ChatGPTは業務に使えるか?特徴やメリット・デメリットを解説
2023年に注目されたサービスの一つに、ChatGPTがあります。「最新のサービスを活用したいが、安全かどうか不安」というように、興味・関心と不安の両方を感じている方も多いのではないでしょうか?
ほかのサービスと同様に、ChatGPTにも得手不得手があります。ChatGPTの特徴を押さえたうえで適切な用途で使えるよう、この記事で、しっかり確認していきましょう。
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ChatGPTとはなにか? 5つの特徴を紹介
ChatGPTはOpenAI社の提供する、入力された質問に対して自然な対話形式で回答するチャット型のAI(人工知能)サービスです。以下の3種類に分かれており、「GPT-3.5」は無料で使えます。
種類 | 特徴 |
GPT-3.5 | 無料版。2021年9月までの情報で学習済 |
GPT-4 | 有料版。ChatGPT Plus 契約者が利用できる画像データに対応し、2021年9月までの情報で学習済 |
GPT-4 Turbo | 有料版。2023年4月までの情報で学習済画像入力、画像生成、音声合成に対応 |
本記事では、登録すれば誰でも無料で使える「GPT-3.5」を中心に解説します。まずはChatGPTが持つ5つの特徴を確認しましょう。
さまざまな知識を手軽に得られる
ChatGPTは文章を入力して問いかけるだけで、答えを返してくれる便利なサービスです。身近なことから専門的な内容まで、さまざまな知識を手軽に得られます。
ひとつのサービスでさまざまな言語に対応できることも、ChatGPTの特徴です。翻訳にも使えるでしょう。日本語で問いかければ日本語で回答が得られるため、英語が苦手でも心配いりません。
質問するたびに回答内容が変わる
ChatGPTは、質問に対する回答文をあらかじめ用意しているわけではありません。問い合わせの都度、AIを活用して文章を組み立てるため、質問するたびに回答の内容は変わります。「どの文を信じればよいかわからない」と悩んでしまうこともあるでしょう。
もっとも、この特徴には、メリットもあります。Webコンテンツの作成にChatGPTを使う場合、2人の執筆者が同じキーワードで文章を作っても、出力される文章はお互いに異なります。文章の一致率が下がるため、意図せずコピーコンテンツを作成してしまうリスクが下がることは、大きなメリットといえるでしょう。
アカウント登録を行えば無料で使える
ChatGPTは、ログインすれば使える手軽さも魅力です。初回はアカウント登録が必要ですが、登録方法は以下の4種類から選べます。
- メールアドレスで登録する
- Googleアカウントで登録する
- Microsoftアカウントで登録する
- Apple ID で登録する
使い方の詳細は以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
参考:ChatGPTの使い方まとめ|始め方や日本語利用のコツ・実務での活用法を解説
スマートフォンアプリでも使える
ChatGPTは、スマートフォンアプリでも無料で使えます。簡単な質問を入力するだけで、手のひらでも必要な情報を手に入れられることはメリットです。iPhoneの場合はApp Storeで、Androidの場合はGoogle Playで検索して、アプリをインストールしてください。
AIチャットボットとの違い
ChatGPTとAIチャットボットは、どちらもAIが使われています。しかし、その活用方法は両者で大きく異なります。ChatGPTがAIチャットボットと異なる点を、以下にまとめました。
- 質問内容に応じて、柔軟に回答を生成できる
- 人間と会話しているようなやり取りが可能
- 専門分野を問わず使える
- 自己学習ができる
- 知らない質問に対して「わからない」と回答する代わりに、不正確な回答をする可能性がある
以上の点から、ChatGPTとAIチャットボットは、適材適所での活用がおすすめです。
ChatGPTは幅広い業種で活用されている
ChatGPTは幅広い業種で活用されています。代表的な業種と活用例を、以下に挙げました。
- 製造業(ノウハウや事例の収集)
- 証券会社(情報取集のサポート、顧客対応の充実など)
- 鉄道会社(資料やメールの作成、アイディアの創出)
- 観光業・宿泊業(問い合わせ対応、予約・販売、外国語への対応)
- 地方自治体(文書の作成や要約、アイディアの創出)
業種ごと、また組織ごとに、活用する目的は異なります。幅広い用途に使えることは、ChatGPTの強みといえるでしょう。
参考:ChatGPT(チャットGPT)の業務における活用事例10選【2023年11月版】
ChatGPTを活用するメリットとデメリット
ほかのツールと同様に、ChatGPTにもメリットとデメリットがあります。どのようなものがあるか、代表的な項目を確認していきましょう。
