Excelでは限界も!営業管理を成功に導く4つのマネジメントポイントと、営業管理ツールをおすすめする理由
予実管理や案件管理などの営業管理には、Excelをはじめとしたスプレッドシートがよく利用されています。
案件の進捗状況などを一覧化して管理できるメリットがある一方で、営業管理がうまくいかずに課題を感じている方も数多く存在します。
本記事では、まずExcelを利用した営業管理の限界を解説します。
その後、営業管理に必要な4つのマネジメントを解説し、営業管理ツールをおすすめする理由について触れていきます。
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Excelでありがちな営業管理と悩み
冒頭で述べたとおり、Excelは営業現場でよく使われるソフトです。
いちいちIT部門に相談しなくても営業管理に必要な道具を作成できる一方で、見逃せないデメリットもあります。
本記事では、まずこの点について考えていきましょう。
Excelで行われがちな営業管理
Excelを導入している営業現場では、以下のようなことが行われがちです。
- 営業担当者別に、Excelファイルのバージョンがばらばら
- 目的別、用途別にExcelファイルがばらばらに作られる
- 報告すべき資料が増えると、新しいExcelファイルが作成され、入力を指示される
- 目的がよくわからないのに入力しているシートがある
これらは営業活動の足を引っ張る要因になり、Excelで営業活動を行う際の悩みにつながります。
Excelで営業管理を行う際の悩み
営業管理に使われるExcelには、いくつかの課題があります。
ここではExcelで営業管理を行う際の悩みを3点取り上げ、解説していきます。
どれが最新かひと目でわからない
「同じような名前のExcelファイルがいくつかあるのだけれど、どれが最新?」Excelを使っていると、このような会話を耳にした方も多いのではないでしょうか。
Excelはファイルで配布されるため、以下のデメリットがあります。
- 簡単にいくらでも複製できてしまう
- 更新日やバージョンを明示しない限り、どれが最新かひと目でわからない
- 使用するファイルのバージョンを強制できない(例えば最新版以外はファイルをダブルクリックしても開けない、といった処置はほぼ不可能)
このため最新のフォーマットを配布したつもりなのに、部下はそれぞればらばらのフォーマットで提出する事態が起こり得ます。
このことは、必要な報告事項がまとまらない結果につながります。
Excelファイルの数に比例して、入力項目も増える
「新しく報告すべき事項や、まとめるべき事項が増えたので、Excelファイルを追加する」このようなことも、よくあるのではないでしょうか。
この場合、他のExcelファイルに入力されている情報を活用することは難しく、新しいExcelファイルに必要な情報を手入力しなければならないことがほとんどです。
そのためファイルや入力項目が増えるたびに、入力する手間も増大します。
いくらコピー&ペーストで済むといっても、その手間は無視できません。
加えて転記ミスなどの誤記が起こることにより、正確性が損なわれるリスクも増します。
これでは業務改善をするはずが、逆に業務を圧迫する結果につながりかねません。
営業担当者から上がってきた情報の分析にタイムラグが発生する
Excelを使うことの問題点には、ファイルをまたいだ、あるいは複数のファイルをまとめた分析が難しいという点もあります。
たとえば個々の営業の実績と課題をまとめたファイルをもとに、チーム全体のリスクや業績予測を立てるといったケースには、どう対応すればよいでしょうか。
おそらく「全員のExcelファイルを集めて一括して分析」といった操作は無理で、営業部門の責任者が手入力しなければならないでしょう。
もちろん、専用のファイルも新しく作らなければなりません。
営業担当者の情報がすべて集まってから入力作業を始めるならば、分析結果が出るまでのタイムラグが避けられません。
そのため、競合に一歩遅れを取ることになるかもしれません。
入力すべき項目が膨大ならば、責任者といえども途中で分析を投げ出してしまいかねません。
そもそも営業管理をする意味は?
