リードジェネレーションとリードナーチャリングの違いとは?意味やメリットを解説
マーケティング担当者であれば一度は耳にしたことがある「リードジェネレーション」と「リードナーチャリング」というワード。
それぞれのワードにどんな意味や役割があるのか、どう営業活動やマーケティング戦略に繋げていくことが重要なのかを正確に理解しなければ、各定義における効果を最大化することは難しいでしょう。
本記事では、リードジェネレーションとリードナーチャリングの違いを紹介するにあたり、それぞれの意味やメリット、導入を成功させるポイントや成功事例について解説していきます。
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リードジェネレーションとリードナーチャリングの目的と役割
まずはじめに、リードジェネレーション及びリードナーチャリングの目的や役割について解説します。
マーケティング用語である「リード」の意味や、それぞれの定義の違いについても解説しますので、あわせて覚えておきましょう。
リードジェネレーションとは
リードジェネレーションとは、自社の製品やサービスの顧客になる可能性を秘めている「見込み客」を獲得するための活動を指します。
この場合、不特定多数の顧客を指すのではなく、あくまでも自社の製品及びサービスに興味関心を持つ個人・企業の情報が対象になります。
例えばセミナーや展示会に参加して、興味を示してくれる人を増やす方法もリードジェネレーションの一例と言えます。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、リードジェネレーションの工程で抽出した見込み客(リード)の中から、より有望な(=確度の高い)顧客を育成し、購買意欲を高めていく手法を指します。
近年では、従来の対面販売やセールスの勧誘といった手法ではなく、顧客開拓におけるマーケティング業務を可視化および自動化するツール「マーケティングオートメーション(MA)」の活用や、インサイドセールス部門を立ち上げることによって、中長期的な信頼関係の醸成を目的とした新たな営業スタイルが構築されています。
マーケティングオートメーションのより具体的な解説を知りたい人は、以下の内容を参考にしてみてください。
そもそもマーケティング用語「リード」とは?
マーケティング用語における「リード」とは見込み客を指しますが、現状では扱う企業、部署によってその定義は異なります。
とくにBtoBにおけるマーケティングでは、広義に使われることが一般的です。
またリードを作るための方法としては「アウトバウンド型」と「インバウンド型」の2種類があります。
アウトバウンド型とは、展示会やセミナーなど、外部に向けた施策を企画し、来場者に対してアプローチやアピールすることを指します。
対するインバウンド型とは、オウンドメディアやメルマガなどの自社所有のコンテンツの充実を図り、リードに対して有益な情報を継続的に発信することで、リードから問い合わせを行うよう誘導する施策・仕組みを指します。
SNSやITツールの普及によって、受動的な施策よりインバウンド型のような能動的な仕組みの方がマーケティング効果が高いとされ、多くの企業でインバウンド型のリード創出の方法が導入されています。
リードジェネレーション及びリードナーチャリングに結びつけていくためには、新規顧客と接点を持つ段階から、より優れた営業リストを作成する必要があります。
以下では、充実した営業リストの作成に役立つ内容が記載されているため、参考にしてみてください。
リードジェネレーションとリードナーチャリングの違いは「お客様と接点を持つタイミング」
リードジェネレーション及びリードナーチャリングの概要や役割について解説しましたが、両者の違いは「お客様と接点を持つタイミング」といえます。
主な流れとしては、リードジェネレーションから得たリードを継続的に育成することで、リードナーチャリングへと確度が高まり、成約などに結びつく流れにまります。
そのため、最終目的は顧客化や案件の獲得で一致しているものの、お客様と接点を持つ過程が異なるため、ビジネスシーンでそれぞれを活用する際は、しっかり使い分けるようにしましょう。
リードジェネレーションとリードナーチャリングを取り入れるメリット
ここでは、リードジェネレーション及びリードナーチャリングを取り入れるメリットについて解説します。
優良な顧客の獲得
それぞれのステージで、リードに対し適切なアプローチを行うことができれば、結果的に優良な顧客を獲得することに繋がります。
リードに対し、適切なタイミングでアプローチやプロモーションを行うことができれば、お客様は企業に対して良いイメージを持つようになります。
優良なリードナーチャリングを継続的に行うことで、自社に対するエンゲージメントやブランディングを構築することができるため、必然的に企業の良いイメージが定着した優良な顧客を獲得することができます。
このタイミングでエンゲージメントが構築できていれば、継続的な売上に繋がるだけでなく、アップセルやリードセルなどの顧客単価の向上に繋がるアプローチに結びつけることも可能です。
効率的な営業活動・マーケティング施策をすることができる
リードジェネレーション及びリードナーチャリングを取り入れることで、効率的な活動を実現できます。
