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【セミナーレポート】営業DX×最強マネジメント術で組織営業力強化
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【セミナーレポート】営業DX×最強マネジメント術で組織営業力強化

2024年4月23日、株式会社識学ソフトブレーン株式会社は、「営業DX×最強マネジメント術で組織営業力強化 ~営業マネージャーが現場で「やるべき事」と「やめる事」~」と題したオンラインセミナーを共同開催しました。

世の中には様々な営業DXの手法やマネジメント論があふれています。そのため、現場でマネジメントする方々からは情報が多すぎて何を取り入れるのが良いのか分からないといった声をよくお聞きします。

5,500社以上の企業に営業DX支援を行ってきた「ソフトブレーン」と4,000社以上の組織運営課題を解決してきた「識学」の両社が「営業DX×マネジメント」というテーマを軸に現場マネージャーの皆様が営業DX実現のために、本当に「やるべき事」と「やめる事」について事例を交えて解説しました。

その概略をレポートします。

登壇者紹介

後藤 翔太

後藤 翔太 氏

株式会社識学
シニアコンサルタント 元ラグビー日本代表

井上 裕太

井上 裕太 氏

ソフトブレーン株式会社
執行役員 事業開発室長

組織パフォーマンス向上へ「マネジメントの重要性と運用ポイント」:識学

株式会社識学とは

株式会社識学は「識学を広めることで人々の持つ可能性を最大化する」を掲げ、識学を使った経営や組織コンサルティング、識学を使った従業員向け研修、識学をベースとしたWebサービスの提供や書籍の出版を行っています。マネジメントをトータルサポートしており、創設から3年10か月で上場し、現在4,000社を超える企業に識学を導入いただいています。

識学とは、意識構造学の略称です。人が物事を認識してから行動するまでの思考プロセスを分析したもので行動原理となる意識構造をベースに構築されたマネジメント理論です。

「出勤」を例にご説明します。出勤をするという行動の手前に、どんな意識構造があるでしょうか。

  • その会社に所属している
  • 何時までに起きなければならない
  • 交通手段のイメージ
  • 出勤後に、お客様から指摘を頂いたり、上司に叱られるかもしれない
  • 仕事を通して得られるやりがい、達成感、責任感

出勤という一つの行動をとっても、このような意識構造があります。この意識構造の働きは、当然ながら人によって様々であるので、人を集めただけではバラバラに進んでしまいます。

そこで組織のリーダーは、組織の枠組みを整え、目標目的を定めて、意識を統一し、メンバーを導いていくスキルが必要となります。組織をまとめ上げてひとつの目標に向けていく、高度なマネジメントスキルが必要です。

リーダーはマネジメントのなかで、多くの施策を実行します。ワンオンワンミーティングをしたり、飲み会をしたり業務支援ツールを導入したりです。

しかし、この意識構造を理解せずにマネジメント施策を実行しても、思ったとおりにドライブできないということが起こります。

意識構造がブラックボックスになっている状態でマネジメントすることは、方程式を知らずに数式を解くということになります。アウトプットの決定要因となる方程式(意識構造)を理解しなければ、代入する数字(マネジメント施策)は導き出せません。

識学では、この意識構造を5つのブロックに分けています。

識学:5つの意識構造

組織では「位置」は役割や現状の認識、「結果」はその役割のゴール、「変化」はプロセスや時間の認識、「恐怖」は危機感などの認識、「目標」は動機となります。この5つが相互に関連しながら人は行動に移ると識学では整理しています。

識学マネジメントは、組織の仕組みから人の感情までマネジメントに必要なあらゆる要素を網羅したうえで、理論として体系化しています。

識学マネジメント理論

識学マネジメントのポイント

それでは、下記3つのポイントを詳しく説明いたします。

  • ルール設定と性質の理解
  • 役割設定と指示系統
  • 目標設定と状態指示

ルール設定と性質の理解

組織は、ある目的を共有した2人(つ)以上の集合体です。他者と連動することで、個で動くよりも早く効率的にゴール達成ができます。そして、組織連動の機能を果たすものが、ルールです。

組織には、さまざまなルールが存在します。組織にルールがあるように、個人にもルールがあります。個人は、育った環境や時代が異なるため、一人ひとりの価値観つまりルールが存在しています。

それぞれのルールや価値観をもった個人が集まったとします。その集まりに組織の共通ルールがないと、個人の価値観のぶつかり合いによってコミュニケーションに壁ができてしまいます。組織においては、組織のルールが優先されるということを、リーダーは示しておかなければなりません。

その上で、組織が目標に向かうために何ができるかを議論すると、コミュニケーションが一段深まり、組織は目標に向かって動き出します。また同一ルールを共有することで、チームの一体感が醸成されます。
リーダーは、組織のルールが優先されるということをしっかりとメンバーに伝えることが大切です。

