【成長分野】SaaSビジネスがもたらすメリット5選!特徴や成功ポイントを解説
ビジネスや個人に広く利用されるようになったSaaSサービスは現在、成長分野としてさまざまな業界から注目を浴びています。
SaaSビジネスに参入する企業も増加中ですが、自社のSaaSサービスを成功させるためにどのように展開していけばいいのか迷う企業も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SaaSビジネスにおけるメリット・デメリットや成功ポイントなどをまとめました。
成功のための重要指標や成功事例なども解説しています。今後、SaaSビジネス参入を考えている、またはSaaSビジネスの展開に悩んでいる企業は、ぜひ参考にしてください。
このページのコンテンツ
SaaSビジネスの特徴
SaaSビジネスとは、サブスクリプション(サブスク)型のビジネスモデルとして、定額課金を行いクラウド上で利用できるサービスを提供するビジネスのことです。
SaaSは、Software as a Serviceの略で、一般的に「サース」や「サーズ」と呼ばれています。インターネット環境があれば誰でも利用できるため、多くの企業や個人に利用されています。
SaaSビジネスの特徴は、以下の3つに分けられます。
- 最適なプライシング
- 長期顧客維持
- データ活用
これらの特徴を元に成り立っているSaaSビジネスは、さまざまな業界から注目を浴びています。
SaaSについて詳しく知りたい方は、こちらの記事「SaaSとは?PaaS・IaaSとの違いや代表例をわかりやすく解説」を参考にしてみてください。SaaSだけでなくPaasやlaaSなどのクラウドサービスの特徴が学べます。
SaaSビジネスがもたらすメリット
SaaSビジネスがもたらすメリット5つを見ていきましょう。
1.安定した収益を得られる
SaaSビジネスはサブスクリプション型のサービスのため、ユーザーが解約しない限り安定した収入を得られます。これまでの買い切り型ソフトウェアと大きく違う点と言えるでしょう。
ユーザーは、初期プランを契約後に社内でのサービス利用者数が増えたり、新機能を追加したりする状況になれば、グレードの高いプランへの変更を考えます。
既存顧客の離脱を防ぎながら新規顧客を増やせれば、収益がより大きく安定していくのが特徴です。
2.リリース後も改善ができる
SaaSサービスは、リリースした後でもアップデートを行うことによって新しいサービスやコンテンツを増やすことができます。
サービスの解約率を下げるため、定期的に最新版のソフトウェアを契約ユーザーに向けて提供していくのが重要です。
顧客データをもとに改善を続けていくことで、サービスの質があがり、継続的に利用してもらえるようになるでしょう。
3.個人から大企業まで顧客獲得ができる
一回の定額価格が、買い切りソフトウェアと比較しても低価格のため、個人でも利用しやすいのがSaaSビジネスの大きなメリットです。
従業員を多く雇用している企業では、定額価格を支払うことで多くの従業員が利用できる環境が作れます。
企業規模の拡大にともない、サービスの高単価プランへの切り替えもあるでしょう。今後、SaaSビジネスへ参入する企業も、顧客ニーズを的確にとらえた新サービスを提供できれば、大きな利益を得られる可能性があります。
4.インターネット経由でどこからでも提供できる
SaaSビジネスのサービスは、クラウド上にあるため、インターネットが利用できる環境であれば、いつでもどこからでも利用が可能です。
場所にとらわれず、自宅や外出先など、顧客の環境に合わせられるメリットを持っています。サービスによっては、パソコンに限らず携帯やタブレットにも対応できます。
また、アカウント管理によって、インターネットの安定した環境があればデバイスを選ばずアクセス可能なサービスを提供できることも大きなメリットでしょう。
5.ユーザーはソフトウェア管理不要で利用できる
買い切りのパッケージソフトのように、PCに1台ずつインストールする必要がありません。クラウド上で活用できるため、導入や運用への障壁が低くなるメリットを持っています。
インストールの際に、むずかしい操作を必要としないため、プログラムやシステムに詳しくない方でも簡単に利用できます。
サービスを提供する企業側のアイデアとして視覚的にわかりやすくできれば、新規成約率アップにつながっていく可能性もあるでしょう。
SaaSビジネスのデメリット
次に、SaaSビジネスのデメリットを見ていきます。
1.集客に時間がかかる
サービスを提供開始したばかりの時期は、認知されるまでの時期を含めて顧客獲得までに時間がかかります。
そのため、どうしても一定期間は、開発費用の回収に時間がかかると認識しておくべきでしょう。また、一度の契約で得られる金額は大きくありません。
しかし、月額費用が低価格とはいえ、提供しているサービスに顧客が満足してもらえれば、安定した収益が毎月入ってきます。
目先の売上や利益にとらわれず、顧客満足度に目を向けてビジネスに取り組むといいでしょう。
2.定期的なアップデートが必要になる