営業管理を行う最大の目的は、予算達成です。
予算達成の実現には、4つの視点で営業管理を行うことが効果的です。
- 予算と実績にどれくらいのギャップがあるのか把握する(ギャップマネジメント)
- ギャップを埋めるための見込み案件はどうなっているのかを把握する(案件マネジメント)
- 見込み案件に対して、的確に行動出来ているのかを把握する(行動マネジメント)
- 予算達成に向けたモチベーションを保てているのか把握する(モチベーションマネジメント)
上記の4つを、1→2→3→4の順でマネジメントすることが重要なポイントです。
4つのマネジメントは連動しています。
成約へのプロセスも踏まえたマネジメントを行うことで、行動とモチベーションを高め生産性を最大化させることが可能です。
これにより、継続的に売上を向上し続ける仕組みを構築できます。
営業管理と一緒にPDCAを読むことでより深い理解が得られます。
こちらの記事も一緒に読むと効率的です。
成功する営業管理で求められる4つのマネジメント
4つのマネジメントでは、どのようなことを実施すればよいのでしょうか。
それぞれのマネジメントについて、詳しく解説していきます。
ギャップマネジメント(ギャップ管理・目標管理)
「ギャップマネジメント」とは、予算と実績の間で生まれるギャップを埋める管理を指します。
個々の営業部員は、常に計画通り営業成績を上げ続けられるとは限りません。
ときには、目標からかけ離れていくばかりという場合もあるでしょう。
予算の達成には、実績とのギャップを理由も含めて確認し、進捗状況を注視することが不可欠です。
一方で、予算を楽にクリアしそうな営業部員には、さらに頑張ってもらわなければなりません。
ストレッチゴールは、このような方への「第二の目標」として設定されます。
ストレッチゴールの設定により営業部員のやる気と能力を引き出し、営業成績の向上に寄与できます。
案件マネジメント(案件管理)
「案件マネジメント」とは、個々の案件に関する情報を把握し、成約率を向上させる取り組みのことです。
予算の達成には、1つでも多くの案件を成約に導くことが重要です。
そのためには案件に関する情報や進捗状況を適切に把握し、成約までの戦略を練る必要があります。
案件マネジメントでは成約に至るまでの要素を、しっかり把握し管理しなければなりません。
もちろん管理すべき項目は、取り扱う業種や商材などにより大きく異なります。
しかし一般的に管理される項目としては、以下のものがあげられます。
- 案件に関する顧客の意気込み(例:前向き、後ろ向き)
- 顧客側のキーパーソン
- 案件における規模
- 売上予定日
- 競合他社の情報
- 受注の確度や、商談の状況(前進か後退か)
- 顧客との合意事項
- 顧客への提案内容
行動マネジメント(行動管理)
「行動マネジメント」とは、営業部員の行動を管理し、売上アップにつながる行動を推進することを指します。
案件を受注につなげるには、受注確度が高い案件に集中して営業活動を行う必要があります。
すべての案件を均等に訪問する代わりに、Aランクの顧客を優先して訪問することは、代表的な例です。
行動マネジメントでは営業部員が無駄な行動をしていないかチェックし、売上に貢献する行動に変えるよう促すことが求められます。
モチベーションマネジメント(モチベーション管理)
営業職において、モチベーションは売上を上げ業績を向上させる重要な役割を担っています。
「モチベーションマネジメント」は、モチベーションを高く保つように工夫し管理することです。
モチベーションが下がる理由の一例として、以下のものがあげられます。
- 売上が上がらない
- アポが取れない
- 毎日同じことの繰り返しで、成長が実感できない
上司は成果が上がらない理由を分析したうえで、モチベーションが上がりやすい環境を作ることが求められます。
ヒントを与えて解決を手助けすることは、1つの有効な方法です。
課題を自らの手でクリアすることでやる気を引き出し、モチベーションが上がります。
モチベーションのアップには、以下の対応や対策も求められます。
- コミュニケーションを取りやすくするなど、職場環境を改善する
- 部下の個人的な悩みを聞き、解決できるようサポートする
- 場当たり的な指導をしない
- フィードバックをできるだけ早く、きちんと行う
加えて上司自身が信頼され相談されやすいように、人格を磨くことも欠かせません。
なぜExcelではうまくいかないのか
これら4つのマネジメントが営業管理には必要ですが、Excelなどのスプレッドシートで管理していると、思うように売上拡大に結び付かないという声をよく耳にします。
それはなぜでしょうか。
Excelで予算と実績の差を管理する「ギャップマネジメント」を行った場合を例に挙げてみましょう。
Excelは多くのPCにインストールされており、誰でも簡単に実績を入力できます。
ファイルサーバなど特定のフォルダ上にExcelのファイルを置いておけば、各営業に毎週報告のための数字を入力してもらうことも可能です。
マネジメントでは報告された数値に対して、より細かい観点で掘り下げてチェックする「ドリルダウン」がしばしば必要です。
しかしExcelでは前回の会議での実績数字との違いや、変化に対してどんな要素が関連しているのかなど、ドリルダウンを使って具体的な数字の中身を確認することは簡単ではありません。
このため、予算実績管理表や案件管理表上の整然とした見かけよりも状況が悪化しており、直ちにリカバリが必要であるにも関わらず、気づかない場合もあります。
場合によっては、受注できるはずの案件がいつの間にか消える事態にもつながりかねません。
もちろん、結果が重視される欧米型のマネジメント手法であれば、案件の詳細な情報は必要なく、数字さえきちんと把握できれば問題ないというケースもあるでしょう。
一方で、課題を予測して対処する日本型のマネジメント手法では、案件全体をチェックする必要がありますから、数字のチェックだけでは不十分です。
営業管理に営業管理ツールが必要な理由
営業管理を有効に行い業績アップにつなげる上で、Excelに限界があることは否めません。