従来の営業及びマーケティング手法では、感覚や勘に頼った属人的な部分や、不確実な要素が多く、リードの大切な情報を企業の資産として蓄積することが困難でした。
しかし、SFAやCRM、MAといったツールを活用することで、現在の活動がどのくらいの成果や貢献度があるかを可視化できるようになったため、従来より効率的な施策をうつことが可能になりました。
そのため、リードジェネレーションやリードナーチャリングによって創出された顧客に対して、カスタマイズされた施策を顧客に対して打つことできる点はメリットとして挙げることができます。
長期的なプロセスを仕組み化できる
ツールを活用することで、顧客との関係性を長期的な枠組みとして捉えられるため、そのプロセスを仕組み化することができます。
リードジェネレーションやリードナーチャリングに対する理解度や、システム自体の精度が高まれば、長期的な仕組みの中で、購買サイクルを短期化することも可能です。
より効率的かつ効果的に営業・マーケティング業務を行うのであればマーケティングオートメーション(MA)ツールがおすすめです。
リードナーチャリングを成功に導く4つのポイント
続いて解説するのは、リードナーチャリングを成功に導くポイントについてです。
以下では、成功に不可欠な要素を4点に集約して解説します。
①ターゲットの明確化
リードナーチャリングを新たな施策として導入するためには、まず導入する目的やターゲットを明確にしておくことが重要です。
獲得すべき見込み客が明確でないと、リードに対して行うアプローチ手法も効果的にならず、求める成果が得られずに制度の形骸化を招いてしまいます。
正しい制度設計にするためには、ターゲットおよび目的を明確にしてから、具体的な施策方法を検討するようにしましょう。
②カスタマージャーニーで顧客ニーズを可視化する
自社の製品やサービスに関心を持ったお客様(リード)にどのような体験や、どのような感情の変化が起きたかなど、一連のステップを整理しプロセス化する「カスタマージャーニー」を行い、顧客ニーズをできるだけ可視化するよう努めましょう。
カスタマージャーニーやペルソナなどの明確な顧客像を設定することで、各プロセスにおいて、どのようなアプローチやコンテンツを提供すればよいか分析することができます。
リード管理の手法について、より具体的な方法を知りたい人はこちらを参考に
③最適なアプローチ手法を使って顧客にアピールする
カスタマージャーニーやプロセスから顧客のニーズや行動パターンが可視化できたら、最適なアプローチ手法を検討し、その手法をつかって最大限顧客にアピールしましょう。
主な手法としては以下の方法が挙げられます。
メール
定期的に全体配信ができるものと、リードの検討段階や行動パターンに応じたメールを複数タイプ配信できるタイプの2種類があります。
セミナー
リードが具体的な知識や求めていたりする場合、セミナーは有効な手法です。
各種広告媒体
リードナーチャリングで活用される広告は、主にリターゲティング広告です。
リターゲティング広告とは、行動ターゲティング広告の1つで、検索サイトやバナーなどから訪れた訪問者の行動を追跡し、再度広告を表示させるものです。
訪問者の行動パターンに応じて対象を絞り込んで広告を促せるため、クリック率やコンバージョン率を高めることができます。
④施策に対する効果測定を行う
ただ施策を行うだけでなく、効果測定を必ず行いましょう。
仮にリードの確度や進捗度合いが当初の想定と異なる場合は、カスタマージャーニーの見直しやプロセス工程を確認するようにしましょう。
リードナーチャリングを活用した成功事例
最後にリードナーチャリングの活用に成功した企業事例をみていきましょう。
①日本電気(NEC)株式会社
日本電気株式会社(以下、NEC)ではリードナーチャリングを活用することで、自社製品の認知度および売上に繋がるリードが増大する成果を得ています。
主な内容としては、自社システムの会員情報から抽出した見込み客にアクションを起こすことで、サイト上での行動を計測・分析し、顧客可視化を実現。
その結果、NECが提供する製品やサービスの良さやメリットが認知してもらうとともに、購入までいたる見込み客を以前より効率的に見つけることに成功しました。
②Oktopost社
Oktpost社は、ソーシャルメディアを使ってBtoBのマーケティングに繋げるプラットフォームを提供しています。
Oktpost社ではさまざまなリードナーチャリング施策を実施しています。
メルマガでは、無料版のサービスについて使用状況ごとにセグメントを分類し、セグメントに応じたメッセージを送付。
その他、リターゲティング広告やチャット、メール、SNSなど、様々ツールを駆使することで、見込み客を顧客に転換することに成功しています。
リードジェネレーションとリードナーチャリングを活用して、顧客に最適なアプローチをしよう!
リードジェネレーションとリードナーチャリングは、活用する場面や工程に違いはあるものの、密接に関連しています。
そのため、導入する目的やポイント、メリットを正しく理解した上で、適切な制度設計することが重要です。
リード獲得に向けて、どちらかの準備を怠ると目指す結果にはならないため、今回記載したポイントや他社の成功事例を参考に、リードジェネレーションとリードナーチャリングの導入を検討するようにしましょう。