次に「姿勢のルール」と「行動のルール」という2種類のルールについて解説します。
「姿勢のルール」とは例えば、「朝挨拶をする」「出勤したらタイムカードを打刻する」「決まったユニフォームを着る」といった類のものです。
「行動のルール」は「クレームを減らす」「目標アポ数を達成する」「資格を取得する」のような類です。

2つの違いは、ルール遵守のために能力が必要か否かです。やろうと思えばできることは「姿勢のルール」です。
2つのルールは性質がそれぞれ異なるので運用に気を付ける必要があります。

「姿勢のルール」は、できない場合できるようになるまで言い続けることが大切です。
そうしないと、個人のパフォーマンスが成果に連動しない上に、ルールを守らないことが許されると組織にマイナスの効果を与えます。

一方「行動のルール」は、できない場合その理由や事情を管理する必要がありますが、こちらは後ほど詳しくお話します。

役割設定と指示系統

2つ目の「役割設定と指示系統」ですが、識学では下記を前提としています。

前提:組織には目的を達成するために必要な機能が存在する。機能が分解され、役割として各チーム、個人に設定される。

子どもの頃、ほしいおもちゃやゲームをおねだりしたところ、「テストの点数やお手伝いをしっかりすること」、といった成果を求められた経験がある方は多いと思います。
社会人の場合、欲しいものは給与や評価となります。上司や会社から求められる成果を出し、それに対して評価者(上司)が評価をおこない、給与や評価に反映されていきます。
この時、会社から求められている成果を、メンバー(部下)はきちんと把握しているでしょうか。

求められている成果は何なのかわからないという状態や、決定権者との間に認識齟齬があると、「成果の自己評価」をしてしまいます。しかし自己評価と他者評価が合致することはほぼないため、本当に欲しい給与や評価は手に入らないということが起こります。
したがって、部下側は上司が何を求めているのかを把握すること、上司側は、明確な役割を部下に設定することが重要となるのです。

ただし上司と部下は、立場や役割の違いから見えている世界(視界)が異なるため、できるだけ上司は解像度を高めて役割を設定する必要があります。

目標設定と状態指示

「目標設定と状態指示」についても、識学では下記を前提としています。

前提:目標とは、各チームや個人が向かうべき目印であるとともに、成果に繋がる、今この瞬間の取るべき行動を定めるもの。

目標は、今この瞬間の行動をイメージできるものでなくてはなりません。「月の目標は売上●万円」としても、部下が行動をイメージできずそれが達成できなければ目標として不十分です。

そこで、成果につながる変数の抽出を行います。例えば、プレゼンのやり方から変数を見つける場合、デザインにこだわった資料を作る、要点を整理した説明をして伝え方を工夫するなどがあります。前者では成果に変化がなかったが、後者では成果に表れた場合、成果に繋がる変数Xは「伝え方」にあると言えます。このように、仕事の成果に直結する変数を上司は見極める必要があります。

また目標を達成する場合のプロセス(行程)を細かく分解して変数を明らかにすることも大切です。eセールスマネージャーなどのCRM/SFAツールを使うことでわかりやすくなります。

メンバーが集中でき、かつ最も効果が高くなる目標(KGI)と、それにつながるプロセスの設定(KPI)の設定が必要です。

そして、この目標を期限と状態をセットにして設定します。その場合、「行動」を部下自身が考えられることが大切です。マネジメントがうまくない上司の場合、その目標に向かうまでの行動をあれこれ細かく指示をしてしまいます。そうすると、目標までの行動を部下が考えられなくなり、部下の力が発揮できません。つまり、経過への口出しから状態指示へ変更することで、部下の思考力が活性化し、マネジメントの効果や時間の短縮が可能となります。

経過への口出しではなく、状態指示をすることで、自責思考が生まれてメンバーの成長につながり、創造的思考によってリーダーの発想を超えた成果を出せるようになり、マネジメントにかかる時間を減らし組織の成長速度を加速させられるようになります。

マネジメントのポイントまとめ

  • ルール設定と性質の理解
  • 役割設定と指示系統
  • 目標設定と状態指示

これらマネジメントポイントを押さえることにより、統制が取れた状態で、かつ一人ひとりの能力が発揮されている状態を構築することが可能となります。

組織パフォーマンス向上へ「DXの重要性と運用のポイント」:ソフトブレーン

続いてソフトブレーンからは、そもそもDXをなぜ進める必要があるのか、またその運用はどうするのかについて説明します。
日々、様々な企業にお伺いしてお聞きする「営業現場の困りごと」の一例がこちらです。

  • 長時間労働の抑制 
  • 場所にとらわれない営業循環整備

困りごとの一方で、営業は売上を上げ予算達成をし続けなければなりません。
そのためには、営業一人当たりの生産性を上げる必要があります。    

コア業務への集中

営業マンは、一日のうち何時間お客様と接する時間を持っているでしょうか。ある調査によると、1日の業務時間の15%程度という結果でした。
業種業態にもよりますが、営業マンがコア業務である営業活動に時間を割けていないという事実があります。
これは、「見える化のための負荷」が生じていると言えます。

