【働き方改革】営業部門の残業削減方法を知ろう〜無駄をなくし、業務を効率化
働き方改革関連法の1つである時間外労働の上限規制が、2020年4月から中小企業も対象になりました。
部下に残業させるな!と上から言われるものの、残業削減はどうしたら実現できるのかと、お悩みの営業管理職の方は多いのではないでしょうか。
労働力人口の減少から求人市場は売り手市場化し、求職者の中には働き方に注目している人が増えています。
残業の多い労働環境が採用強化や人材確保に悪影響を及ぼすと考えられることから、業務効率を上げて残業削減し、「ワーク・ライフ・バランスの実現」や「ワークスタイル変革」に向けた取り組みを行うことは、生き残りにかける企業に課せられたミッションなのです。
しかし、営業部門にとって残業を減らすことは簡単なことではありません。
今回は、残業削減の有効な方法をご紹介しましょう。
営業部門に残業削減は無理なのか
残業が慢性化する働き方とは
残業がなかなか減らない営業部門。
その理由を考えるため、標準的な業務内訳を見てみましょう。
営業職の主な業務は、自社商品・サービスの商談など、社外での営業活動。
社内での業務には資料作成、上司への報告、会議への参加、経費精算処理などが挙げられます。
また営業職は日中外出していることが多いため、営業部門の社内会議は定時外に組まれている場合も少なくありません。
図はある営業マンの1日です。
日中は営業活動が2つあり、帰社は17時。
定時は9時~18時ですが、定時外に社内の関係各部署と打ち合わせがあるため、退社は20時。
就業時間内に仕事を終わらせようという動きが感じられず、残業が慢性化した状態が明らかです。
残業削減できない理由とは?
残業削減を行うために重要なのは、無駄な作業をなくすこと。
不要な作業を削減するだけでなく、2度3度繰り返す同じような行動を一度で済ませることも大きな効果があります。
同じような営業活動報告を何度も行っているということが、実際の現場では多いのです。
本来は一度報告すればよいものを、伝える相手・フォーマット・ツールが異なることで、その都度同じような内容の報告を繰り返さなければならないことが、残業削減ができない理由の1つと考えられます。
作業効率を上げ残業削減をするポイント
バラバラの情報を1つに整理するための3つのポイント
残業削減のため、作業効率を上げる方法について考えていきたいと思います。
まず実践したいのは、次の3つです。
- 同じ内容を何度も入力していた作業を1つに集約
- どのデバイスでも活動報告が入力できるシステム環境の構築
- 場所を選ばず、スキマ時間を使って簡単に報告できる仕組みの実装
このポイントを表したのが下図です。
この図では、営業マンが一度活動報告を入力するだけで、すべての情報が異なるフォーマットでも閲覧できる仕組みを表しています。
つまりバラバラだった情報が、1つに整理されたのです。
こうした仕組みを持つことで、次に挙げる報告や書類作成にかかる時間を削減でき、業務の効率化につなげることができます。
- 報告、質問、相談など
- スケジュール(予定)
- 業務比率分析(日報)
- 案件管理 ・案件情報
- 受注予実管理
- マネジメント用データ
入力は出先や移動中のスキマ時間を活用し、スマートフォンやタブレット端末を使っても行えます。
こうした効率化の積み重ねが、働き方改革での重要課題の1つである、残業削減を実現させるのです。
情報がまとまるとPDCAが回り始める!
冒頭の図では、異なるフォーマットに入力する無駄や、情報の一元管理ができていないことによる無駄を表していました。
情報が1つにまとまると何が起きるのでしょうか?