これを打破するには、営業管理ツールの活用が求められます。
その理由を2点取り上げ、解説していきます。
営業には日本の現場に合ったマネジメント手法が求められている
日本で営業成績をあげ業績アップにつなげるには、日本の現場に合ったマネジメント手法が必要です。
日本の企業は、上司と部下が連携した組織営業を行うケースが大半です。
これは、メンバーとの関わりが意識面でも物理面的でも離れている欧米と異なる点です。
そのため部下が効果的に動けるよう、事実に基づいて数字などもきちんと示せる仕組みが求められます。
また組織営業では、トップだけでなくミドルマネジメント層も含めた“面”でのアプローチも必要です。
そのため名刺情報にとどまらず、詳細な人間関係を一覧、管理できるような仕組みが求められます。
加えて日本では、部下の育成責任が強いことも特徴的です。
営業管理においては、ミドルマネジメント層が部下をマネジメントしやすく育てやすい仕組みやツールは不可欠です。
効果的な営業には、営業管理ツールが必要
日本型のマネジメントスタイルを採用する企業では、案件に対して緻密なアプローチが可能な管理ツールが適しています。
それは必要に応じて上司が細かく確認でき、具体的なアドバイスや指示ができる特徴を持つツールです。
この点Excelは使いやすいものの、ファイル間の連携を取ることが簡単ではありません。
このため、日本の営業現場で求められている、さまざまな角度から緻密な分析を行うことは難しいものがあります。
営業マンが集めた情報を有意義に活用するためには、営業管理ツールが必要です。
営業管理ツールにもさまざまなものがあります。
その1つであるeセールスマネージャーは、日本で広く行われている組織営業にあわせて作られています。
このため営業成績の向上など、効果をあげやすいことが魅力です。
営業管理ツールの活用で、4つのマネジメントを効果的に行える
営業管理に求められる機能とは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
1つの営業支援システムを例に、その画面を見ながら営業管理の実例について解説します。
ギャップマネジメントの具体例
実際の予算と実績の差を管理していく「ギャップマネジメント」では、受注済みからアプローチをはじめたばかりの案件までを含めた数字を、グラフでリアルタイムに管理することが大前提です。
このシステムは、日々の営業活動における活動報告から実際の数字を抽出し、それをグラフで可視化できるため、予実管理用に帳票を個別に作成する必要はありません。
ある月の目標達成トレンドである予算推移と受注金額としての実績に差がある場合、優先的にクロージングすべき案件が何なのか、グラフ上のギャップからドリルダウンして案件情報を表示させ、進捗状況や受注確度などから注力すべき案件をチェックします。
そして、注力すべき案件からさらにドリルダウンさせ、営業担当者を特定し、その案件を攻略するためのアドバイスを考え、社内SNS機能を通じて直接営業担当者にアドバイスを行うことができます。
実際の予算と実績ギャップのグラフから、わずか数分で営業担当者への直接アドバイスが行えるようになるわけです。
案件マネジメントの具体例
案件ごとの進捗を管理していく「案件マネジメント」では、案件ごとに顧客情報や案件規模を一覧で管理し、進捗状況などが一覧で見えるようにするのが一般的です。
このシステムは日々の活動報告で入力された案件が一覧となって表示される機能を備えており、企業名や部署、顧客との接触日、進捗状況、ネクストアクション、次回訪問日などが案件リストとして一覧表示できます。
進捗状況については色分けで直感的に状況把握が可能で、青色は前回に比べて前進、赤色は案件として後退ということが一目瞭然です。
また、部署名をドリルダウンすれば、その企業の担当者が一覧で確認できる“人脈カルテ”を見ることができ、部署やその人の立場などが把握できるだけでなく、自社に対して好意的なのかという情報まで簡単に把握できるようになっています。
また接触日をドリルダウンして、具体的な行動履歴を確認することも可能で、きちんとアプローチできているかどうかも一目でわかります。
行動マネジメントの具体例
「行動マネジメント」では、案件を増やすための活動がどのように行われているのか可視化できる機能が必要です。
ここで取り上げた営業支援システムは、実際の活動プロセスごとに目標と実績を数値化します。
営業状況を的確に把握することで、適切に対処するためのアドバイスを行えます。
「パイプライン分析」では、営業の活動プロセスを初期アプローチや案件化、提案、見積、クロージングといった段階に分けています。
件数と進捗率を可視化し、チームや個人ごとに営業状況が瞬時に把握できるようなグラフが用意されています。
たとえばAランクを重点的に攻めている営業と、重点顧客ではないDランクの顧客ばかりにアプローチしている営業との差も容易に可視化できます。
こうした機能を活用すれば具体的な数字に落とし込むことが可能になり、担当者へのアドバイスも事実に基づいて行えます。
もう頭ごなしの根性論で訪問件数を増やすようなやり方は不要です。
モチベーションマネジメントの具体例
「モチベーションマネジメント」には、社内SNSを活用し、情報共有やアドバイスがしやすい環境を整えることが有効な方法にあげられます。
eセールスマネージャーの社内SNS(タイムライン)機能を活用すると、コミュニケーションを活発にするだけでなく、案件を推進するために必要な情報のリンクも同時に展開されます。
報告した内容に対して、迅速かつ的確なアドバイスを行えることはメリットの1つです。
成功事例や失敗事例も自動的に展開されるのでノウハウの蓄積・共有も容易になり、新人をはじめ営業部門全体のレベルアップを図れます。
おわりに
営業管理に必要な4つのマネジメントを行うには、Excelではなく営業管理ツールの活用が求められます。
日本で営業管理を行うならば、eセールスマネージャーがおすすめです。
営業管理に課題をお持ちの企業様は、ぜひ弊社にご相談ください。