ChatGPTを活用するメリット
ChatGPTには、用途面で以下のようなさまざまなメリットがあります。
- 事務作業を効率化できる
- ドキュメントやコンテンツ作成にあたり、情報を収集するツールとしても有効
- プログラミング支援、コーディングツールとして使える
また、機能に関しては以下のようなメリットがあります。
- 分野や言語を問わず使える
- 頻繁に機能が追加されているが、クラウドサービスなので常に最新の機能を使える
- わからない用語もひとつの質問で簡単に知ることが可能
多くのメリットが得られることは、ChatGPTの魅力といえるでしょう。
ChatGPTの弱点やデメリット
ChatGPTは、万能のツールではありません。活用にあたっては、以下の弱点やデメリットがあることに留意してください。
- 回答が正確でない場合がある
- 意図せずに著作権を侵害するおそれがある
- 無難な回答となりがちで、人々に刺さる表現は得にくい
多くのケースで、ChatGPTが出力した文章を人の目でチェックする必要があるでしょう。現状を把握する手段としては適していますが、かゆい所に手が届くような表現はなかなか得にくくなっています。
また、無料版のChatGPTでは、2021年9月までの情報しか学習していません。より新しい情報から回答を得たい場合は、有料版で2023年11月6日に発表された「GPT-4 Turbo」を使う必要があります。なお「GPT-4 Turbo」でも、検索できる範囲は2023年4月までの情報となっています。
ChatGPTの強みを活かせる5つの使い方
ここまで解説したとおり、ChatGPTはどのような用途でも使える万能ツールではありません。一方で、うまく使えば業務効率化や成果物の品質アップを実現可能です。
ChatGPTの強みを活かせる使い方は、5つあります。どのような用途で活かせるか、順に確認していきましょう。
難しい用語の意味を知る
難しい用語に出会ったときにChatGPTに説明してもらうことは、1文の問いかけでさまざまな情報を得られるメリットを活かした、有効な活用方法です。
ただし、得られた回答がいつでも正しいとは限りません。以下の点に注意が必要です。
- 最新情報に対応できない場合がある
- ChatGPTがもっともらしい誤答をする場合がある
得られた回答はうのみにせず、検索エンジンなどを使ってチェックしてから使いましょう。
文章を要約する
文章の要約も、ChatGPTが得意な機能の一つです。単に要約だけをさせることも可能ですが、以下の条件を与えることで要望に合った出力を得られます。
- 文字数や留意すべきポイントを示す
- 要約結果を箇条書きで示す
- 外国語の文章を日本語に翻訳し、要約して示す
ChatGPTの活用で、提示された文章の要点をすばやく理解できることはメリットといえるでしょう。
文章作成の補助ツールとして使う
ChatGPTは、アイデアを収集するツールとしても使えます。欲しい情報を文章でたずねることで、すぐになんらかの回答を得られ、自分では考えつかないような回答も得られるかもしれません。
また、ChatGPTではいくつかの情報をもとに文章を作る機能も持っています。文字数を指定して文章を作成させることも可能です。出力された文章をブラッシュアップして使いましょう。
ただし、回答文をそのまま使うと著作権侵害につながるおそれもあるため、チェックせずに使うことはおすすめできません。情報集めの手段として使うなど、あくまでも文章作成の補助ツールとして使うことがおすすめです。以下の記事もあわせてご参照ください。
参考:ChatGPTの使い方とは?日本語で質問するコツや活用方法を解説
会話の相手として使う
ChatGPTを話し相手として使うことも、一つの方法です。同じ問いかけをしてもその都度異なる反応が返ってくるので、飽きずにコミュニケーションを取れます。休憩時間や手待ち時間の暇つぶしとしても使えるでしょう。
プログラミングツールとして使う
ChatGPTは、プログラミングツールとしても使えます。一例として、以下のコードを作成することが可能です。
- PHPやPythonのコード
- Excelの関数を用いた数式やマクロ
また、プログラマーが作ったコードに対して、以下のチェックを行うことも可能です。
- バグの有無
- 修正案など、コードの改善方法を提示
システム開発や実務の助けになるでしょう。
ChatGPTの特徴をふまえて適材適所の活用をしよう
ChatGPTは、ビジネスに役立つ機能を備えた便利なツールです。一方で、ChatGPTが回答した内容が常に正しいとは限りません。特に、時々刻々と変化するテーマへの回答は、不適切なものとなりやすいでしょう。
業務でChatGPTを扱う際には特徴を理解したうえで、適材適所での活用をおすすめします。
業務を支援するツールは、ChatGPT以外にも多数あります。以下の記事を参考にして、貴社に合ったツールやITサービスを見つけてください。