下記は、情報の入力が1度で完結し、いつでも・誰でも・どこからでも、最新情報が閲覧できるようになった営業部門のイメージ図です。
この図を見ると、情報の集約により報告作業の時間短縮だけでなく、PDCAがうまく回り始めるということが分かります。
つまり、訪問数増加→マネジメント強化→提案機会創出→マネジメント強化と良い循環ができたのです。
こうした改善につながるサイクルを持つことで、業務効率化が進み、働き方改革を推進できるでしょう。
残業を減らす具体的な方法には何があるか
残業削減には、ITツールの導入が有効です。
ツールの活用により営業活動の全情報を管理し、必要なデータを即座に照会することができるので、仕事の質も高まります。
現在はAI搭載のツールも多くリリースされています。
人の手による作業では時間がかかり、人為的ミスも否めなかったルーチン作業をAIが担えば、人はより重要な作業に注力できるので、残業削減が実現するのです。
具体的にどんなツールがあるのか、確認していきましょう。
オンライン商談ツールが移動時間を削減
営業担当の勤務時間の中で、大きなウエイトを占めているのが移動時間。
どんなに効率的に動いても、1日の最大訪問数は4件程度でしょう。
そこで検討したいのが、オンライン商談システムの導入です。
Web会議システムとも呼ばれます。
オンライン商談システムを使えば、顧客先の訪問は不要。
社内の自席にいながら、顧客との打ち合わせができます。
移動時間が削減できれば、業務時間外に行わざるを得なかった社内会議や事務作業も、定時内に片付けられるはずです。
海外や地方在住の顧客でも、オンラインで商談することができれば、移動時間削減だけでなく、コスト削減にも大きく貢献します。
オンライン商談ツールの詳しいご案内は、こちらもご覧下さい。
タスク管理ツールで、タスクの優先順位付け
タスク(Task)とは元来、小さい単位の作業や仕事という意味。
複数の作業の同時進行がマルチタスク、単一タスクに取り組むことをシングルタスク、決まった曜日や時間にやる作業のことをルーチンタスクと呼び、このタスクが複合されたものがプロジェクトです。
タスクを把握せずにプロジェクトを進めてしまうと、期日までに完了しないといった不具合が起こってしまうことも。
効率的かつ正確に仕事を行うためには、こなすべきタスクをリストアップし、それぞれの進捗管理を行う「タスク管理」が必要です。
特に重要なのは、タスクの優先順位付けです。
効率的な受注獲得のため、営業担当にとってもタスク管理は極めて重要です。
しかし営業担当にはルーチンタスクも多く、突発的なタスクが飛び込んでくることも珍しくありません。
タスクをしっかり洗い出したはずなのに定時内に仕事が終わらないのは、タスクの優先順位付けが適正でないことが要因であることが多いものです。
付箋やメモ帳をタスク管理に使う方が多いですが、優先順位付けを正しく行うためには、タスク管理ツールの導入をお勧めします。
タスク管理ツールについて、こちらもご参照ください。
SFAで営業進捗の見える化
ビジネスツールとして多くのITシステムが存在する現在では、複数のシステムが並行運用されていることが多くあります。
優れたツールを増やすことで、従業員の工数削減につながるとの経営側の思いとは裏腹に、ツールが増えたことで逆に作業が増え、営業現場にとっては迷惑という場合もあります。
またシステムのみならず、パワーポイントやエクセル、手書きの議事録などに情報が分散していると、情報をまとめるのもひと苦労。
それでは適切なPDCAサイクルを回すことなどできるはずもありません。
リアルタイムでの営業案件の進捗管理、他部署との連携、そして円滑なPDCAサイクルのためには、データを一元管理する仕組みが求められます。
これに応えるのが、SFA(Sales Force Automation=営業支援ツール)の導入です。
チームの情報共有がスムーズに行え、管理職もSFAを確認するだけで各人の進捗を把握できるため、都度報告する必要がなくなります。
SFAツール選定の際には、こちらも参考にしてください。
また、SFAを用いた業務改善の施策の一つとして、「業務の外注化=アウトソーシング」があります。コロナ禍においては特にテレワークとの相性も良く、近年になって多くの企業が導入しています。以下の資料にアウトソーシングの概要から、CRM/SFAを用いたアフターフォローまで詳細を記載いたしました。業務の生産性向上の一案としてぜひご検討ください。
アウトバウンド支援ツールが事務作業を自動化
日々の営業活動は、顧客の訪問だけではありません。
さまざまな事務作業も、営業活動について回るものです。
もちろん大切な仕事ではありますが、誰でもできる単純作業に時間を取られ、重要な業務のために残業することが当然となっては、働き方改革には反するでしょう。
残業削減のため、単純な事務作業をアウトバウンド支援ツールで自動化してみませんか。
テレアポ支援ツールや、ターゲット企業の問い合わせフォームに自動入力をするツールなど、簡単な作業を自動化する多様なツールが数多くありますので、自社の営業方針によって選定することをお勧めします。
アウトバウンド支援ツールについて、こちらも参考にして下さい。
残業削減に成功した事例:ベネフィット・ワン
ここで、働き方改革の推進を目指し、残業削減を実現したベネフィット・ワン社の事例を紹介したいと思います。
ベネフィット・ワン社では作業環境を整備することで、営業活動を可視化し、業務効率化に成功しました。
残業削減に成功したことに加え、商談も増加するという結果まで得ています。
成功に導いた方法の中でも、特筆すべきが社内SNS機能。
報告や相談がSNSで行えることになったことで、特にSNSに慣れ親しんでいる若手営業マンのコミュニケーションが活発化しました。
その結果、業務効率化の促進とともに、若手営業マンの営業成績向上にも大きく貢献することになったのです。
残業削減への取り組みが働き方改革を推進する
1億総活躍社会を実現するための改革である働き方改革は、全ての企業にとって重要な経営課題であることは間違いありません。
働く人々の事情に合わせ、多様な働き方を選択する社会を実現するためにも、まずは残業削減に取り組みましょう。
自社の営業プロセスにあったツールの活用で無駄な作業をなくし、効率を上げることが残業削減の有効な方法であり、働き方改革を推進することをお忘れなく。
株式会社ベネフィット・ワン
【参考動画】ベネフィット・ワン社事例の詳細は下記を参照(Youtubeが開きます)