自社のSaaSサービスを解約されないためには、定期的なアップデートが必須です。
SaaSサービスにおいては、ユーザーに継続利用してもらうことがもっとも重要だからです。サービスのメンテナンスやコンテンツの新機能開発を行い、安心して利用してもらうためにサービス環境を整えなくてはなりません。
しかし、顧客の意見やフィードバックを参考に最新版のアップデートを行っていけば、顧客にとって快適なサービス環境を提供できるでしょう。
3.カスタマーサポートに負担がかかる
競合サービスと差別化を図りながら、顧客満足度を下げないよう丁寧なサポートが求められます。その分、カスタマーサポートへの負担が大きくなるでしょう。
長期的にサポートを行うのがサブスクリプションモデルの特徴であるため、緊急時や導入後のサポートが欠かせません。
新規顧客獲得と並行して既存顧客の満足度をあげていかなければ、同様のサービスを提供している他社へ乗り換えられてしまいかねません。
常に一定レベルのカスタマーサポートを提供できるよう、研修やサポートマニュアルの作成を行っていきましょう。
SaaSビジネスにおける重要な5つの指標
指標 | 内容 |
ARR | 年間の経常収益 毎年決まって得られる1年分の収益 |
MRR | 月間の経常収益 毎月決まって得られる1ヵ月分の収益 |
LTV(Life Time Value) | 顧客生涯価値 LTV=平均顧客単価(月)x収益率x購買頻度x継続期間 |
CAC | 1顧客の獲得にかかる費用 CAC=顧客獲得にかかった費用÷獲得した顧客数 |
Churn Rate(チャーンレート) | 解約率 チャーンレート=1ヵ月の解約数÷前月の顧客数x100 |
SaaSビジネスを開始しようとする前に、企業の目標達成の指標(KPI)を確認しておきましょう。
1.ARR:年間の経常収益
ARRとは、Annual Recurring Revenueの略で、商品やサービスによって毎年決まって得られる収益のことです。スポット的な収益は含まず、定期的に決まって入る収益を指しています。
ARRを見える化することで、どの程度の収入が見込めるか予測が立てられます。
計算方法:ARR=月間の経常収益x12ヵ月 |
予測からサービス販売の成長や認知度の確認ができるため、長期的な計画や企画の指標に用いられます。
2.MRR:月間の経常収益
ARRが年間の経常収益を指すのに対して、MRRは月間の決まって得られる収益を指します。
MRRは、Monthly Recurring Revenueの略で、ARRと同様にスポット的な収益は含みません。
SaaSのようなサブスクリプション型ビジネスは、月間の安定した売上が重要となるため、月の契約件数の基本情報を得る指標と言えるでしょう。
計算方法:MRR=1ユーザーあたりの月額平均収益x当月の総ユーザー数 |
3.LTV:顧客生涯価値
LTVとは、Life Time Valueの略で、1社もしくは1人から得られる平均収益のことです。
SaaSビジネスは、継続で収益を生むことが重要なため、長期的にサービスを利用してもらう必要があります。LTVの数値が高ければ、購入やリピート率が高い傾向にあると判断できます。
状況次第では、LTV向上のために先行投資が必要なときもあるでしょう。
LTVの計算方法:LTV=平均顧客単価(月)x収益率x購買頻度x継続期間 |
LTVについては、こちらの記事「LTV(ライフタイムバリュー)とは?言葉の意味や計算方法を紹介」も参考にしてみてください。LTVのメリットや最大化のポイントを理解し、顧客満足度向上につなげましょう。
4.CAC:1顧客の獲得にかかる費用
CACとは、Customer Acquisition Costの略で、1社または1人を獲得するまでにかかる費用を指します。
CACとLTVは密に関係していているため、CACをできる限り削減し、LTVをあげることで黒字化できる仕組みです。
CACの計算方法:CAC=顧客獲得にかかった費用÷獲得した顧客数 |
5.Churn Rate:解約率
最後のChurn Rateとは、解約率のことです。「チャーンレート」や「チャーン」と呼ばれています。
契約顧客の解約率を下げることが安定した収益を生むため、Churn Rateの数字を定期的に分析していく必要があります。
Churn Rateの数字を眺めるだけでなく、数字の裏側にある理由を解明していかなければ、サービス停止にもなりかねません。
Churnの計算方法=1ヵ月の解約数÷前月の顧客数x100 |
一度契約してくれた顧客の満足度をあげるため、定期的にサービスの見直しや分析を行いましょう。
Churn Rateについては、こちらの記事「チャーンレートとは? 営業でも重要な理由と、改善するポイントをご紹介」も参考にしてみてください。Churn Rateの基本から、重要性や改善ポイントなどが学べます。
SaaSビジネスによるサービス3つの成功事例
株式会社セルシス
株式会社セルシスは、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作のSaaSサービス「CLIP STUDIO PAINT」を開発・提供している会社です。