PDCAサイクルを回すため「Plan」「Do」「Check」「Action」ごとの見える化は重要ですが、それぞれのプロセスで様々なシステムやツールを使って資料作成をしていることがよくあります。
営業マンの立場からすると、2重3重のメンテナンスが必要となり、社内に帰らないと更新ができず、ムダが発生して残業してしまう状態です。

またマネージャーの立場では、変更や更新箇所がわかりづらかったり、必要な情報を探すのに手間がかかったり会議での報告を待つしかない状態です。
ソフトブレーンのアンケートによると、営業活動においてPDCAが回っていない と回答した方は92%でした。
「見える化のための負荷」を取り除き、アナログ業務をデジタル化していくことは必要ですが、それにはコツがあると考えます。

ソフトブレーンの提供するeセールスマネージャーは、「シングルインプット・マルチアウトプット」という考え方に基づいています。

営業マンは、アンケートに回答するように活動情報をPCやスマホから打ち込むと、商談リスト・活動履歴・実績管理表・ダッシュボード・顧客情報等の各種資料に自動的にリアルタイムで反映されるように設計されています。
営業マンはあらかじめ用意された項目を選択する形で打ち込んでいくため、個人によって表記ゆれや、粒度が異なるというようなことが起こりません。

システムの稼働を長続きさせ効果をUPさせるコツは、使いやすさと入力のしやすさです。
マネジメント側は必要な情報をすぐに確認することができ、必要なタイミングで指示やアドバイスすることが可能です。eセールスマネージャーはまさにその状態を実現します。

GMOメイクショップ株式会社様のeセールスマネージャー導入事例では、

  • 90分かかっていた会議が15分程度に短縮された
  • 案件の取りこぼしが0になった
  • カスタマーサポート部門との連携がスムーズになった

という嬉しいお声をいただいています。

→ GMOメイクショップ株式会社様の「eセールスマネージャー」導入事例を見る

行動量を上げる上では、事務工数を削減することや会議にかかる時間を短縮することが効果的であり「eセールスマネージャー」ではそれを実現します。

以上、負荷軽減と行動量のUPによる生産性向上について解説しました。

ボトルネックの可視化と改善

コロナ禍以降、お客様からいただく困りごとに変化がありました。

コロナによって、「ビジネスの不確実性が高い」「変化が激しい」「正解がない」等、経験や勘では解決できない事象が増えました。解決のために、営業現場のデータを起点に、分析および改善サイクルを回す営業組織にシフトしたい、そのため営業プロセスを可視化したい、データを集めたい、というお声が非常に増えたのです。

当社が実施したアンケートで「営業プロセスにおいて、データを活用した営業活動ができている」という質問に対しては、はいと答えた方はわずか15%という回答結果が得られました。

データ活用においてよく着目されるのは勝因敗因分析です。受注理由は再現しづらい偶発性もあります。しかし失注や延伸については、選ばれなかった理由に受注率を高めるヒントが多く、再現性が高い分析に役立ちます。

営業活動をプロセス分解すると「Aさんは稟議プロセスでコンバージョン率が下がる」「Bさんは提案プロセスでコンバージョン率が下がる」という各自スキルの差が見えてきます。この事実から「ボトルネック」がわかると、それぞれに対策を打つことができ、活動量だけでなく活動の質向上、ひいては勝率向上のための戦略を立てることが可能です。

もう一つ事例をお伝えします。

株式会社相模化学金属様よりeセールスマネージャー導入後に頂いたお声です。

  • 半日かけて作成していた会議資料の作成がゼロになった
  • 失注分析により営業マンが何に注力すべきか分かった
  • 品質保証部門との連携がスムーズになった

→ 株式会社相模化学金属の「eセールスマネージャー」導入事例を見る

営業生産性の向上はいくつかの要素で成り立ちます。どのようにして生産性が変化するかを見てみましょう。

生産性の向上は「商談件数を上げる」「歩留まりを改善して成約率を高めていく」「顧客の困りごとにフィットした提案をすることで受注単価を上げる」という複数の要素の組み合わせで相乗効果を生みます。

本日解説をさせていただいた手法を取り入れることで、皆様も間違いなく生産性向上と業績向上を果たすことができます。

まとめ

ソフトブレーンからは、DX推進の重要度とその運用のポイントをご説明しました。
ただシステムを導入するだけではなく「導入する目的は何か」「行動量と行動精度をどう高められるのか」の2点を「コア業務への集中」「ボトルネックの可視化と改善」に焦点を当ててご説明しました。

株式会社識学およびソフトブレーン株式会社に対して何かご興味を持たれた点がありましたらご連絡いただければと思います。組織や営業のパフォーマンスを向上させるお手伝いができると確信しております。

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