費がかかることもありません。
とくに小規模企業やスタートアップ企業にとっては、コストをかけずにKPI管理ができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
柔軟なカスタマイズができる
エクセルを使ってKPI管理すると、業務の内容やプロジェクトに合わせて柔軟なカスタマイズが可能です。たとえば、以下のようなアレンジができます。
- 関数を入れて計算を自動化する
- グラフでKPIの推移や達成率を視覚化する
- 条件式書式を設定して達成度を色分けし、改善すべきKPIを把握しやすくする
カスタマイズすることで自社に最適なKPI管理表が作成でき、必要に応じて修正や追加もできます。
インターネット上では多くのテンプレートが無料で提供されているため、自社に合うものをダウンロードし、カスタマイズするとよいでしょう。
教育や研修が不要で運用しやすい
KPI管理のために専用ツールを導入すると、現場で働く従業員に対して使い方を説明する時間を設けたり、マニュアルを作成したりする必要があります。一方、エクセルはすでに業務で利用しているケースが少なくありません。その場合、KPI管理を行う際に一から従業員に教育や研修を行う必要がありません。
導入しやすく、現場でのスムーズな運用が期待できる点も、エクセルを活用するメリットです。
エクセルでKPI管理をするデメリット
エクセルでの管理にはさまざまなメリットがある一方、デメリットもいくつか存在します。KPI管理をエクセルで行おうと思っている方は、メリットだけでなくデメリットも知っておくことが必要です。
ここでは、おもなデメリットについて解説します。
データ量が増えると扱いにくくなる
エクセルは自由度が高く柔軟な作表ができる一方で、データが増えると管理しづらく扱いづらくなるという問題があります。たとえば、以下のような問題です。
- データ量が多くなったり多数の複雑な関数を設定していたりすると、動作が遅くなることがある
- 複数のワークシートやブックに分けて運用すると、入力タイミングが異なりデータの整合性が崩れることがある
- 手入力が多いと人為的エラーが発生しやすくなる
効率的なKPI管理をするつもりで、処理に時間がかかって効率が落ちることになりかねない点はデメリットと言えます。
リアルタイムでの複数人の共有が難しい
エクセルは単独でのファイル管理が基本で、リアルタイムでの複数人の情報共有が難しい面があります。たとえば、共有サーバーにファイルを置いていると、以下のような問題が起こります。
- 誰かが編集しているときは、別のメンバーは入力や編集作業ができない
- どのデータが最新版かわからりづらい
同時にアクセスできず、誰かが編集しているときは終わるまで待たなければならないため、作業効率が落ちる原因になります。
共有ブック機能を活用すれば同時編集は可能です。ただし、共有ブック機能では、グラフや表の作成、マクロの設定などいくつか制限される機能があります。
機能が限定される
エクセルでKPI管理をすると、基本的には手作業でデータを更新することになります。マクロを設定するなどして自動化することは可能なものの、あまり複雑な作業には向きません。
データを集計し、グラフなどによって可視化する場合も手作業で行う必要があり、分析に手間がかかります。ほかのシステムと連携し、データを自動で取り込むことも難しい傾向にあります。
迅速に高度な分析をしたい場合は、専用ツールを活用するほうが効率的です。
属人化しやすい
属人化しやすい点も、エクセルでKPI管理表を作成する際のデメリットの一つです。一般的に、エクセルを使った管理表では、作業効率を高めるために関数やマクロを活用することが多く、作成者ごとの工夫が加わりやすい傾向にあります。
とくに、エクセルの機能に詳しい従業員が担当した場合、複雑な数式やマクロが組み込まれることがあるでしょう。担当者が同じ間は問題なくても、異動や退職などで引き継ぎが発生した際、後任者が仕組みを理解できずスムーズに運用できなくなるリスクがあります。
KPI管理が重要な理由
業務の成果を上げるにあたっては、適切なKPI管理が欠かせません。しかし、KPIの重要性や必要性を理解しないまま管理をしても、高い成果を得ることは難しいでしょう。
そこで、ここではKPI管理が重要な理由について解説します。しっかり理解した上で、KPI管理に取り組みましょう。
目標達成までの進捗を可視化できる
適切にKPIを設定することで、目標達成までの進捗が可視化できます。たとえば、KGIを「年間売上12億円」に設定したとしましょう。「月間売上1億円」「成約数月20件」「商談数40件」といったKPIを設定し、定期的に進捗を測定することで、達成にどれだけ近づいているかを確認できます。
また、KPIを管理すれば、仮に遅れが生じたときもすぐに気づくことができ、適切な対応が可能です。
反対に、KPIを設定しなければ、目標にどれだけ近づいているのかわかりません。道しるべもなくゴールに向かっているようなもので、現状の立ち位置も達成までのギャップも正確にはかることはできないでしょう。
課題を早期に発見でき迅速に対策できる
問題が発生した際に早期に発見でき、迅速に対応できることも、KPI管理が重要な理由の一つです。
たとえば、自社が運営するECサイトの売上が落ち込んだとしましょう。その場合、設定していた「訪問者数」「カート投入率」といったKPIを分析することで、どこに問題があるかがわかり、解決のための施策を講じることができます。
たとえば、以下のように対応できるでしょう。
- 訪問者数が少ない → 集客施策を見直す
- カート投入率が低い → 商品ページを改善する・価格を見直す
KPIを設定せずに勘や経験に頼った運営をしていると、問題に気づくのが遅れて大きな損失につながる可能性があります。
何をすべきかが明らかになり自発的に行動できる
適切なKPI管理が重要な理由として、目標達成までのプロセスが明確になり、従業員が自身の取るべき行動を具体的に把握できる点も挙げられます。
KPIが明確であれば、従業員各自が何をすべきかを理解しやすくなり、業務の方向性がぶれにくくなります。業務に対するモチベーションも維持しやすくなるでしょう。高いモチベーションを維持できれば、業務効率が向上し、より良い成果を生み出しやすくなります。
また、KPIの進捗を定期的に確認することで、問題点をいち早く把握し、適切な改善策を講じることも可能です。これにより、業務改善スピードが速まり、組織全体の生産性向上にもつながります。
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顧客に関する情報が一元管理でき、KPIを含めたさまざまな情報の管理や分析がスムーズにできます。また、情報共有も簡単です。
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まとめ
効率的な営業活動を行い、目標を達成するためには、適切なKPI管理が欠かせません。エクセルでKPI管理を行っている組織も少なくないものの、複雑で高度な分析をするには限界があります。
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