2012年にパッケージ製品としてライセンス買い切り型を販売後、2017年にSaaSビジネスへ変更しました。短期的な収益は落ちましたが、安定した収益を期待して新規契約増加を目指しています。
現在では3,000万人以上が利用し、ARRは30.7億円まで伸びています。
参考:セルシス、イラスト・マンガ制作SaaSサービス「CLIP STUDIO PAINT」のARRが30億円超え ARR成長率(前年同月比)も25%に
サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は2011年以降、会社をあげてクラウド型サービスへ事業転換をすすめています。
サイボウズの提供している「Kintone」や「サイボウズ Office」は、かつてはパッケージソフトでの販売が中心でした。
しかし、パッケージソフト製品の売り上げが伸び悩んでいくなか、少しずつSaaSビジネスへ以降した結果、大きく成長できました。
参考:サイボウズは「SaaSシフト」をどのように成功させたのか
freee株式会社
freee株式会社は、2012年に創業し2017年に上場するという急成長を遂げた大注目企業です。
freee株式会社のSaaSビジネス「クラウド給与計算ソフトfreee」というサービスを聞いたことのある人は多いでしょう。
2015年には国内初の「労働保険申告機能」をリリースし、2018年には国内初の人口知能を活用した「AI月次監査」機能など、次々に新たなサービスをリリースをしています。
その後も「開業freee」「クラウド申請freee」などのリリースを続け、国内事務所で「freeeを利用したことがある」と答えた人が100万を突破するまでになりました。
参考:freee株式会社のビジネスモデルを分析!人事労務を支えるSaaSに注目【HRTech企業への転職】 | GeeklyMedia(ギークリーメディア)
【カスタマーサクセス】SaaSビジネス成功のポイント3つ
これからのSaaSビジネスは、カスタマーサクセスを作っていくことが成功のポイントだと言われています。
サービスを利用している顧客が、サービスの価値を十分に感じる必要があります。利用する顧客のビジネスを成功させられれば、自然と価値を感じてもらえるでしょう。
結果的にサービスの価値を理解することで、「解約」という選択肢はなくなります。カスタマーサクセス実現のために、以下のポイントを押さえながらLTVを最大化することが重要です。
1.導入支援(オンボーディング)
顧客の悩みや不安をヒアリングし、今まで知らなかったSaaSサービスで解決できることを理解してもらいます。
顧客が設定している目標を実現するためのサービスを提案し、問題なく利用できるようサポートを行いましょう。
はじめてのサービスの導入には、不安や疑問がともないます。スムーズに解決することが重要なため、オンラインサポートやチャット機能を使って丁寧にサポートしていきます。
2.活用支援
導入が完了後も、定期的に追加サポートを行い、サービス利用が安定していくよう支援してきます。
顧客が設定した目標に対して、最短で結果が出せるようトラブルや悩み解決のスピードをあげましょう。早めにカスタマーサクセスを得ることが、解約率を下げるのに必要だからです。
顧客自身でも活用事例やよくある質問などを用いて、達成までのイメージをしてもらうことが重要でしょう。
3.アップセル・クロスセル提案支援
サービス利用が安定してきた時期に、自社SaaSサービスの利用で悩みが解決できているか定期的にヒアリングを行います。
新しいコンテンツやサービスを紹介できるタイミングでアップセルやクロスセルを実施し、自社の顧客単価アップへとつなげましょう。
ただし、サービスへの信頼を得られていない状態での提案は、押し売りと取られてしまうため注意が必要です。適切なタイミングを図り、アップセルやクロスセルを成功させていきましょう。
カスタマーサクセスを詳しく知りたい方は、こちらの記事「カスタマーサクセスとは何か?仕事内容やプロセス・3つの成功ポイント」を参考にしてみてください。カスタマーサポートとの違いやメリットを理解し、収益アップできるよう能動的に関わりましょう。
今後もSaaSビジネスの成長には期待大
人材不足や働き方改革にともない、SaaSビジネスは企業にとって今後ますます重要なビジネスになります。一方、経営側と現場側の意見の相違から、思うように導入が進められていない企業の存在は課題のひとつです。
導入までの障壁を低くして気軽に導入体験してもらうための工夫が必要だと言えます。SaaSビジネスは、継続して利用してもらってこそ意味があるからです。
顧客の利用状況を想像し、ニーズに合ったサービス提供がカギを握るでしょう。そこで顧客の状況を知るためには、SFAやCRMのツールの併用が欠かせません。
「eセールスマネージャーRemix Cloud」で即実現!~CRM/SFAの活用方法のご紹介~
SaaS業界をもっと知りたい方は、こちらの記事「SaaSは有望な業界! 自社との関わり方やメリットを徹底解説」を参考にしてみてください。